帰宅
俺とイザベラはとりあえず家に戻った。
「まだ、誰も帰ってないようだな」
「折角買ったんだから、テレフォンで連絡してみましょうか。
あれ、手紙が届いているわね」
俺もテレフォンを出してみるとノラから手紙が来ていた。
「えっ」
イザベラは絶句していた。
「はあ、サラマンダーを退治したか。流石だな」
「ええっ、サラマンダーよ。火蜥蜴サラマンダーを倒したって言うのよ」
「ああ、ウーコンなら楽勝だろ。俺でも簡単とは言わないが、倒せる相手だとは思うけどな」
「はああっ。あなた達強いとは思ってたけど、サラマンダーを倒せるの。パーティを組んでならわかるけど、多分ウーコン一人でやったってことでしょ」
「そうだろうな。サラマンダー相手にノラじゃあ援護は大変だろうな」
まあ、ウーコンの実力を知れば驚くだろうな。
俺達が話しているとウーコンとノラが帰ってきた。ギルドへの報告も無事に済ませてきたようだ。
「ウーコンって凄いのね」
「イザベラもウーコンの凄さを理解したですね」
「はは、照れるぜ。まあ、蜥蜴ごときに手古摺っちゃいられないからな」
ウーコンだとドラゴンを倒しても同じセリフを言いそうだぜ。
「それとウーコンはBクラスへの昇格が認められたです」
「おお、やったな。当然と言えば当然だが。
ノラはどうなんだ」
「昇格を強く言えば通ったかもしれないですが、今回はウーコンに守ってもらえただけですので、正直に申告しました」
「あら、サラマンダーと遭遇して生きて帰ってきただけでも昇格していいと思うわよ」
「まあ、昇格の機会はまたあるだろう」
暫くするとシロウも帰ってきたので、みんなで夕食に繰り出した。
「今日から自由な活動にしたが、みんな充実したかな」
「私はウーコンとカップルの冒険で楽しかったです」
「ああ、俺もいいところが見せられて嬉しいぜ」
「私も舞空術を身に着けるのは面白かったわ。もう少しで飛行術もマスターできそうよ」
「うん。シロウはあっという間に飛行術もできるようになったが、イザベラもいい調子だな」
「私は無事にエリザベス師匠の弟子にしていただきました」
「あの錬金術師はエリザベスっていう名前なのね」
「ええ、それで勝手を言ってもうしわけありませんが、私は暫く錬金術の店に通わせてください」
「ああ、別にいいと思うけど、暫くは冒険はなしか」
「いえ、様子によって連れて行っていただければと思います」
「じゃあ、その日の様子で決めればいいな」
「ところで錬金術ってどんなことをやるですか」
「私は今日半日習っただけですので錬金術の何たるかを語ることはできませんが、かなり幅広い技術のように思えますね。
今日やったのはポーションを作るための撹拌と魔法陣への魔力の込め方ですね。基本的に何かを作り出すと言う技術のようですが、自然の素材を組み合わせたり、魔術を使ったりといろいろあるようです」
「じゃあ、錬金術師ってのは魔術師でもあるってことかな」
錬金術師はそれほどメジャーな職業じゃないから俺も詳しくはわからない。
「ある程度の魔術は使えるでしょうね。戦闘に生かせる魔術を使えるのかはわかりませんが、エリザベス師匠は魔術師としても一流だと思いますね。
それに私のほかに姉弟子が住み込みでいるんですが、その女性もなかなかの方と見受けました」
「へえ、面白そうだな」
シロウも化け物だとは思うが、ウーコンのような戦闘狂と違って、錬金術みたいな謎めいたものがこいつには似合いそうだな。
「明日だが、シロウは錬金術でいいな」
「ええ、そうさせてください」
「ノラ、俺と接近戦の稽古をしないか」
「ええ、いいですが」
ノラがちらっとウーコンを見る。まあ、二人で一緒にいさせてもやりたいが、ウーコンは人にものを教えるのは得意に見えないからな。
「ノラはベースは回復役だが、モンスター退治はどうしたって接近戦が避けられない。ある程度はウーコンが守ってくれるだろうが、ノラ自身の技術も上げておいた方がいいだろう」
「わかりましたです。お願いしますです」
「じゃあ、私はウーコンとモンスター退治でいいかしら」
イザベラはウーコンを見ると慌てて
「ってことは、また雲ってことかしら」
まあ、そういうことだな。
「うーん、仕方ないわね。移動手段としてはとても便利だものね。それに私も舞空術を稽古したから、少しは空中も慣れたかもしれないわね」
なんとなく自分で納得したようだ。
帰りはいつもどおりイザベラとウーコンが公衆浴場に周り、男三人は直接帰宅した。




