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同居人の女の子達は肉食乙女  作者: トン之助
第一章 同居開始編
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いざゆかん!皇ハウス〜遺伝って性格も似るのかな〜

 俺達は生徒会室(会長の私室)を四人で後にする。

 すると学校の校門に黒塗りの高級車が待機していた。


「ワオ! 会長って本物のブルジョワなのね」

「あわ……あわ、光ってます」

「ふむ! 遠慮せずに入ってくれ! 服を脱いでも構わん」

「そこは構えよっ!」


 車内でもなんだかんだありながら、会長が住む場所までたどり着いた。


「いや……これは」

「て……てっぺんが見えません」

「アンビリーバボー」

「うん、ソフィいつから英語キャラにジョブチェンジしたの?」


 そう言いたくなるのもわかる!

 そこには上を見上げればキリがなく他を圧倒する建造物が姿を見せていた。


「こんな所で立ち話もなんだ、皆の者ついてこい!」

「「「お、お〜」」」


 会長に連れられ、やはりと言っていいのか最上階に案内される。


 門かと思う程重厚な扉を会長が開ける。


「父上母上ただいま帰ったぞ! 翔馬達を連れてきた」


 その声と共に部屋の奥からバタバタと足音が聞こえる。


「やぁ! 久しぶり息子よ!」

「しょうちゃん! 元気にしてる? 寂しくない?」


 奥から現れたのは……上半身裸の美丈夫なオッサンなんとか服を着ているおっとり美人

 それを見た俺はソフィアと葉月に号令をかける。


「撤退っ! 全速離脱」

「「オー!」」


 一糸乱れぬ動き。歴戦をくぐり抜けたパーティのように統一された意識。


「甘い!」


 ガチャン

 くぅぅぅデジャブ。


 俺達は玄関で棒立ちになる。


「連れないなぁ、息子よ」

「息子じゃねぇです。翔馬です」


「しょうちゃん! 娘とはどこまでいったの? Zくらい?」

「いやZってなんですか? それ人生の最後じゃないですか?」


 とりあえず落ち着いて話そうという事になりリビングに案内される。その間も二人の服装はそのままだ。 会長が脱ぎ出したので、俺は全力で阻止した。


「むぅ……良いではないか」


 これ以上珍獣を増やしたくない。


「さて! 改めて自己紹介をしよう! さつきの父、そして翔馬の父、皇天馬すめらぎてんまだ! そして隣はラブリーキュートな妻、白亜はくあだ!」


 よろしくね♡と可愛らしくウインクする白亜さん。


「俺はあんたの子供じゃねぇ……ふざけるな」

「よ、よろしくお願いします如月ソフィアです」

「白咲葉月です」


 二人は呆然としている。そりゃそうだ皇グループのトップが半裸なのだから。


「いいから服着ろオッサン! 俺の彼女達になんてもん見せやがる」

「ん? そうかこりゃ失敬、すまないねお嬢さん方」


 オッサンが服を着て来るのを待つ間、会長と白亜さんが紅茶とマドレーヌを用意してくれた。その味にソフィア達は感激していた。


「で? 話ってなんだオッサン?」


 俺はこの状況を早く脱して勉強しなければいけないのだ!


「ふむ! 単刀直入に言おう! 娘と結婚してくれ」

「お断わるッ」

「お断わるをお断わる」

「お断わり返し!」

「リバースッ!!」

「はい、アウトぉぉぉぉぉぉ」


 アレ? この流れ会長ともやったような……俺とオッサンは立ち上がり互いに睨み合い一歩も引かない姿勢。


 そんな中女性陣は、


「白亜さん! どうしたらそんなに胸がムネムネになれますか?」

「あの……あの白亜さんのような陶磁器みたいな綺麗な肌の秘訣を…」


「ふふふっ。それはね、殿方に愛して貰う事よ! とくに夜の戦いでね………」

「「……おぉ……すごい」」


「ショーマやってくれるかな?」

「ソフィアちゃん、女の方からその気にさせるのよ! 攻めて責めてせめるのよ!」


「ふんすっ!」

「葉月ちゃんその意気よ!」


 うん、スルーしよう!


「で? オッサン話の続きは?」

「ウチの娘は可愛いだろう?」


「あぁまぁ……そっすね(変態だけど)」

「そんな娘を何処の馬の骨なんぞに嫁がせたくない訳だ」


「へぇそうなんすか(変態を貰ってくれる所あるのか)」

「という訳で君に託そうと思ってな!」

「意味分かりません(変態はもう十分です)」


「翔馬、さっきから心の声が漏れてるぞ! 私は変態ではない! 超変態だ!」

「……」


 会長はスルーして話を戻そう。


「で? 本心は?」

「これが本心だ! 妻の病気が治ったのも君のお陰! こうして家族水入らずで過ごせているのも君のお陰! だから娘を託すに値すると判断した」


「拒否権は?」

「「「ない(わ)」」」


 皇家も仲良しだな。


「いや、そもそも皇グループはどうするんですか?」

「それは心配ない!息子に託すからな!」


「前に言ったではないか。兄が父上の跡を継ぐと」

「あぁそういえば言ってましたねぇ」


 そういえばそんな事を言ってたな。


「それに君にはウチの会社の名誉顧問の席を用意してある!」

「いらねぇです」

「だが断る! そして時すでに遅し」

「はっ?」


 そう言って天馬さんは俺に皇グループの役員一覧が載ったタブレットを見せてきた。


 代表取締役【皇天馬】

 ラブリーキュートな俺の嫁【皇白亜】

 次期取締役(イケメン息子)【皇玄馬】

 愛する娘【皇さつき】

 名誉顧問(さつきの旦那)【神月翔馬】


「………」

「勘弁してくれ……」


 ちなみに白亜さんは財務担当らしい。会長は知らん……聞きたくない

 俺は頭を抱えてうずくまる。そんな俺に更なる追い討ちをかけるが如く


「ただいま。父さん母さん帰ってきてるんだよね。おっ! お客さんがいっぱいだ、こんにちは。さつきの兄の玄馬げんまです」


「な……んで」


 その人は俺の心の師匠・憧れ・ブラザー。


「ブラン……さん?」

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