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邂逅

時空の歪んだ場所から転がり出てきた男はどうにか上半身を起こした。

「シロウ殿」

火の国で戦っていたシロウことマスダシロウトキサダだ。

俺はほっと息を吐き、剣を鞘にしまった。ウーコンもニョイボウを降ろす。

「おお、リード様。無事に転移できたようですな」

シロウは肩のあたりが破れたり、戦いの名残をまとったままだが、その表情は明るかった。

「はは、今頃パライソへ行っているかと思ったんだが、無事だったようだな」

「はい、かなりの者は殺されたのですが、私は残念なことに生け捕りにされました。それでも兵の隙を見つけて、転移の外法を使うことができたのです。しかし、日ノ本ではどこに逃げても追われます。そして、異国には私が信用できる者がおりません。無理を承知でリード様と斉天大聖様の居られるこの世界を目指してきました」

信仰のあるシロウでも信用できる者がいないというのは辛いだろうな。

「はははは、俺とリードを信用してくれるとは、シロウ殿は見どころが有るな」

「天下無双の斉天大聖様の元に居させていただければ、こんな安心なことはありません」

「ウーコン、このイケメンは誰なの」

そうだな。シロウはイケメンだ。

「シロウ殿と言う、俺達は異国、いや異世界で会ったことが有るんだ。」

「そうだな、こちら風に言えば、魔術の使える剣士だな。そういうところは俺やウーコンと似ているな」

シロウも落ち着いてきたようで、立ち上がった。

「シロウ殿、こちらの女性はエルフという種族でイザベラ。こっちの猫耳娘は獣人のノラだ」

「シロウさん。イザベラよ、よろしくね」

「ノラと言いますです。よろしくお願いしますです」

「益田四郎時貞と申します。よろしくお願いいたします」

これが、占い師の言っていた二つ目の出会いだな。

「占い師の言っていたとおり、ノラとシロウ殿と出会えたってわけだ」


シロウも疲労の色が濃いので、俺達はウーコンにキントウンを出してもらい、最速でダンジョンから出た。外に出てからもう一度キントウンに乗りなおして街に向かった。

街の外でキントウンから降り、徒歩で街の入口に向かう。

入口では門番に俺が保証することでシロウを通してもらった。ノラにギルドへ帰還の報告を頼み、俺達は家に戻った。

「シロウ殿、ここが俺達の家だ。これからのことはゆっくり考えるとして、とりあえず体を休めてくれ。先に聞くべきだったが、怪我はないか」

「ありがとうございます。体は衰弱しているかもしれませんが、たいした怪我はありません。あのまま捉えられていれば拷問も受けたでしょうが、その前に逃げることができたので、体を痛めつけられたこともありません」

「それはよかった、じゃあ、少し眠るか、それとも何か食うか」

「お恥ずかしい話ですが、あまり食事を摂っていないので、何かいただければありがたいです」

そうだろうな。俺が行っていた時でも食料は碌に無かったからな。シロウは優先して食事が用意されるとは言っても、量は随分不足していただろうな。

家には小さいながら台所があり、簡単なものなら調理もできる。シロウの胃が弱っていることも考え、粥を作って食べさせた。その後、俺の部屋の寝室で眠らせた。そうこうしているうちにノラも戻ってきた。


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