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同居人の女の子達は肉食乙女  作者: トン之助
第一章 同居開始編
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早朝と襲撃と悪魔と天使と

 早寝早起きが得意


 健康的な体づくりをする上でよく耳にする言葉だろう。実践している人はしっかりと自分のルーティンを決めて取り組んでいてしっかりしてると思う。


 しかし、誰もがそれに当てはまる訳でわない。それぞれの生活習慣がある。


 朝型・昼型・夜型がいていいのだ。情報番組やネットなどで検索すれば「アレがいいコレがいい」と、銀河の数ほどの情報が広がっている。


 あえて言おう気にするな。


 周りに何を言われたとしても、自分のルーティンを変える必要はない、そう絶対に。







 俺の朝は基本的に早起きだ。前日に一人フィーバータイムで夜更かししなければ午前6時に起床する。


 もちろん理由があり、それは高校入学してから祖父母の家を譲り受けて1人暮しをしている為である。譲り受けた経緯は色々あるが、それはまた後ほど。


 祖父母は既に天界に召喚されているため、彼の地より俺の事を見守ってくれているだろう。しかし、1人暮しは嬉しい事ばかりでは無い。


 何より広すぎる。

 掃除が間に合わない。

 洗濯もいやだ。

 ご飯も作りたくない。

 全てめんどくさいのだ。


 だから俺は早起きをして、ある程度家事を終わらせる必要がある。


 4月も終わりに差し掛かった今日。ソフィアと付き合い初めて3日目の朝。昨日は理由をつけてひとりで帰って来たからこれからの学校がちょっと怖い。


 物思いにふけりながら、玄関周りの掃除をしようと扉を開けると。


 「あっ」


 目の前に居たのは先程まで俺の心の住人だった女。


 朝靄のなかに佇む彼女は、どこか恥じらいながら此方を見ている。その姿は光を真後ろから浴びて後光が差しているように煌びやか。髪の毛の一本一本やその肌までも透き通って見えるようだ。


 そんな彼女を見て美しいと思えるのは。少しでも素直になれた証拠ではなかろうか。


 ピシャンッ


 速攻で扉を閉めた、そりゃもう勢いよく。


 だって怖いんだもん!

 家なんて教えて無いし、ましてや連絡先も教えてない。バクバクと鼓動を打つ心臓を手で押さえつけ、静まるのを待っていると


 ピーンポーン

 ピーンポーン


 悪魔の囁きが聞こえてきた。


 「ど、どちら様で」


 恐る恐る玄関の扉を開くと、そこには彼女の姿。しかし普段の彼女とはかけ離れた……いや天地がひっくり返る程の別人の反応だった。


 「あ、あのさ。一緒に学校行きたいなぁって思って待ってたんだけど」


 現在時刻午前6時30分

 HR開始時刻午前9時

 学校までの距離徒歩十数分


 「いや、早すぎじゃね?」

 「ってへ!」


 可愛いかよ!

 4月とはいえまだ肌寒い。女の子を外に待たせるのも忍びない。


 「とりあえず上がるか?」


 コクコクと頷く彼女。

 チラリと見た彼女の横顔は、天使のような可憐な微笑みだった。

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