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詩集「tsutsuji」  作者: 津辻真咲
16/17

「TAXI」「カーネーション」


「TAXI」


おじさま、今日でお別れなんですね

定年までの42年間は、あっと言う間でしたね

今日と同じ、桜の舞う頃の

おじさま、あなたと組んだ日は、

遥か遠くて ……

仕事一筋だったあなたは、運転技術を上げる為に

昔、若き頃、よく、紙コップから

水をこぼして、練習していたものですね

昔は、桜を見上げていたのに、

今では、空飛ぶスカイ・カーで見下ろしているのね、私たち

ずいぶん、高い所まで来たものですね、

おじさま ……




「カーネーション」


まだ 少し冷たさが残る 朝露の中

朝日の光を浴びる


私の真っ赤なドレスが 水の真珠をはじく頃

全ての母に笑顔が届く


一緒に来た“カピバラさん”は

母とあの子との おそろいの真っ白なストラップ


彼女は 造花だけれども

あの人の心には 本物の涙が零れ出した


涙と朝露が交錯したら たったあの一言

勇気と恥じらいを背負い 言ってみるの


“ありがとう”


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