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お父様と一緒②

 ヴィーに向かって宣言したぼくは、さっそく部屋で頭を捻っていた。


「どうやったらお父様はぼくに会いたくなるだろう……」


 前世読んだ漫画とかでは、親の気を引きたい子供がわざと危険なことをする展開があった。

 でも、ぼくのお父様の場合、それをやってもスルーされる可能性すらある。ぼく、お父様に嫌われてるもん。


 だからまずはお父様の気を引かないと。


「どうしたらお父様の興味を引けるかな……」


 お父様は多分、そもそもぼくのことをよく知らないはずだ。

 ぼくを知ってもらうことからだな。



「サスリカお嬢様、何をされているのですか?」

「お庭を掘ってるの!」


 植物に水をやりに来たヴィーに聞かれ、ぼくは答える。

 納屋から引っ張り出した小さなスコップを片手に、ぼくは地面を掘っていた。


「見てみて、ミミズ捕まえた」

「おや、見事なミミズですね」

「ぼくね、お父様にぼくのことを知ってもらおうと思うの。ぼくはお外を歩いたり虫を捕まえたりするのが好きだから、虫を捕まえてプレゼントしようと思って!」

「なるほど、それは良いお考えですね。ではそのミミズは箱に入れて、私から旦那様にお届けしましょう」

「ありがとう!」


 名付けてプレゼント作戦。

 ヴィーにお花のかんむりをあげた時はすごく喜んでもらえたから、ぼくはそれで味を占めていた。


 お父様にいーっぱいプレゼントをあげて、ぼくのことをよく知ってもらおう!


「蝶々捕まえた!」

「お見事です」

「でっかい蜘蛛いたよ!」

「素晴らしい」

「蛇いた!」

「お嬢様もすっかり狩りがお上手になりましたね」


 それから毎日ぼくのプレゼント作戦は続いた。


「ねぇねぇ、お父様どう? 喜んでた?」

「箱を開けてミミズが入っていた時は、とても微妙な顔をしていらっしゃいました」

「なんで? 可愛いのに」

「何故でしょう?」


 ぼくたちはそろって首を傾げた。


「お父様は虫がそんなに好きじゃないのかな?」


 なら、虫じゃないものをプレゼントしよう。


「泥団子作った!」

「おや、ピカピカですね」

「表面を擦ってね、ピカピカにしたの」


 子供がよくやる奴。

 例に漏れず、ぼくはこのピカピカ泥団子を作るのが大好きだった。

 なんだか童心に帰った気持ちで頑張っちゃったな。今は正真正銘の童だけど。


 そんな風にして、ぼくは毎日お父様にプレゼントを贈った。



「サスリカお嬢様、何をしていらっしゃるのですか?」

「ここにねー、鳥の巣があるの!」


 今日も今日とてお父様への贈り物を探すぼく。

 お庭を歩きながら何かないかなーとやっていたら、庭の木の上に鳥の巣ができているのを発見した。


 これは! と思ったぼくは木に登り、枝をつたって鳥の巣に近づいたのだった。


「お嬢様、危ないですよ。降りてください」

「あとちょっとだけー。鳥の巣にね、卵があるんだよ」

「落ちたら怪我をします」

「大丈夫だよ。めったに落ちたりしない……」


 と言った瞬間、ごっと強い風が吹いた。


「あっ、卵が!」

「お嬢様!」


 枝が揺れ、巣から卵が落ちそうになり、ぼくはとっさに手を伸ばしてしまった。

 バランスを崩してぼくは木から滑り落ちる。


「いったぁ〜〜〜……っ」

「大丈夫ですか」


 思いっきりお尻から落ちた……。


「ヴィー、お尻が痛いよ」

「だから言ったではありませんか」

「えへへ、失敗しちゃっ……いたっ」


 手をついて立ち上がろうとしたら、手首がひどく痛んだ。


「ひねってしまっていますね。落ちる時に妙な力の入れ方をしたのでしょう」

「いたい……」

「お屋敷に戻って冷やしましょう」

「うん……」


 ぼくはヴィーに抱っこされてお屋敷に戻り、氷嚢で患部を冷やされまくった。

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