表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同居人の女の子達は肉食乙女  作者: トン之助
第一章 同居開始編
31/94

条件と破綻〜男の口に二言はない〜

 約束とは守る為にあるのか、それとも破る為にあるのか。世の中には予約を入れたにもかかわらず無断でキャンセルして料金も払わない行為が横行している。すなわちそれは信頼に値しない人物という事になる。


『男の口に二言はねぇ!』


 この生き様に憧れていた俺は。約束を守るタイプである。今回はそれが裏目にでただけのお話である。



 翔馬の自宅には現在、俺を含め神月家と如月家の面々が顔を付き合わせている。なぜこうなったかというと、『ソフィアと一緒に住む』という話になったからである。


 そして、話をしようと俺がお願いして現在に至る。


「率直にいいますけど、年頃の男と女が1つ屋根の下で生活するのはどうかと思いますよ!」


 俺は真面目に大人連中を説得していた。しかし返ってくる反応は。


「問題ない」

「翔馬くんなら大丈夫! 元気な子を宿してくれるわ!」

「ソフィアちゃんアレはしっかりね」

「早く孫が見たい」


 後ろの二人はアホだ。あと若干アリシアさんがノリノリだ。


「いやおかしいでしょ? 普通は止める立場ですよね?」


 俺が間違えてるのかと思いたくなる。


「学生のウチに子供ができたら大変だぞ? 金銭面ではサポートしてやれるが、学校行きながら子育てはな……もう少し後でも、私は構わない」


 想一さんもノッてきた。


 ダメだこりゃ……こうなったらあの条件を発動させる。そう決意し俺はさらに真剣な顔で話始める。


「いいですか皆さん! 俺はソフィアと付き合うに当たってある条件を出しました!」


「「「……」」」


 静かに聞く大人達。


「条件とは相思相愛にならないと俺から手は出さないです!」


「だから子どもを作る行為は、俺の気持ち次第と言う事です!」


 ふふっ勝った! これで何も言い訳が出来ないだろう!


「そうか……」

「なるほどね……」

「……仕方ないな」


 おっ? 効果は抜群だ!

 ついでに証拠も出してやろう!


「ここにその時の証言があります!」


『ソフィア。相思相愛になるまで俺からは手は出さない』

『わかったわ。ショーマからは手は出さないって事ね。それでいいわ』


 俺のスマホから流れる音声。ちなみに俺のパソコンとソフィアのスマホにもバックアップはとってある!


 抜かりはない!

 フハハハハッ!


「じゃあなんの問題もなしね!」

「安心した! 証拠もあるようだしな」

「これで心置き無く2人の門出を祝う事ができる!」

「流石俺の息子!」


 大人達はそんな事を言っていた。


「ちょちょちょっ! おかしいでしょ? どうしてそんなお祝いムードなんですか?」


 会心の一撃だと思っていた攻撃が外れて慌てふためく俺。


「だってねぇ」

「なぁ」

「だってその条件あくまで翔馬から襲わないって事でしょ?」


 タラーっと冷や汗が首筋に流れる。


「だったらソフィアから襲う分にはなんの問題もないじゃない!」


 アリシアさんが今日1番の笑顔を向けてくる。


「あっ……」


 メーデーメーデー!

 緊急事態だ! タイムマシンを求む。


「それに言質もバッチリとったしね!」


 俺の計画は準備段階で破綻を迎えていたようだ。


「それに体の相性が良ければ自然と心も着いてくるものよ! ねっアナタ♡」


 そういってアリシアさんは想一さんに寄り添う。

 想一さんめちゃくちゃ顔が赤い。


「かずまさん! 私今日は眠くならないみたい!」

「おう! 頑張るか!」


 二人も触発されてんじゃねぇ!


 もうどうにでもなれと諦めた俺はソフィアとの同棲を強引に認めるのだった。


「よろしくね! ショーマ♡」

「はいはい……男に二言はねぇよ」


 まぁ……この笑顔を見られるならいっか。

 心の中でそう呟くのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ