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絡まれる

ジェミニの二人はそのまま帰るようだ。俺達は素材の査定が終わっているだろうから、ギルドの受付に戻ることにした。

「それじゃあ、お世話になりました」

「おお、こっちこそありがとう、また武勇伝を聞かせてくれ」

バレンティーナは戦いの話も好きなようだ。ジョナサンは結局ほとんど喋らなかったな。


「あ、査定が出来てますよ」

窓口に行くと、直ぐにサラが対応してくれた。今回もいい金額になった。

「それと、グリフォン2体。それも特大の奴なので、皆さんのランクアップを承認します」

うん。今回は苦労したので、ランクアップは嬉しいな。実力より低いクラス認定のみんなは上がるだろうと思っていたが、俺はどうかな。

「まず、リードさんAクラスにアップです」

「おお、おめでとう」

やったぜ、苦労した甲斐があった。

「次にイザベラさんはBクラスにアップです」

「おめでとう」

「ありがとう、嬉しいわ」

「ウーコンさんとノラさんはCクラスにアップです」

「二人ともおめでとう」

「ありがとう」

「えへへ、ウーコンとアベック昇級です」

二人とも嬉しそうだ。まあ、ウーコンはまだ全然過少認定だが。

「最後にシロウさんは2ランクアップでやっぱりCクラスです」

「まあ、2ランクなんて凄いわね」

「グリフォンを倒すパーティの方をD以下においておけないので、特別昇級です」

「ふん、特別昇級だと。こいつらが、本当にグリフォンを倒したのか怪しいもんだぜ」

酒場の入口の方から剣呑な声が聞こえてきた。

俺達は一斉にそちらを振り向いた。

「なによ失礼ね。ちゃんとした討伐証明を出したわよ」

「魔石を出したのは本当なんだろうよ。だけど、それを誰が討伐したかだな」

銀髪でスマートな男の冒険者が近寄ってきた。こいつは確かAクラスのパーティのやつだな。アーロンだったか。後ろの方にはその仲間たちが屯している。

クラスは個人が認定されるので、実際はAクラスのパーティという言い方は正確ではないが、こいつらは5人全員がAクラスだと言う話だ。それに前衛3人、後衛2人というバランスの取れた実力者という噂だ。戦闘を見たことはないが。

「どういう意味よ」

「おまえら酒場でジェミニと騒いでただろ。ジェミニに獲物を恵んでもらったんじゃねえか」

「ふざけた言いがかりをつけやがる」

俺達が急激にランクを上げてきたのが気に入らないのか、それともジェミニと繋がりを持ったのが不快だったのか。まあ、両方かな。

「待ってください。達成報告も昇級認定もギルドの責任で行いました。苦情があるなら、しっかりした証拠を示してください」

サラがいつもと違って毅然とした口調で間に入った。

「はは、証拠なんてものはないがね。ポット出の新米がグリフォンを倒したなんて聞かされるとこちらも疑い深くなっちまう。騒がせて悪かったな」

全く悪いとは思っていない口調で言うだけ言うと、アーロンはくるっと踵を返してどんどん仲間の元に向かった。仲間たちもニヤニヤしながら酒場のドアに消えていった。

「全く失礼しちゃうです。私達の苦労も知らずに勝手なこと言って。一発殴ってやればよかったですです」

「俺が行って殴ってこようか」

「いえいえ、ウーコンが殴ったら死んじゃうかもしれないから許してやるです」

ノラが慌てて手を横に振った。

「しかし、ウーコンと言えど簡単に殴らせてはもらえないかもしれませんね」

シロウが遠くを見るような目で言った。

「まあ、かなりの実力者ってことは認めるがね」

ウーコンも落ち着いているな。

「しかし、俺達と戦いになれば、もう殺し合いだな」

なかなか物騒なことを言う。確かにちょっとした喧嘩では収まらないだろうな。気に入らない野郎だが、できれば殺し合いはしたくはないもんだ。


まだ外の店は営業しているので、俺達は防具屋へ行った。

「これは随分やられましたね」

ドワーフの店主が嬉しそうに言う。

「まあな、修理ができるかな」

「ものに拠りますね。あなたの小手は穴だらけで、これは買い替えが必要ですね。他のは修理できそうですが、できれば買い替えをされることをお勧めしたい壊れ具合が多いですね」

ウーコンやノラのように破損が全く無いものは別にして(そもそもウーコンは防具らしいものはほとんど身に着けていないが)、稼ぎも多かったので、なるべく装備は買い換えていった。


「ところでさっきのAクラスはどんな人達なんですか」

家に帰ると直ぐにシロウが聞いてきた。イザベラとノラは共同浴場に寄っている。

「今、売り出し中の「銀の暴風」って言うパーティだ。気が荒い奴ららしくトラブルは時々聞くが、全員がAクラスで確かに実力はあるんだろう。

戦士3人と攻撃の魔術師と回復役が一人ずつ、バランスが取れているな。

さっきの奴はリーダーのアーロン。戦士と言うか剣士って感じかな。後の前衛は斧を持ったまさに戦士って言うでかい奴と、斥候を兼ねている小柄な奴だな。そう言う意味でもバランスはいいな。破壊力が有る奴と素早い奴って言う組み合わせだ。魔術師達は女だが、そっちも実力者って噂だな」

実際、冒険者達は複数パーティで挑むような特殊な討伐以外では他人の戦闘を見ることは少ない。俺達が出会った時のジェミニのように狩場で出くわすことはあるが、それ以外では別々に戦闘するので、他人の戦いを目にすることは少ない。なので、達成報告や偶々目撃した奴の噂などから想像するしかない。まあ、酒場で武勇伝をふかしている奴も多いが。

「まあ、魔物でない人間の方が戦いようはあるでしょうがね」

うん。ここにも一人物騒な奴が居るな。


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