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腹ペコ

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たかしはようやく町の門前へと到着した。町は中世ヨーロッパ風で、レンガで作られた家がそこらに立ち並んでいた。巨大な門の内側は、大きな道が真っ直ぐに伸びており、露店もそこかしこに散見された。

そこまで賑わっているという感じではなく、かといって人通りも少ないかといえば、そんなことはなく、粛々としているが、活気のある、そんな様相であった。


「腹ペコだ!」


たかしは朝から何も食べていない。

たかしの上に表示された満腹ゲージが4分の1を示し、赤ゲージになっていた。


多分、このゲージが0になったら、次は体力が減る仕組みなのだろう。あるいは、最悪の場合、死ぬ可能性もある。一刻も早く、食事を取らなければ。


たかしは胃をさすりながら、門の前へと行った。


門の前には重装備の騎士のようないかつい門番が2人いた。


たかしが入ろうとすると、


「おい!」


「なんだ!!」


呼び止められ、たかしは立ち止まった。


「お前、どこから来た!!! そんな変な格好をして!!」


「怪しいやつ!!!」


門番2人は、たかしに対して長槍を突き立てた。


「うわぁ、びっくりした……」


怪しい格好というのは、パジャマ姿のことだろう。

たかしは怯んだ。

だが、たかしは臆しない。

たかしは警戒する2人を睨むと、こう言ってやった。


「俺は、たかし! 勇者となり、魔王を倒す男だ!! もんくあっか!!」


ドン!


「あぁああ?」


2人の門番の目が丸くなる。

数秒の後、2人の門番は腹を抱えて笑い出した。


「ウワハハハハハッハッハアー! ヒーおかしー!!!」


「ギャッハッハッハハハハハー!!!」


2人は笑いだすと、止まらなくなってしまった。

2人のツボにガチハマりしてしまったようだった。


たかしは笑われたことに腹を立てたが、いつまでも腹をかかえて笑い続けている門番2人を見て呆れを通り越して、ここまで笑われると清々しい気分にすらなった。


「今のうちに、入ってしまうか」


たかしは2人が笑い転げている隙に、町内へと入った。


「ようこそ、はじまりの町へ!」

「ようこそ、はじまりの町へ!」


町の中へ入ると、そばにいた薄い金色の髪の毛の双子の女の子が近づいてきて、声をかけてきた。


「え、あ、はぁ……」


「はじまりの町って、やっぱり、これ、ゲームだよなぁ……」


自分の町をはじまりの町だなんて、普通は言わない。もしかしたら別の名前があるのかもしれないが、この双子がそういうのだから、そうなのだろう。


それにしても、この双子、目が大きくて、顔が整っていて、可愛すぎないか?


たかしはドキンとし顔が赤くなった。


たかしは童貞なため、異性耐性が極端に低かった。


たかしが胸をバクバクさせてその場を動けずに2人に釘付けになっていると、双子の女の子はたかしに対してなんの疑いもない笑顔で笑いかけてきた。


「う……うおおおおおおおおお!!! 死ぬ!!」


「おい! しっかりしろ!! どうした、なにがあった!!!」


門の外から男の声がして、たかしは我に帰った。さっきの笑い転げていた2人を見つけた別の騎士の男が、駆け寄ったのだ。


たかしは見つかる前に急いで逃げるようにして、足早にその場所を後にした。


歩きざまに振り返ると、双子の姉妹が手を振ってきたので、たかしもサヨナラと手を振り返した。



路地裏


「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」


たかしは路地裏の壁にもたれかかり、バクバクする胸のあたりを苦しげに掴む。


「クソ、なんだってんだこれは」


「この感情は、なんだっていうんだーーーーーー!!!!!」


ピキーン!


《スキル 発情 を獲得しました》

《入門イベントを クリアしました》




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