本題とズレた時の方が話は盛り上がる
さて、皇さつきがどんな人間かと問えば。
大抵の人間はこう答えるだろう。
頭脳明晰・才色兼備・スポーツ万能・品行方正。
しかし、その実態は……
変態である。
いや少し訂正しよう、人が見ている所では至って真面目なのだ。だが、一人の時と俺と一緒の時という条件付きで変態になる。あと忘れちゃいけないのが裸族ということ。
まぁ人それぞれ得意不得意はあるし完璧より少し歪な方が親しみが湧くというものだ。
しかしすぐ脱ぎ出すのはどうかと思うようん。
「さて会長、服は着ましたか？」
「半裸だが？」
「何か言いたい事は？」
「翔馬に見られてゾクゾクしてる！」
「はぁ帰っていいですか？」
「無論、ダメだ」
「じゃあ帰ります」
元来た扉を開けようとするが…カチャカチャ
「いつ鍵閉めたんですか？」
「オートロックにしておいた！」
どや顔で胸を張る会長。電気はさっきつけたので先輩の大きな二つの果実がぷるんっと揺れる。
「番号は？」
「音声認識でな出たければこれを読んでくれ！ そこのマイクに向かって」
扉の近くには立派なマイクがある
こんな所に金かけるなよと思いながら俺は渡された紙を見る。
「って言えるわけねぇだろこんなの！」
べジッと俺は床に紙を投げ捨てた。ヒラヒラと舞う紙に書かれていた文字は
『好き好き大好きしょうまきゅ〜ん！ さつきのダーリンアイラブユー♡』
なんて頭の悪い文章が書かれていた。
「読まないと一生このままだぞ！ ふふっそれはそれでいいな！ なんか濡れてきた！」
「ふざけないで下さい！」
「大真面目なんだがなぁ」
「ほんとにコレで開くんですか」
「パスワード解除の大切なコードだ！ 心を込めて言いたまえ！」
諦めた俺はしかたなく……いやいやながら……ほんとにどうしようもなく実行する事にした。
「ゴホン……好き好き大好きしょうまきゅ〜ん！ さつきのダーリンアイラブユー♡」
俺は全力で羞恥心マックスで叫んだ。
ピロンッ！
おっ！開いたか！
カチャカチャ
「会長」
「なんだ？」
「開かないんですが……」
「おっと間違えた！ そのコードは私のスマホの解除コードだった！ てへっ」
さっきの電子音は会長のスマホか謀ったな！
「ちなみにしっかり録音したからな！ 夜のオカズにさせてもらおう！ あっ想像しただけでまた濡れてきた」
「この変態がぁぁ！ いいからさっさと服着ろ！」
俺はもう部屋を出るのを諦めた。
「服を着る交換条件を提示しよう」
「交渉が成立するとでも？」
「まぁ聞け翔馬よ。成功すると私の全裸が拝めるぞ！」
「いやもうすでにほぼ全裸じゃないですか？頭大丈夫っすか？」
「君とのやりとりで少々下着が濡れてな！ 替えをそこの引き出しから取ってくれないか？」
「自業自得でしょうけど……それなら良いでしょう。」
「ちなみに暗証番号を三回間違えると、問答無用で私の言うこと聞いてもらう！」
「もうそれ脅迫じゃん」
俺は会長が指さした棚を見た。そこには電子キーが張り付いていた。
「それじゃあ……いきますかね」
まず会長の誕生日『0525』
ブー「出直せ、ふにゃチ〇」
何か聞こえたか？
そう簡単じゃねぇって事か。だったら俺の。
『1031』
ブー「おっぱい星人が」
気のせいじゃないよな。
チラリと会長を見る。
会長はニヤニヤした顔で足を組んでいる。
むかつく！ だったら俺と会長の誕生日を何も四桁とは限らない！
『05251031』
ブッブー「一昨日来やがれ童貞野郎！」
バコッ
俺は扉を殴っていた。
「ハハハッ！ 私の勝ちのようだ！」
「めっちゃ腹立ちます！ なんなんすかアレ？」
「仕様だ！ 童貞くん」
「コノヤロー！」
俺は会長に服を投げつけた。
「はぁ……はぁ……んで番号は」
「おっぱいシコシコだ！」
「聞こえなかったか？ おっぱ……」
「いや聞こえてるよ？ 固まってたんだよ！ どんだけアホなの？ 変態なの？ あぁ変態でしたね！」
「照れるではないかぁ。あっまた」
俺は呆れながらもう疲れたので素直にその番号はを入力した。
『0814545』
ガチャッ「よくやった童貞野郎！ご褒美に童貞を卒業させてやる！」
あまりにもナチュラルな返しだったので会長の方を素早く見た。
会長は別のマイクに向かって喋っていた。
「あっ……」
「お前の仕業かぁぁぁぁぁ」
その後会長が着替え初めしっかり全裸を見せられた。もう何度も見てきた会長の全裸なので何も感想がない……そして本題は予想通り文化祭を手伝えとの事だった。
