剣と防具
ジミーは店を出す準備を着々と進めていた。
一週間経ったので、俺も剣と防具が出来ているはずだ。
しかし、楽しみなような、行きたくないような、複雑な気分だぜ。
「リード、なに難しい顔してるのよ」
「ああ、そろそろ剣と防具ができあがるころなんだが、あの二人に会うことを考えると憂鬱でな」
「あら、それじゃあ私も行ってあげるわよ。この間は行けなかったし、二人なら大丈夫でしょう」
「おお、助かる。恩に着るぜ」
俺達は二人で出かけた。飛行術で、まず、アウルヴァングルの店に向かった。
「こんにちは」
「おお、来たか。できてるぞ、おっ、今日は女連れか。やるな、お前」
「仲間のイザベラです。みんなと来た日は別の用事で来れなかったんです」
「イザベラです、こんにちは。こないだは来られなくて残念でした。お会いできて嬉しいです」
「そうか、そうか、俺も嬉しいぞ」
アウルヴァングルは満面に笑みを浮かべた。わかりやすい女好きのようだ。
「防具を見せてもらえますか」
「おお。これだ、これだ。うまくできたと思うぜ」
軽鎧、小手、レギンスなど、どれも素晴らしい出来だ。名人がアダマンタイトを使えばこんないい物ができるんだな。
「つけてみてもいいですか」
「おお、つけてみてくれ」
アルヴァングルはさっと境のカーテンを引いた。即席の試着室だ。
身に着けるとぴったりして、益々、いい防具だという実感が沸く。
「いい感じですね。その辺のモンスターの攻撃なら、受けても弾き飛ばしそうだ」
「見た感じもいいわね、似合ってるわよ」
俺はもう一度着替え直し、防具をマジックバッグにしまって、料金を払った。
「ありがとうございました」
「おお、毎度あり。嬢ちゃんは作らなくていいのか」
「まあ、嬢ちゃんだなんて。
また、今度お願いするわ」
「そうか、待ってるぞ。
ああ、それと、残りのアダマンタイトはもらっとくぞ」
「はい、使ってください」
「なんだ、名人に使ってもらえてありがたいくらいの世辞は言わないのか」
「名人ってことは言わなくてもわかっているでしょうから」
「ふん、美味いこと言うな」
何とか切り返して、無事に店を出た。
「ありがとう。イザベラが居てくれるだけで、親父さんの機嫌もよかったみたいだ」
「そうなの。癖はあるかもしれないけど、良さそうなドワーフなんじゃない」
「まあ、問題は次だな」
「こんにちは」
「何しに来やがった。女連れで、駆け落ちの相談か」
「違いますよ。そろそろ剣が出来ているかと思って」
「こんにちは、イザベラと言います。リードとは同じパーティの仲間なんです。
剣造りの名人にお会いしたくて付いてきちゃいました」
「なんだ、うまいこと言いやがって、まあ、名人だけどな」
グレンディルは赤くなっている。アウルヴァングル以上の女好きのようだ。
「剣はできてるぞ、これだ」
グレンディルは真顔になって、鞘に入った剣を持ってきた。
「抜いていいですか」
「当たり前だ、抜かなきゃわからないだろうが」
一言多いよな。
スラっと抜いて、両手で支えながら刀身を眺めた。
「これは凄いな」
思わず息を呑む。青みがかった刃は澄んだ湖を思わせるようで、それでいて力強さを感じる。
「親父さん、試し斬りさせてもらえませんか」
「俺はお前の親父じゃないが、いいだろう」
いちいち余分だが、そんなことも気にならないくらい凄い剣だ。
持ってきてくれた太めの木材を立てて、斜めに斬った。
「んっ・・・・」
魔力の付与はもとより、俺の魔力も流していないが、手ごたえがないくらいにスパッと気が斬れた。
「凄い切れ味ですね」
「名人だからな」
「イザベラも切らせてもらうか」
同じように一度斬った木材を立てた。
「やっ」
掛け声とともに一閃。やはり綺麗に斬れている。
「ほんとう。凄い切れ味ね」
「はっはっは。もっと言ってもいいぞ」
「ありがとうございます」
鞘に戻し、大事にマジックバッグにしまう。
料金を払いながら、もう一度頭を下げる。
「お嬢ちゃんはいいのか」
お嬢ちゃんてのは定番なんだな。
「そうね。今日はいいにするけど、今の切れ味を見ると私も欲しいな。今度、材料を持ってくるわ」
「おお、いつでも来てくれ。工房を開けて待っているぞ」
今日は機嫌のいいままに済んだようだ。
「イザベラありがとう。無事に済んだよ」
「お安い御用よ、それにしてもその剣は凄いわね。私も本当に頼みに来るわよ」
「そうだな、これで益々稽古に身が入りそうだ」
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