エリザベス
3人で家に帰った。
「しかし、トリオンはギフト持ちか、どんなギフトなんだろうな」
「シロウみたいな力みたいって言ってたわよ」
「シロウの力ってのは怖いな」
世界征服できそうな力だよな。
「見てみたかったです」
「俺も観客なら見たかったな」
「私は観戦したことあるけど、わからなかったわね」
「私が見た時は凄い力でモンスターを締め落していたです。ウーコンの話では、腕に魔力を流しているだろうって言ってたです」
「ふーん。そんな感じのギフトなのかな」
「あと、ギフトとは関係ないかもしれないですけど、わざとモンスターに攻撃させているらしいです」
「なるほど。観客をはらはらさせるわけか」
話をしているうちにスーザンが来てくれた。
早速、昼食の支度をしてくれる。
「今日は3人だけで良かったんですよね」
「ええ、ウーコンとシロウは出かけているので、3人でお願いします」
美味しい昼食を食べ終わり、食後のティータイムにはスーザンも話に加わる。
「スーザンさん、エリザベスさんのことを聞いてもいいですか」
「ええ、私のわかる範囲でしたら。でも、結婚相手には少し年上ですよ」
「いえ、そう言う心算はありません」
この人も慣れてきたのか、冗談を言うんだな。でも、本気だと困るので、はっきり否定しておく。
「エリザベスさんも元冒険者って聞いたんですけど、かなり強かったんですか」
「そうね、Aクラスだから強いって言っていいでしょうね」
「やっぱりそうですか、只者じゃないとは思っていましたが」
「ええ、凄いです。そんな強い人だったんですね」
「まあ、彼女は魔術師だから、剣の達人ではないですけどね。ちなみに私も同じパーティにいました」
「えっ、そうなんですか」
「えええ、びっくりですです」
「失礼ながら、スーザンさんは生活魔法が中心だから、戦いのイメージが無かったんです。やっぱりAクラスですか」
「いえ、私はBクラスでした。回復魔法が得意だったので、聖女と呼ばれたりしたんですよ」
「あ、私も聖女です。お仲間ですね」
「それは、光栄だわ」
にこにこ笑っているが、そのまま受け取っていい物だろうか。
「エリザベスさんはどんな戦い方だったんですか」
「うーん、それは内緒ね。凄い秘密ってわけじゃないけど、他人の能力をあからさまに言うのはタブーだと思うから」
確かにそうだな。エリザベス自身はクラスも言わなかったしな。
暫くするとウーコンが帰ってきた。
「ただいま」
「お帰りなさいです」
一緒に茶を飲みながらウーコンが話しかけてきた。
「ちょっと相談があるんだが」
「ああ、なんだい」
「実はヴァレンティーナからの提案なんだが、ジェミニと一緒にクエストにいってみないか」
「へえ、ジェミニと一緒にか。俺は歓迎だが、なにか考えが有るのかな」
「いや、深い意味はないと思うが、最近のみんなの活躍を話したら、一度一緒に戦ってみたいって話になってな」
「面白そうね。私は力不足だけど、Sクラスの力を間近で見るのは勉強になると思うわ」
「私も楽しみです」
「じゃあ、賛成でいいな。シロウにはまた聞いてみるが、行くつもりで居てくれ」
「クエストの当てはあるのか」
「いや、ギルドの依頼とかじゃなくて、山奥の方へ行って、珍しいモンスターを探してみたいって言ってたな」
ジェミニと共闘か。ヴァレンティーナの場合は連携云々じゃないようだが、彼女の力は参考になるだろうな。
シロウはエリザベスの店でリードの鎧に魔力を付与していた。
魔力の扱いはもう慣れたものだが、魔法陣の描き方は未だエリザベスやアイシャの方が手馴れていた。
エリザベスに指示されて、自分にできる魔法陣を描いていく。
リードからはしっかりした付与を頼まれているので、手間はかかる。
鎧の内外にそれぞれ、大小の魔法陣を描き、一本の線を描くごとに魔力を流していく。地味な仕事だ。
「シロウも随分慣れたわね」
「いえ、師匠は勿論、未だ、アイシャの足元にも及びません」
「シロウ、謙遜し過ぎは不愉快」
思わずエリザベスが噴き出した。
「確かにシロウは謙遜が凄いわね」
「それほどでもありませんが、私の国では実力を誇示することは美徳に反すると言われていますので、それが身についていると言うことはあるかもしれません」
「もう、私と同じ力が有る」
「それはありがとうございます。姉弟子に認められるのは光栄です」
「その言い方が不愉快」
またエリザベスが噴き出した。
「さあさあ、お喋りはそのくらいにして、次の作業に入りましょう」
今日も徹夜になりそうだ。
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