表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同居人の女の子達は肉食乙女  作者: トン之助
第一章 同居開始編
32/94

新婚生活はこんな感じですかね

 俺とソフィアが一緒に暮らし始めた次の日。日曜日の事である。

 昨日はソフィアが俺の家自慢の温泉に感激したり、それにかこつけて一緒にお風呂に入ろうとしたり、寝る時に寝室に突入してきて、それを阻止する為に必死だった。


「結婚初夜だからいいじゃない!」

「結婚してねぇよ!」


 ソフィアがとことん強引になってきている。アリシアさんの血の影響だろう……うん……そうに違いない


 そんな訳で日曜日の朝なのだが、ソフィアは料理があまり得意では無いらしい。

 なので俺が横に付きながら一緒に作ったトーストと卵、ベーコン、サラダ、インスタントの野菜スープだ。



「うん美味い! ありがとうソフィ」

「えへへっどういたしましてショーマ」


 俺とソフィアはそんな事を言いつつ、軽い談笑をしながら朝食を済ませた。


「なぁソフィ頼みがあるんだが」

「いいわよ!」

「まだ何も言ってないよね?」

「ショーマの頼みならいいの!」

「さいですか」


 ソフィアの愛が重い。


「頼みってのはちょっと公園に行きたいんだが、ついてきてくれるか? その際にお菓子とか買わなくちゃいけなくてな」

「あ〜、あの公園に行くの?また子ども達にお菓子配るんでしょ?」

「なんで知ってんの?」

「愛の監視者だから♡」


 懐かしい響きだなぁ。

 俺は週末や部活終わりに時間がある時、公園に行って子供たちやご婦人方にお菓子を試食して貰っているのだ。


 高校に入学してから始めたご近所付き合いなんだが……お菓子の感想を貰えたり、スーパーのお得情報を聞けたりとこれがなかなか楽しい!


 ソフィアの事や入院の事があって、あまり顔を出せていなかったので久しぶりに行こうと思った。


「知ってるなら話が早い。本来なら手作りを持って行きたかったんだが市販の物を持っていくか」

「わかったわ! 何時頃いくの?」

「ん〜三時ぐらいかな、それなら時子さんもいるだろうし」

「はーい!」


 午前中はソフィアの荷物の整理に費やした。ある程度家具は揃っているが、自分好みの家具が欲しいだろうと言う事で午後から大型ショッピングモールの家具屋に行く予定だ。


「ねぇ! 今日の夕飯はワタシが作っていい?」

「それは構わないが任せていいのか?」

「うん! 得意料理なら失敗しない……ハズ!」

「少し不安があるんだが……何が得意料理なの?」

「ママがよくボルシチを作ってくれてたの! 昨日帰り際にレシピのメモをくれたからその通りに作れば大丈夫」

「んじゃお言葉に甘えますか」


「なんか新婚生活みたいだなぁ」


 そんな会話を続けていると、自然に俺の口からそんな言葉が出ていた。


「新婚だなんて! とうとう結婚する気に! 婚姻届を書きましょう! そうしましょう!」

「書かねぇよ! ただ、口が滑っただけだ!」

「もう! 素直じゃないんだから……」


 自然と出た言葉に俺はドキッとしてしまった。


「そーだ! 葉月にも報告しとこーっと!」

「ん? 葉月に報告?」

「そっ! ショーマと新婚生活始めました! って報告。それと早く葉月もおいでって!」

「なに言っちゃってんの?そんな報告するな!これ以上厄介事はゴメンだ!」


 一緒に暮らす事は言うつもりだったが、同居者を増やす提案は却下だ!


「もう送っちゃった! ってへ♡」


 ピロンッ

「葉月からだわ『ずるいです!両親に相談します』だって!」

「はぁ〜さすがに葉月の親が許さねぇって」


 俺は葉月の両親が断固拒否すると思っていた。この時までは。


「さて、そろそろ買い物行きますか!」

「うん! 何気に初デートだね!」

「ハイハイ……」


 俺達はショッピングモールに向けて家の扉を出ていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ