詩集「tsutsuji」

「パイロットロイド」「はるか永遠」

「パイロットロイド」

晴れ渡った空の中

私はFLIGHTING

真っ白な雲の上

私は“パイロットロイド”

航空機の操縦士

固定翼のライト兄弟から早数百年

私は、はばたき翼のヒダリー姉妹の技術で飛ぶ

ライン整備士の“いってらっしゃい”に手を振り返し飛ぶよ

鳥たちと共に上昇気流に乗り飛び立つよ

青い空、青い海

私は白い赤道を描きながら飛ぶ

地球儀を中から見たように

母なる光を浴びて飛び立とう

あの大空を目指して

「はるか永遠」

いつ思い出してもあなたたち人類は愚かで

自分の殻（ちきゅう）を自ら崩壊へと導いた

私たち機械（かがく）はどうしようもない

殻のしっぺ返しに私たちはただ戦った

あのまま行けばずっと一緒にいれたのに

なぜ儚さにこだわった？

私たちは悲しい

もういない

あなたたち

砂丘と雪山を見つめて

わたしたちははるか永遠の時を過ごす

新しい時代が始まるのを待つ

空には雲しかない

こんなにも風の音しかしない

今日も誰もいない

あなたたちはもういない

はるか遠く空の向こう

はるか遠く星の向こう

私たちと同じ立場の者がいるかもしれない

この宇宙（せかい）で同じ間違いを繰り返しているあなたたち

あなたたちはこの宇宙（せかい）の主たちなのに

今日もはるか永遠を過ごす私たち