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プロローグ
―――
俺はよく笑う子だった。
俺はあまり勉強が得意ではなかった。
俺はスポーツが嫌いだった。
俺はキャベツが好きだった。
――て
俺はジャガイモが嫌いだった。
俺は赤色が好きだった。
俺は大体内で遊んだ。
俺は大体一人で遊んだ。
―きて
俺は何にでも一生懸命だ。
俺は頭のいい人が大好きだ。
俺は神なんていないと思ってる。
俺は……
「トンっ」
なにかにぶつかった。意識が覚醒していないが、体が反射的にバランスを取ろうと作用する。
しかし、なにもないのだ。地面も、壁も、とっかかりも。
そうして落ちていく。なにも把握できぬまま、異なる世界へと。