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全員集合

その週は自由な形態ということで、シロウは錬金術の修行。俺達は交代で依頼達成と稽古を行った。

ウーコンは毎日遠征で、俺が毎日稽古の指導。イザベラとノラが交代交代だな。

今までの貯えや高レベルのモンスターの素材で懐は温かいので、よほどの散財をしなければこの5人でずっとこのままの生き方もできることはできるだろうな。


週末の夕食時に俺が今後の提案をした。

「自由な形態でのサイクルも順調だが、週に一度くらいのペースで全員で冒険に出かけないか」

「私は錬金術も順調ですので、そのくらいの頻度でしたら、行かせていただきたいと思います」

「いいわね。強いモンスターをやろうってことでしょ。私やノラも少しは力が付いたと思うから、そういうのも経験したいわ」

「ですです」

「俺は強い魔物は願ったりだが、それだけみんなが危ない目にあう可能性は高いわけだな」

ウーコンも仲間の心配をしてくれているようだ。

「勿論リスクは高い。イザベラとノラはなかなか荷が重いかもしれないが、二人とも防御の風魔法をうまく使えるようになったから、大丈夫だと踏んでいる」

「魔物の目途はつけてあるんでしょうか」

うん。やっぱりシロウはしっかりしているな。

「ヒュドラをやるのはどうかと思っている」

俺も少し緊張しながら言葉を選んだ。

ヒュドラ自体は強いことは強いが、1体だけなら俺一人でも倒せないことはない。ただ、異世界に転移させられた時には3対のヒュドラに襲われた。その時のことを思い出すと、俺も多少緊張する。

「ヒュドラかあ。サラマンダーと言い、ちょっと私の今までの常識とは一桁違うモンスターが対象なのね」

イザベラは頭を抱えるようにして顔をしかめた。

まあ、Bクラスに上がったとは言っても、今までサラマンダーやヒュドラに出くわしたことはないだろうから、気が重いのはわかるな。

「ヒュドラと言うのはどのような魔物なんですか」

「ヒュドラは九つの頭を持った大蛇だ」

「九つとは多いです」

「胴体が体高4~5メートルあって、それから大蛇の頭が九つ伸びてるんだな」

「我が国の八岐大蛇のようですね」

「まあ、それだけならでかくて数が多いだけのことだが、こいつには厄介な能力が二つある」

そう、でかいだけならウーコンが殴れば片が付くだろうがな。

「一つは毒だ。毒を吐く。俺は喰らったことはないが、聞いた話では浴びるとしびれるようだな。諸に浴びれば皮膚がただれたりもするらしい」

「なかなか厄介のようだな」

「それで聞いておきたいんだが、聖女ノラは毒消しの魔術はどうだ」

「毒消しですか、キュアはできます。ヒュドラの毒は見たことがないですが、毒を持った魔物に噛まれた人を助けたことはあります」

「うん、それならいいな。イザベラとノラで風魔法の盾を二重掛けして自分の身を守り、俺達の誰かがもし毒を浴びたら、聖女様に助けてもらうって言う算段だ」

「中々重要な役目ですね」

「ああ、頼りにしているぜ」

ウーコンがニヤッと笑いながら言った。

「それで、もう一つの能力は何なの」

「もう一つは再生能力だ。頭を斬り飛ばせればいいんだが、多少斬ったくらいでは傷が塞がってくる。持久戦に強いんだな」

一人で戦う時には時間が勝負だ。疲労が溜まる前に片っ端から頭を斬り飛ばせればいいんだが、勿論簡単な話じゃあない。俺が以前討伐した時は短時間で九つの首を斬り落とすことができたが、前回3頭に襲われた時は焦ったな。あれじゃあ、1頭を倒しきる前にほかの2頭に攻められ、その間に回復しちまうからな。

「じゃあ、1頭なら毒さえ気を付ければ大丈夫ですね」

「うん。このメンバーで1頭相手ならそれほど心配ないだろうな。いい経験が積めると思う」

「問題は複数の時ですか。割と群れるんでしょうか」

「いや、単体の場合が多いようだが、俺はこの前3頭に出会ったから、油断はできない」

「ああ、そう言ってたな」

話としてはヒュドラ退治で意見はまとまった。

多分依頼が出ていることもないだろうから、素材狩りでダンジョンに向かうことになるだろう。


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