地縛霊
部屋に老夫婦の幽霊が住んでいた。
僕は老夫婦と仲良くなった。
ある日、このまま一緒に住まないかと老夫婦に持ちかけられた。
私達と同じように、幽霊になって、この部屋でゆっくり過ごさないかと。
僕は賛成して、よろこんで首をつって死んだ。
次に目を覚ました時、僕の体が汚く天井からぶら下がっている自分の部屋に自分はいた。
老夫婦はいなかった。
僕は老夫婦が成仏できない理由を思い出した。
あの二人は自分たちの息子がほしかったと言っていた。
「息子ができたことに満足して、成仏したっぽいなこれ。」
僕は間抜けにベロを出している僕の死体を、口を開けて眺めていた。