仲間たち
俺達はシロウを眠ったままにして、外食に出かけた。簡単な食事なら俺が作れるが、少し栄養も付けたいし、イザベラとノラはどちらにしても共同浴場に行くために外出するので、そのついでもあった。
「さて、シロウをどうするかは明日ゆっくり考えるにしても、一応この4人で現状認識をしておきたい」
俺は3人を見回した。
「一応俺をリーダーとしてパーティを組んだんだが、みんなかなり短い間に知り合って仲間になったわけだ。それでもダンジョンに潜ったりして協力してモンスター退治をしてきた。どうだ、わずかな戦いかもしれないが、不満とか意見はないか」
「私は全くありませんです。命を助けてもらって、それで仲間にしていただいたんです。どうやってこの恩を返せばいいのか、それをこれから考えていくだけです」
「そうね、私も全く同じよ。私は命を救われたわけではないけれど、心を救われたと思っているわ。自分を否定されて、どうしようもなくなってきた時に声をかけてくれて、私を肯定してくれたことが一番うれしいけれど、その後、魔力を練ることを教えてもらったり、生き甲斐を与えてもらったように思っているのよ」
「ウーコンはどうだ。強いモンスターが出ればウーコンに頼ることが多くなるが、負担じゃないか」
「はは、全く問題ないな。頼りにしてくれるのは嬉しいし、俺も力を出せる世界を与えてもらえて感謝しているんだ。俺にとって今の状態は極楽だよ」
ウーコンは俺の方を向き直った。
「それより、リードこそどうなんだ。俺はこっちの世界のことはまだよくわからないが、リードはずっと一人で戦ってきたんだろ。俺達のことをうっとおしく感じたりは無いのか」
「うん。それこそ全くないな。俺は仲間ができて嬉しいよ。今まではソロで無我夢中だったのが、ウーコンの世界に行って、周りが見えるようになったような気がしてな。今までは何でも一人でやってきたのが、多分よその世界で心細い所をウーコン達と旅をしていろいろ気の持ちようが変わってきたみたいだ」
たしかにそうだ。こうして言葉にすると自分でも自覚できてくる。俺は今まで独りぼっちが当たり前のように思っていたが、ウーコン達と旅をして、人と人の交わりを始めて知ったようだ。
食事を終え、共同浴場に回るイザベラとノラと別れ、俺とウーコンは家に戻った。
家ではシロウがぐっすりと眠っていた。今までは眠ることすらも簡単じゃなかっただろうからな。今日くらいはゆっくり休んでくれればいいな。この男にもパーティメンバー達と同じように情が移っている気がする。
やがて女性陣が帰ってきてから、俺達もゆっくり眠りについた。ウーコンはシロウと同じ部屋で、ノラはイザベラと同じ部屋でベッドの代わりにソファで眠ってもらった。部屋は特別狭くはないので、ベッドを買い足した方がいいだろうな。




