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同居人の女の子達は肉食乙女  作者: トン之助
第一章 同居開始編
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リーフムーンは突然に

 ソフィアと暮らすようになってもうすぐ一週間だ。その間に変わった事といえば……俺はソフィアのなすがままになっている。


 初めは断っていたお風呂も一緒に入るようになったのだ。もちろんすっぽんぽんである。


 肉食系女子な彼女に「流石に前は隠せ!」と言ったのだが「むしろ見て!」と言って隠そうとしない。


 これで欲情して早く既成事実を作りたいというのが彼女の弁である。


 しかし、そうは言っても感謝しているのは事実だ。正直、怪我の影響でまともに体も頭も洗えてなかったので助かる。前は自分で洗うと言ったが、強行突破された。彼女は興奮してその部分は丁寧に洗っていたな……俺は仏の心を得る為に瞑想し、無になった。

 ムニ……ムニ。



 学校での状況も好転して、ソフィアもクラスメイトや親衛隊メンバーと少しずつではあるが話せているようだ。

 お昼は相変わらず葉月が作ってくれて大変助かっている。


「あと、少しです」


 週末が近づくにつれてそんな事をつぶやいている。


 もうすぐ材料が揃うのかな?


 俺は特に気にする事もなく日々を過ごしていた。バイト先とジムには連絡をして、もう少し動かせるようになったら、シフト調整やリハビリをお願いしている。


 その際、店長(オカマママ)からは矢のように質問攻めを受け、何故か話を知っていた弥生さんからは黒いオーラが見えた気がした。

 ジムのブランさんも情報は知っていて(なんでだろう?)付きっきりでリハビリに付き合うと約束してくれた。


 そして料理同好会の活動の日は珍しく会長も来ていたのだ。葉月と会長とソフィアと俺の4人で料理をしながら学校でのアレコレを話していた。俺は味見役を任されたので、帰る頃にはお腹がいっぱいだ。会長も最近は料理の腕が少しずつ上がって来ていると実感していた。



 今日からゴールデンウィークだ!

 なんと嬉しい十連休である。期待に胸を膨らませルンルン気分で目覚め、ソフィアとの騒がしくも楽しい日々を想像していた俺は予想外の現場に立ち会う事になる。


 ピンポーン


 おやっ? 来客か? 弥生さんか? オカマママかな?


 そう思いながら玄関に出ようとする俺。


「あっ! 来たみたいね!」


 それよりも早く玄関を開けるソフィア。

 ガチャ


「お……おじゃましまーす」

「いらっしゃい葉月!」


 そこに居たのは葉月だった。

 普通なら友達が来たのだろうと俺も納得するさ!でもその異様な光景は看過できない!


「っと……葉月さんや。その荷物は何かね?」


 葉月の右にはスーツケース

 葉月の背中には大型リュクサック

 葉月の左にはキャリーバッグ


「えへへっ……来ちゃいました!」

「はいっ?」


 フリーズする俺。どう考えても遠征で泊まり込む為の荷物じゃん!いやそれ以上じゃん!


「ほらショーマ覚えてない? ワタシが新婚生活始めたって葉月に報告したやつ」

「そういえば言ってたな」


「そのとき葉月もおいでって言ったじゃん!」

「いや言ったけどアレ冗談だよね? 両親も許さないよね?そういう感じだったじゃん!?」


 俺は本気にしていなかった。忘れてたと言ってもいい。


「あの、両親を説得するのに1週間かかっちゃいました!」

「学校で先輩に待ってて・もう少しですって言ったじゃないですかぁ」


 サーッと俺の顔の血の気が引いていく。

 ヤバい……


「それに先輩も『おう!待ってるぞ!』って言ってくれたじゃないですか」


 葉月の表情は、みるみる暗いものになり目尻に涙が溜まっている。こんな大荷物を背負ってわざわざ俺の家まで来てくれた葉月。俺の確認ミスとは言え来ていいと言ってしまった手前引けなくなっていた……


 ヤバい。


「ハッハッハ! ウェルカムトゥ葉月様! 今日からここが君の家だゼ☆」


 星が出そうな笑顔でそう答えた俺だが。


 やっちまったぁぁ……ノリでOKしちゃったどうしよう。


 後悔した事は言うまでもない。


「はい! よろしくお願いします、先輩そしてお姉ちゃん!」


 葉月の笑顔は、葉から滴る雫に映しだされた月のようにキレイだった。


 女の子の笑顔は強力な武器だなと思う翔馬だった。


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