表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同居人の女の子達は肉食乙女  作者: トン之助
第一章 同居開始編
4/94

ストーカー娘の思惑【如月ソフィア】

 

「……ただいまぁ」


 衝撃的な方法で告白をしたワタシは浮き足立つ心とニヤニヤする顔を我慢しながら玄関をくぐった。


「あらソフィおかえり」

「ソフィ今日は早かったな。例の彼とは話せたのか?」


「ななな……何を言ってるのかな? お父さん!」


「だって……なぁ?」

「ねぇ?」


 ニヤニヤする両親を置き去りにして、自室までカバンで顔を隠しながら足早に駆け込んだ。


「ソフィもうすぐ晩ご飯よ〜」


「今日はいらない!」


 そう言ってワタシは制服のままベッドにダイブした。胸の高鳴りが落ち着くのを待つこと数分。


 きゃぁぁぁぁ!

 やっちゃった!

 言っちゃった!

 告白ちゃったよぉ!


 バタバタと足を動かしながら枕に顔をうずめて羞恥心を隠したくなる。


 でもでも、"あなたの体が目当て"なんて……ちょっと強引過ぎたかな? いやいや最終的には彼の全部を貰うんだからいいよね?


 それに、ワタシの気持ちを伝えても……きっと彼は答えてくれない。そんな軽薄な人じゃないって分かってるからワタシは好きになったんだ。


 ワタシの体でもなく……ワタシの見た目でも、ましてや家柄でもなく……ありのままのワタシを彼は受け入れてくれた。あれから1年しか経ってないのに、彼のワタシへの態度でわかっちゃった……きっと忘れてるんだ。


 ……ちょっと寂しいな


 それでも、彼をワタシのモノにする為には、手段を選んでいられない。ここ最近のストーキ……ゴホンッ! 愛の監視のお陰でハッキリした事がある。


 あの学校には少なくともあと3人、彼に好意を抱いている女がいる。


 その中でも……あの後輩はヤバイ。初めて彼女を見た時に一瞬で背中に冷や汗をかいた。女の勘が最大限の警告を発していた。


 だからこんなにも早く動く必要があったのだ。本当は、もっとじっくりゆっくり愛を育みたかったけど……それでは捕られてしまう。


 こうなったら、ワタシの全てをぶつけて彼を落としてやる。心も体も全身全霊で振り向かせてやる。


 心が振り向かないと分かってるからこそこそ、体から攻めたのだ! ワタシの体で彼を篭絡させれば、いずれ心も付いてくるんだから。


「ふは……ふふ……ふははははっ」


 夜の帳が降りる頃、ワタシはそんな事を考えながら妄想の海へとダイブするのだった……ワタシの考えがあながち間違えでは無いことを、これから知る事になる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ