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同居人の女の子達は肉食乙女  作者: トン之助
第一章 同居開始編
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返ってきた日常と新たな称号


 称号を与えられたモノはそれを誇りとするだろう。


 大魔王、英雄、剣聖、鬼神


 しかしそれは名誉ある場合にのみ誇れるものであり、反対に不名誉な称号は代々まで辱めを受けるものである。





 週末はバイト三昧で、先週の事をバイト先のマスターや先輩に話して盛り上がっていたらあっという間に月曜日が来た。


 「ワタシも料理同好会に入ることにしたわ!」


 自宅の玄関先でチャイムと共にやってきた彼女は笑顔で俺に告げるのだ。


 「いきなりだな、どんな心境の変化だ?」

 「まぁほら、彼氏がいるし……それに、葉月(はづき)もいるから」


 「ずいぶん仲良くなったみたいだな。友達が増えるのはいい事だ」

 「うん!」


 ソフィアは今日も俺の家から登校するみたいだ。駅で待ち合わせしようと言っても首を縦に振らない。なんでも家の近くまでお父さんが車で送ってくれているそうだ。


 まぁそれなら安心か。

 親父さんもそれだけ娘が心配なんだろう。




 「今日はパン? それともご飯にするか?」

 「今日はごはんがいい!」


 「あいよ!」

 「ねぇショーマ、ワタシにも料理教えてね」


 待ってる間、俺の隣でそんな事を言ってくる。


 「同好会でたっぷり教えてやるよ。でも葉月の方が料理は上手いからなぁ」


 そんなたわいの無い会話をしながら朝食を済ませ、一緒に登校するのが日課になりつつある。


 「こういうのもいいなぁ」


 自然と俺の口から言葉が溢れる。


 「えっ、なんか言った?」

 「なんでもねぇよ」


 彼女は明らかに聞こえていたみたいだが、俺が恥ずかしくて話を逸らした。


 学校に到着すると、俺達に結構な視線が集まっている。そんな中、ひと塊の女子グループが近づいて来る。


 「あっ! ドM先輩ちーっすです!」

 「ドM先輩おはようございます!」

 「ねぇねぇドM先輩今はどんなプレイにハマってますか?」


 葉月のクラスメイトの友達である。


 「あん? なんだそのドM先輩ってのは……俺の事か?」


 頬がピクピクと引くつく。


 「そうですよ? あの映像は色んな意味で衝撃でしたからね!」

 「学校中の噂になってますよ!」


 俺はそんな後輩の言葉に気が滅入る感覚だが。


 「はぁ……まぁしゃーなしか」


 先週はソフィアの方ばかり気にしていたが、今週はどうやら俺のターンらしい。


 「ショーマ、ありがと」


 隣のソフィアが少し申し訳無さそうに小声で謝ってきた。


 「気にすんなって。新たな称号を得たんだよ。これは俺の誇りだ!」


 葉月の友達連中と会話を交わして階段で別れた後、俺達は教室の扉をくぐる。


 「ようドーマ! 今日もいい朝だな」

 「ドーマ、週末はまた縛られてたのか?」

 「てかソフィアちゃんの奴隷とか羨まし過ぎる。代われ!」


 男子からの攻撃。



 「ドーマくん、如月(きさらぎ)さんと付き合ってるってホント?」

 「如月さんドーマくんとどこまでいったの?」


 女子も加わり出した。


 「おいお前ら。ドーマってなんだ?」


 俺はまた新たな称号を得たのか?


 「「「ドMの翔馬(しょうま)、略してドーマ!」」」


 ケラケラ笑うクラスメイトを他所に俺は思考を放棄した。


 どうやら俺の信頼は地に落ちたらしい。まぁもともとそんなのは無いけれど。



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