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同居人の女の子達は肉食乙女  作者: トン之助
第一章 同居開始編
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Happy birthday to be continued…

 週末は忙しかった。

 皇家との話し合いや引越しの手伝い、弥生さんと会長との顔合わせ。

 新同棲メンバーの部屋割り、買い物、家事当番決め、部屋への奇襲(回避)、風呂場への奇襲(鍵の設置)←無意味、俺の安全の為に防犯カメラの設置(ソフィ達の言い訳)、その他諸々……


 「おうち帰りたい……」

 「ショーマの家はここよ!そしてお帰りのキス♡」

 「あの……次に私も!」

 「何?ならば私はディープなやつを!」

 「あらあらお姉さんも混ぜて♡」


 嬉しいよ?女子とキスするの!嬉しいんだけど……俺の理想とはちょっと、いやかなり違う!

 だって体を拘束されてのキスって恐怖でしかないよ?

 しかも味方は誰もいない……


 いよいよ明日に試験が迫っているから今日は睦希も来ている。


 そして呆れている。


 「おい、たらし男……勉強はどうした?」

 「はっ!睦希様!できればこの状況をどうにかして頂きたく!」

 「お前の飲み物に下剤を入れてせっかくのテスト勉強を無駄にしてやろうか?」


 睦希大明神はお怒りである。

 それもそのはず、ソフィアと葉月はこの前仲良くなったが……まさか会長と弥生さんまで同棲してるとは思わなかったらしく…


 「ショーマの妻よ」

 「あの……私の旦那様です」

 「私のご主人様!」

 「お姉さんの婚約者♡」


 睦希への紹介がこれである。そりゃ呆れますって。


 「まぁいいわ、さっさと片付けて勉強するわよ!ケーキ作ってもらうんだから!」


 その日は五人でワーワー言いながら勉強会を行った。

 ちなみに昼食は弥生さんお手製のホットサンド。

 夕食は葉月と会長の中華料理(主に葉月作)で大いに盛り上がった。


 夕食後、大所帯で動くのも面倒なので俺一人で睦希を家まで送る。

 その道中に睦希から話しかけられる。


 「ねぇ……翔馬ってずっとこっちに住んでるの?」

 「んぁ?いや俺の産まれは九州の方だ。方言が出ないようにするの必死なんだよなぁ」


 俺は睦希とのたわいない会話を続ける


 「そっか……」


 睦希はどこか憂いを帯びた表情をしている。


 「あのね!今度の妹達の誕生日、翔馬も家に来てくれないかな?」

 「ん?睦希の家にか?」


 コクリと頷く彼女


 「別に構わねぇよ。そっちのキッチンで作った方が運ぶ手間が無くなるし」


 この時の俺は安易だったと思う。

 まさか睦希の家でもう一つの過去の思い出を呼び起こす事になるとは……



 そして、なんとか試験週間を乗り切り最終日の放課後。

 といっても午前中で終わるから、午後を使ってケーキ作りができる。

 睦希の両親は仕事で夜に帰ってくる。妹達と合流してプレゼントを買って一緒に帰宅する予定らしい。


 そしてその間に俺達はケーキ作りを始める。


 「葉月メレンゲ作ってくれ」

 「はい」

 「ソフィ、クッキーをお得意の鉄拳で粉砕よろしく」

 「ショーマの顔に当てていいなら」

 「やだなぁ冗談だよ」

 「会長は……正座」

 「うむ!承った!」

 「弥生さんは睦希と一緒にスポンジ作りで!」

 「はーい!睦希ちゃんお姉さんと一緒にやろうね」

 「は、はい!よろしくお願い致します!」


 五人で一つのケーキを仕上げていく。キラキラと楽しそうな笑顔。

 時折味見しながら好みのトッピングをしたり、プレートの文字でプルプルしたり。

 なんだか楽しいな!

 俺はその光景を手放したくないものだと思ってしまった。

 できれば皆仲良くずっといて欲しいと思う程に。


 ケーキ作りを終えた俺達は次にディナーを作ることにした。

 これは弥生さんが主導権を握り各員に指示を飛ばす。さすが喫茶店の裏のボスだけある。


 会長は正座継続中……なんだかプルプルしている。気のせいだろう。

 そうしていると時間が過ぎ玄関から元気のいい声が聞こえてきた。


 「ただいま〜お姉ちゃん!」

 「アレ〜お客さんがいっぱいだ!」


 その声の主は聞き馴染みのある悪ガキ共だった。


 「げっ!!葵、奏?なんで……」


 しかし睦希の妹が悪ガキ二人だと知っての衝撃よりも、続いて入ってきた人物の方が俺には衝撃的過ぎた……


 「今日はいらっしゃい!娘から聞いてるわよ!みんなで葵達のパーティをしてくれ……」


 そこで入ってきた女性と目が合いお互い固まる



 「な……んで……ゆ、百合子おばさん……が……」

 「しょうま……くん?」

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