錬金術
ハードな依頼をこなしたことも有り、次の日は冒険は休みにした。
「また、街を冷やかしに行きたいな。面白い所はないかな」
「この間の占いはどう」
「うーん。興味はあるが、前回のがハードだったし、ちょっと間を置きたいな」
「ノラどこかないかしら」
「そうですね。私は田舎から出てきたのでいいお店はそんなにしらないんですが、錬金術のお店はどうですか」
「錬金術の店は割と珍しいよな」
「そうですね。私が街に来たばかりの時に親切にしてもらったので、私は時々行くです」
「面白いかもしれないな。みんなで行ってみようぜ」
俺達は5人で街に繰り出した。目当ての店は商店街とは少し離れたところにあった。
「割とさびれたところにあるんだな」
「そうですね。たまに爆発したりするから街中は避けているって言ってましたです」
「中々物騒だな」
表の構えは割とこじんまりとした店だった。奥が広いようで、そっちで錬金術をするんだろう。
店に入ると、ポーションや毒消しなどの薬系が多く置いてあるようだ。ポーションなどはギルドでも販売しているが、こういう専門店の方が高品質の物など、品揃えはいいだろう。ほかにも俺には何なのか判別がつかない品もあった。
「こんにちはです」
「いらっしゃい」
ノラが声をかけると奥から店主が出てきた。他に客もいないので、奥で仕事をしていたようだ。作業着を着た年配の女性だ。がっちりした感じのあねさんのように見える。
「ああ、ノラさん久しぶりね」
「ご無沙汰していますです」
「あなたはいつも一人かと心配していたけど、今日はお仲間と一緒なのね。良かったわ」
「まあ、心配していただいてありがたいですけど、私にも仲間はいるです」
「ああ、それは失礼したわね。今日は何か目当ての品があるの」
「いえいえ、仲間に私の自慢の知っている店を案内してきましたです」
「まあ、それはありがとう」
明るく、気さくな感じの女性のようだ。
「この道具は何なんですか」
俺は火の国で見た種子島のような形の棒を指さした。
「それは最新作なんだけどね、雷の魔法を打ち出す魔道具なの」
「魔力が無い人間でも使えるんですか」
魔力が全くない人間はいないと言われているが、魔術を身に着けていない人間のことをそういう表現をしたりする。
「使えるわよ。戦士専門の人なんかが、遠距離の敵を倒すにはいいと思うわ。威力は保証するわよ」
「この熊の縫いぐるみは何だい」
ウーコンが棚のすみにあるものを目ざとく見つけたようだ。
「それはゴーレムよ。小さいけれど、オーガ程度なら倒せるわね」
1メートルくらいの大きさしかないが、それは中々の威力だな。
「どうやって動かすんだい」
「後ろの窪みに魔石を嵌めて、それを動力にするんだけど、最初に操縦者の魔力を登録する必要があって、その人の命令を聞くことになるわね」
俺達は物珍しく、ほかにもいろんな道具の質問をした。いろんな魔道具があって、この店は飽きないな。
「あなた達は強そうだけど、どのくらいのクラスなの」
「公式にはAクラスからCクラスまでです。実力Sクラスが一人いるけど」
「じゃあ、お金回りもいいでしょう。通信の魔道具なんてどうかしら」
「ああ、テレフォンって言うやつですね。仲間同士で離れていても話ができるんでしょ」
「そうよ、ギルドにも置いてあるから、チャンネルを合わせれば連絡ができるわ。便利だからAクラスには持っている人も割と居るでしょう」
金には余裕がある。俺達は一人に1台ずつテレフォンを買った。
ほかにポーションや魔力回復のマナポーション、毒消しも買って、マジックバッグに入れておいた。
「確かに面白い店だったな。いい物も買えたし」
「でしょでしょ。私も自信をもって紹介出来るです」
「錬金術とは面白いもののようですね。今日はいろんな物を見せてもらいましたが、私は作り方に興味があります。いろいろ話を聞かせてもらいたいし、できれば弟子入りしたいくらいです」
「シロウが錬金術を学べばいろいろ便利そうだな」
「冗談抜きでまた行ってみますよ」
シロウが珍しく明るい顔で言った。




