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ダンジョン再び

ギルドの受付にはサラがいた。

「おはようございます。今日は依頼ですか」

「いや、新メンバーの登録を頼む。それと今日もダンジョンに向かうのでその届だ」

「そうですか。キントウンはどんどんメンバーが増えますね。昨日のカワイ子ちゃんですか」

サラも昨日のトラブルは聞いているようだ。

「リードさんは困っている子を見るとほっておけないんですね。いいことです」

ニヤニヤしている。なんか面白がっているようだ。

「馬鹿なこと言ってないで、手続きを進めてくれ」

「はい、こちらとこちらに記入をお願いします」

俺はノラの加入とカーバーラダンジョンへ行く書類に記入した。

「新メンバーはノラさんっていうんですね。では、お気をつけて」


俺達はギルドの外に出て、目立たない場所でキントウンに乗った。女性軍は座り込んでいるが、イザベラも慣れてきたようだし、ノラは目を輝かせている。

ダンジョンまではあっと言う間だ。俺達は手前で降りて、歩いて入口近くまで移動した。

「さて、今日の正午だったな。下層まで行くわけだが、ウーコンのキントウンを頼めば、あっという間につくだろうが」

俺は言葉を切って、少し考えた。

「まだ、時間はあるし、女性軍の力を見ながらゆっくり行くか。まあ、上層は兎も角、中層あたりから少しモンスター退治もしていくとするか」

「そうね。私も魔法が練れてきたから、攻撃魔法を試してみたいわ」

うんうん。女性言葉が板についてきたな。

ウーコンがふと気づいたように、

「ノラは聖女様ってことだが、戦闘はどうなんだ」

「攻撃魔法も撃てるけど強くはないですね。治療魔法と違って、俊敏に魔法を使うのは得意じゃないんです。それより短剣の方がいいですね。短剣に魔力を流し込むのは得意なので、固い皮膚のモンスターでもなんとか戦えますです」

なかなか頼もしいな。魔力を武器に流して切れ味を鋭くするのは割とマイナーな戦い方なので、実行している人間はあまり聞かないが、俺は有力だとは思っている。大量の魔力を流すことができれば、オーガの固い皮膚でもバターのように切れるからな。

まあ、そもそも俺のように剣と魔法両方と言う人間自体がそれほど多くはない。みんな剣は剣、魔法は魔法というスペシャリストが多い。俺のような両刀遣いは器用貧乏と馬鹿にされるのがおちなんだ。だが、うちのパーティはこの技術をうまく使えば、かなりのし上がれるんじゃないかな。

「イザベラも魔力を練るのに慣れたらやってみたらどうだ。コツはノラに教わればいい」

「ええ、そうさせてもらおうかしら。そんなことができるなんて知らなかったわ」

そう。意外と知られていない技術なんだ。まあ、自分の技を秘匿する人間は多いしな。


俺達は中層である4層まで進んだ。イザベラに索敵してもらったが、やはり上層ではウーコンの覇気が強いんだろうな。モンスターが寄ってくる気配がほとんどない。

近づいてきた奴はノラに任せてみたが、確かに魔力を流したナイフの腕はたいしたもんだ。こないだの土魔法も中々だったし、落ち着けばそれなりの技術を発揮できるようだ。

キラーアントも10匹くらいで来たが、こいつはこの間のようにイザベラにファイアーボールを撃ってもらった。

4層に入ってモンスターに出会うことが増えてきた。あまり手間取って正午を過ぎてはまずいので、俺とウーコンも前に出て退治した。拾える素材は拾っていく。

6層ではミノタウルスが出た。この間のように複数のミノタウルスが4層に出ることは少ないが、6層には普通にいる。今度は1頭だが。

ノラが緊張したのがわかった。震えてはいないが、体に力が入っていた。

すっとウーコンが前に出た。いきなりニョイボウが伸びて、ミノタウルスの右膝を砕いた。

「グオオっ」

ミノタウルスはその場に倒れたが、無事な片足に力を込めて立ち上がった。

再びニョイボウが伸びて、ミノタウルスの右肩を強かに打った。

「ムオオオオ」

重そうな斧を取り落とし、どんと倒れこんだ。しかし、また片足でどうにか立ち上がった。

「ノラこれでこいつは移動できないし、武器も持てない。怖くはないから、お前のナイフで退治してくれるか」

ウーコンの声に、ノラが強い眼差しでミノタウルスを睨み、強く頷いた。

「はいです。」

猫型獣人なので身体能力はまあ強い、素早い動きでミノタウルスの横に回り、無事な方の膝にナイフを押し込んだ。魔力入りなのでよく刺さる。

「ブモオオオオ」

ミノタウルスは頭から倒れこんだ。もう立てないな。

ノラは跨るようにしてミノタウルスの首を斬った。首も太いので、斬り落とすことはできなかったが、致命傷を与えることはできた。ノラは返り血で血まみれだが、満足そうな顔をしていた。吹っ切れたんだろうな。

「キャッ。冷たいです」

「はは、よくやった。綺麗な顔が血まみれだ。洗ってやるよ」

ウーコンが水魔法でノラの血を流してやった。まあ、水浸しだが。

「もう、びしょ濡れですよ」

ノラが拗ねたように言うが、ウーコンは風魔法で温風を送り水を乾かした。風邪もひかないだろう。


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