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下校(怒)1

「いやー、それにしても自転車をおりて友達と一緒に歩いて帰るだなんてまるで青春だな。」


「ああ、それが俺の自転車じゃなくてお前が自主的に歩いて帰っているのならそれは青春だな。」


「お前、まだ朝から俺がお前の自転車を盗んだこと怒っているのか?許してくれるって言ってたじゃないか?」


「それは誰がいったんだ?勝手に記憶を改竄(かいざん)してんじゃねえよ!だいたい誰のせいで歩いて帰ることになってると思っているんだ!」


「俺~ーー」


「ぶん殴るぞ、何伸ばしてんだよ」


 まったく、よくこんなやつと今まで友達でやってこれたな自分のことを()めてやりたい。


だいたい俺は高校でこいつとおさらばする予定だったんだ。


きちんとこいつの進学する予定の学校を確認してからずらしたはずなのに。


「でも俺お前らとまたこうしてまた一緒になれてホントに嬉しいんだ‥‥」


「深治‥‥」


「これでまたお前にストレスを発散できる!!」


迷惑この上ない


「お前わざわざその為だけに自分の進路を変えたのか?」


「いや、違うぞ?」


「え?でも実際変えてるじゃないか!」


「それが違うんだな~お前が俺と進路をずらしてくるだろうなと思ってあえて俺の進路を違うものに変えてお前がこの学校を目指すように仕向けたんだ。」


「っていうことは?」


「俺は第一志望でお前が進路をずらしたんだ。乙~~」


 今度、暗殺(あんさつ)計画練ろうかな。


「お前本当にそういう訳の分からないこと考えるの得意だよな、そんなに頭いいならもっといい学校に行けば良かったのに。」


「大丈夫だ、この学校もそこまで偏差値が低い訳じゃないからな、お前が受かるかどうかひやひやするくらいにはあるぞ。」


「例え方が酷すぎる。」


でも実際それは俺も思ったことだ。


はっきり言ってここは俺の頭じゃギリギリでほとんど落ちるだろうと言われていた。


それでも受かったのは本当に奇跡だろう。


「それで?深治お前入試成績は何位だったんだ?」


成績のことを話していたらふと気になった。ここの学校はモチベーションを高めるために入学直後に順位を教えられるのだ。


「うん?あまりいい順位じゃないぞ?」


あ、これは嫌みだなとりあえず(なぐ)っとくか。


「急に殴ってくるなよ、びっくりするじゃないか。」


「ビックリしたヤツがカウンターをきれいに決めてくるとは思えないけどな」


今日だけでアザの数が数えきれないほどになってしまった。


「俺の順位は77位だ」


ホントに殴られ損だ。


「あれ、深治にしては順位低くないか?主席は神谷さんだからてっきり次席だと思ってたのに。」


「ああ、ラスト何問かは飽きてきてコロコロ鉛筆で記号問題解いてたからな。」


「全受験生に謝れ!」


「そういうお前は最下位から何番目なんだ」


「そんな聞き方初めて聞いたよ。」


「悪い悪い、それで何番目だ?」


「3番目」


「聞き方合ってるじゃねえかよ。」


合ってほしくなかったよ。


それにしても、さっきから神谷さんが喋ってないなどうしたんだろう?


そう思って後ろを振り向くと神谷さんがニコニコしていた。


「どうしたの?神谷さん、そんなにニコニコして何かいいことでもあった?」


「いえ、こうして一緒に帰るのも久しぶりで楽しいなと思いまして。」


「そうだね、確かに最近みんな忙しくてこうしてゆっくりする時間はなかったもんね」


そう考えると深治が自転車を盗んでいったのも少しは良かったと思えるな。


許す気はないけど


「おい、隆二あれを見てみろ、なんかガラの悪そうなやつに絡まれているのがいるぞ。」


「うん?ホントだしかも絡まれているの俺らの高校の生徒じゃないかどうする?」


「どうするって助けに行けよ。男だろ?」


「お前も男だろうが、それに言いたくないけどこの中だったら俺が一番弱い。」


「お前よく神谷の前でそんなこと堂々といえるな?恥ずかしくないの?」


こいつまじでイラつくんだけど


「大丈夫ですよ。どれだけ私より隆二君が弱くて頭も悪くて情けなく見えても私は隆二君のこと好きなので」


すごく情けなく感じる。


こんな人が普通に通る場所ですごく辱しめを受けてしまった。


「まっまあ、とりあえずダメ元で行ってみるよ。もしかしたら穏やかに収まるかもしれないしな。」


「無理だと思うぜ!!(とてもいい笑顔)」


まじでイライラする。


ここでこれ以上なにを言っても時間を取ってしまうから早く助けにいこう。


そしてそこに着くと俺は両者に話しかけた。


「えーと、そこの方々何をしているのですか?」


「あ?何だお前こいつの知り合いか?」


「いや、そう言うわけではないのですが。」


「なら引っ込んでろ俺が用があるのはこいつだけだ。」


「そうですよ君、巻きこまれては大変です。早く帰りなさい。」


「そういうわけにもいかないですよ。見るからに雰囲気(ふんいき)悪そうですし。」


「当たり前だ。俺はこいつに喧嘩(けんか)を売られたんだからな。」


「ほう、どんなですか?」


「こいつ俺のことを見てクスクス笑いやがったんだ。」


ああ、良くあるパターンか勘違いしてから喧嘩を吹っ掛けるやつか、これは駄目だな、なんとしても止めないと。


「仕方ないないでしょうあまりにもおかしな格好をしてるのだから。」


ヤバい、勘違いじゃなくて本当に笑ってやがった、この人


「ああ?これはうちのちゃんとした制服だ。バカにするんじゃねえよ!。」


「制服じゃなくて着こなし方のことを言っているのですよ。いつの時代の人ですかあなたは?一世代前の不良ですか?世紀末ですか?」


酷い言いようだ。


「そこまでひどくねえよ!」


どうしよう‥とてつもなくしょうもないことに思えてきた。


早く仲裁して帰ろう。


「とりあえず暴力はダメですよ。平和的に解決しましょう。」


「うん?暴力なんてしねえよ」


「ええ、私もですよ?」


「え!?」


「だって俺」「だって私」


「「大学受験あるからな!(ありますからね)」」


‥‥帰ろ。


「おう、どうだった隆二?」


「うん‥‥とてもいい先輩たちだった。」


「「??」」

隆二はいうほど頭悪くありません!

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