ソフィアと葉月の姉妹同盟【如月ソフィア】
ようブラザー元気かい?
よくテレビで耳にする海外の挨拶。
その言葉の意味とは。
俺達は血が繋がってなくても心の兄弟さ!
そんな声が聞こえてきそうなほど仲がいいという事だろう。
ショーマを放置(忘れて)して。ワタシと葉月は一緒に帰り道を歩いていた。
「……あの、あのソフィア先輩は、ほんとに良かったんですか?」
葉月が聞きたいのは先輩の体を共有するという契約の事。
「ん〜……正直言って最初突入した時は、渡してなるものか! って思ってたんだけど……葉月の顔をを見て、もしかしてって思ったのよ。あんたもショーマに助けられたんでしょ?」
ワタシは優しく葉月に問いかける。
「……はい。あの、どうしてそう思ったんですか?」
「ワタシ入学してから、ずっとショーマの事見てきたのよ。一年前の今ぐらいだったかなぁ……葉月もあの公園に居たでしょ?」
「――っ!」
「やっぱりね。ずいぶん姿が変わってるから最初わからなかったわ。でもワタシとは直接面識ないんだけどね」
ワタシの言葉を聞いて俯く葉月。
「まぁ深くは聞かないわ。言いたくない事もあるだろうし……なんであんな提案したかってのは、一緒だと思ったの」
「一緒ですか?」
ワタシの言葉に首を傾げる葉月。
「そっ! ワタシもショーマに助けられた。多分……ショーマがいなかったらワタシはこの学園どころか日本にはいなかったと思うわ。それだけ彼に依存してるって事ね」
「……」
「それで新学年になってあんたが入学してきた。ショーマの事をストーカ……ゴホンッ……監視していたワタシはヤバいと思ったの。正直、他の二人に比べたら葉月が一番ヤバいと思ったから先手を打ったって訳ね」
ワタシの言葉に驚くばかりの葉月。
「……そうだったんですね」
そのままワタシは葉月に思った事を語る。
「まぁでも、無理矢理にでも体の関係に持っていけば言い逃れできないと思っている所はワタシ達、気が合うかもね!」
「はい!」
気が合うという言葉に嬉しくなる葉月。
「だからこそ今回はそこを利用しようと考えたのよ。ショーマには悪いけど、なんだかんだ言って彼優しいから……全員が幸せになれるよう考えてくれると思うわ!」
「はい! 先輩、優しいですもんね!」
ワタシと葉月は二人で夕暮れの中を歩いていく。
「それにワタシひとりっ子だからさ、あんたみたいな妹がいたらいいなぁって思ってるの」
「……私もひとりっ子です。男の人は苦手だから私もお姉ちゃんが欲しいって思ってました!」
微笑む姿が可愛らしい。
「じゃあ今日からワタシ達姉妹だね! 葉月!」
ニッコリとした笑顔を葉月に向ける。その笑顔を見て目を大きく見開く彼女。
「……ソフィアせんぱ……はい! お姉ちゃん!」
ふたりの手の影が、夕日を背に重なり合う。それはまるで本当の姉妹のに美しい光景だった。