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同居人の女の子達は肉食乙女  作者: トン之助
第二章 関係構築編
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明けない夜はない【皇さつき】

 朝起きてカーテンを開けると日の光が部屋の中を満たす。その光を浴びながら体の凝りをほぐして伸びをする。そのまま床に座り瞑想を行い、それが終わると軽めのヨガをして体の温度を高める。


 「ふっ……つい先日まではいつものルーティンだったんがだな」


 ヨガが終わると私はお風呂に行くのではなくそのまま足を机に向ける。


 パラパラ。


 「さて、ソフィアからヒントを貰ったので書いてみるか」


 真新しいノートを広げ白いページを見つめる。


 日記を書くこと。


 これが私の朝に付け足された新たなルーティンだ。


『今日の朝はいつもより目覚めがいい。きっと翔馬とお風呂で色々したのが良かったのかもしれない』


 コトリとペンを置き黒いインクで塗られた文字を見つめる。


 「ふむ、字面だけみると官能小説だな」


 まぁ、私しか見る事がないので良しとしよう。ペンを置き日記を本棚に仕舞い込み部屋を出る。


 「みんなおはよう!」


 「あっ! かい……じゃなかったさつきおはよう」

 「さつきお姉ちゃんおはようございます」

 「さつきちゃんおはよう、ご飯できてるわよ」

 「ちょっとさつき! テレビ見てよ! スモフェニが映ってるわ」


 はて?

 これは一体どうしたのか。弥生さん以外は今まで会長呼びだったハズだが今はさつき呼びになっている。


 「ふぁ〜あ。おはようさつき」


 「う、うむ。おはよう翔馬……これって?」


 私の横を眠そうにしながら歩いてくる翔馬に問いかけてみたのだが「さぁ?」と言ってしらたまの頭を撫で始める。


 「さつきちゃん、冷めちゃうわよ?」


 「あ、あぁ、すまない」



 皆もなんでもないように食卓に座っている。しかし私は見逃さかなった。


 翔馬がニヤッと笑い私以外にアイコンタクトをした瞬間を。


 まったく……気が利くというかお節介というか。


 そのお節介が今の私にはとても心地よく心の底からありがたかった。


 「いただきます!」


 今日の朝食は私の好きな卵焼き。


 その味はまるで、同居人のように優しくて砂糖のように甘い味がした。

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