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同居人の女の子達は肉食乙女  作者: トン之助
第一章 同居開始編
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当人のいない所で決まっている物事ほど、怖いものはない

カクヨム様で300話以上投稿しております。

 入院生活もだいぶ慣れてきた。


 皇会長が来たり、春樹と愛や放送部の面々が来たりと結構賑わっていた。そして今、一番会いたくない人が尋ねてきた。


「会いたかったわ〜しょうく〜ん!」


 そういって頬ずりしてくる女性は、バイト先の先輩である九条弥生くじょうやよいさんだ。


 ロングの茶髪をゆるふわにして、ロングスカートとぴっちりセーターを着こなす彼女。す少しタレ目でほわほわした印象を受ける彼女だが……おっとり系かと思いきやその逆。

 ボディタッチが激しいのだ。


「弥生さんやめてください、俺怪我人ですって!」


 慌てて彼女を振りほどこうとしたが相手が悪かった。そして場所も悪かった。


 ポヨンッ


 まるで優しさに包まれているような感触が手のひらに伝わる!


「あぁんっ! しょうちゃんのエッチ! ここでしちゃう?」

「しませんよ! なんなんですか! ってか俺彼女いますから!」

「えっ? 彼女?」


 彼女は一瞬真顔になった。


「そうです! 彼女です! しかも二人もいます! 体の関係が目的です!」


 ここまで言えば、俺を下衆野郎と思って引いてくれるだろうと思ったが……逆効果だった。


「じゃあ私がいても大丈夫だね! 私の方が絶対先にしょうくんに目を付けていたんだから!」

「大丈夫じゃねぇよ」


 その後も、今の彼女とどこまでイッたのか等根掘り葉掘り聞かれた。


「そっかまだなんだね。フフフ」


 なんて聞こえてきたが無視することにしてその日は過ぎあっという間に退院の日がきた。

 予定より早まったのは良かった。ありがたい事に土曜日だったので、両親と如月家の面々が退院祝いをしてくれるらしい。美味しい焼肉をご馳走になった。


 皆でワイワイ騒ぎながら楽しい時間を過ごす。意外だったのが、想一さんはお酒が飲めず、そのかわりにアリシアさんが酒豪なんだとか……日本酒を水のように飲んでいた。


 それからしばらくして、想一さん運転の車で自宅まで送って貰った。


 あれっ? 俺こんなに荷物あったっけな? 見た事ないスーツケースがあるし。


「想一さんアリシアさんありがとうございます! ご馳走になって、家まで送ってもらって」


 俺は深々と頭を下げた。


「気にしなくていいよ!これから娘の事よろしく頼む!」


 ん? これから?


「しっかりやるのよソフィ! 押してダメなら押し倒せよ!」

「うん! パパ、ママありがとう」


「ソフィアちゃん! うちの息子をよろしく頼む!」

「なにかあったらすぐに連絡しなさい」

「ありがとうございます! お義父様、お義母様」


 嫌な予感がする。


「あのぉ……盛り上がってる所は悪いんですが……なんのお話で?」


 俺は恐る恐る聞いてみた……返ってくる答えを聞きたくないと俺の本能が告げている。


「何って……今日からソフィアちゃんと一緒に暮らすんだろう?」


 さも当たり前の様に親父は言い出した!


「はっ? 何言ってんの? 一緒に暮らす? 誰が誰と?」


 混乱している俺を他所に皆口を揃えて言う。


「「「「翔馬とソフィア」」」」


 大人連中の見事なシンクロ。


「ワタシがショーマと一緒に暮らしたいってお願いしたの! 怪我で生活に困るだろうからって」


「やっぱりお前の仕業か!」


 邂逅初日に何やら話してた内容はコレだったのか!

 俺の耳元でソフィアが妖艶な声で呟く


「サプラ〜イズ♡」


 どうやら俺の平穏は、どこかに置き忘れてきたようだ。

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