登校からすでに大混乱
作者の趣味です。
ぜひ読んで見てください
俺·葉宮 隆二は今日常明高校に入学することになった。
ここから常明高校は自転車で30分位、みんなも同じかも知れないが初日という事で心配性な俺は50分位前に家をでた。
それでだよく考えてみて欲しい、もし、もし家をでようとしたときに自分の自転車がなかったとしたらどう思う?
俺の場合は
「……。」
言葉にすらならなかった。
「えっ!? なんで? 鍵もかけてたのに何で荒らされた感じもなく自転車だけ消えてるの?」
一時、混乱し呆然としていると、よく見てみると一枚の紙が落ちてあった。その紙には?
【自転車は貰っていく】と新聞紙を切り取ってかかれていた。
泥棒にとられたのか?と一瞬思ったが、その紙の下には名前が書かれてあった。
【by野山 深治】
「知り合いじゃねーかよ。!」
─てかっ、何であいつが俺の自転車を盗って行けたんだ?そう考えて一番に思いつくのが
「なー、母さん!」
「どうしたのー?」
「もしかしてさ、今朝、深治来なかった?」
「えぇ、来たわよ!」
「そのときにさ、まさかとは思うけど、深治に自転車の鍵わたさなかった?」
「あらら、よくわかったね。すごい!」
「すごい! じゃねーんだよ。何で自転車の鍵を渡したんだよ! おかしいと思わなかったの?」
「えぇ? なにが」
駄目だ、てんで話にならない。きっとうちの母親はどこかで頭をうってしまったらしい。もしくは宇宙人なのかのどちらかだと思う。
とにかく、早く行かないと入学式に遅れてしまう。そう思い俺は走って学校に向かった。
なんとか、ぎりぎり間に合いそうだな。
走りながらそう思っていると、小さな女の子が泣いているのが見えた。可哀想だが俺も急いでいるから、助けてあげられそうにない。
そう思い通りすごそうと思ったら、急にその女の子がこちらを睨み付けてきた。
気のせいだと自分に言い聞かせていたが、
「そこのお兄さん助けて下さい」
と言われてしまったお人好しの俺は、助けを求められると断れないのである。
「どうしたの?」
俺がそう聞くと、
「少し、私の話を聞いて欲しいです」
「うん、いいよ」
「実は、私今日の朝、お兄さんとは違うお兄さんにあることを頼まれたんです。それをしたら今度何かを買ってくれるというので、私は喜んでそれを引き受けたんです」
「うん、それで?」
もしかしてすごく難しいことを頼まれて困って泣いていたのかもしれない。
「そのお願いというのが、167㎝くらいの身長の茶髪で、制服を着てきて走って急いでいる人を足止めしろっていうお願いでした」
「うん、それで?」
「終わりですよ?」
「えっ?!」
いったいどういうことだろうか、その人がわからないから一緒に探してくれということだろうか?
「あの、本当に分からないのですか?」
そういわれて、僕は今言われたことをもう一回頭の中で繰り返してみると…
「その探してる人って、俺と結構似てるね!」
「似てるねって、多分お兄さんのことだと思いますよ?」
そんな馬鹿な!何で知らない人がわざわざ俺を?そこで、俺は1つの可能性を思い描いた。
俺がこの状況になることを知っていて、俺の性格を知っているあいつならやりかねない!ということを
「ちなみに、そのお兄さんの名前は、野山 深治! って言います」
「あのクソ野郎がー!!」
あいつ完璧に俺を遅刻させるために動いてやがる!こうなったら、意地でも間に合ってやるぞ!
「なら、俺はもう行っていいんだね?」
「えっ? はい、もういっていいですよ」
「なら、さよなら! 帰り道に気を付けるんだよ!」
そう言って俺は、再び学校へと向かった。
「…すごい、もしかしたら怒鳴られるんじゃないか? と思ったけどお兄さんの言ってた通りだった。それどころか、文句の一言も言われなかった…」
…結果的に言うと俺はギリギリshrには間に合った汗ダクダクだけど、すると隣の席の大親友から朝の挨拶があった
「おはよう隆二、朝は大変だったようだな」
と他人事のようにしゃべってくるのは俺の大親友
「そうだねどっかの誰かさんが、いろいろしてくれたお陰でいい運動になったよ深治」
そうこの男こそが俺を朝からあんな目に合わせた張本人、野山深治である
「本当に誰がそんな酷いことをしたんだろうな、全く世も末だな」
「お前だよ!お前!自分でわかってるだろ?」
「心外だぞ、どこにそんな証拠があるんだ?」
「おまえおちょくってんのか!、丁寧に名前を書いた手紙をおいていって、わざわざ来る途中にあんな女の子を仕向けさせてたくせに。」
「まぁーそんなに怒るな俺にだってそれなりの理由あるだ。」
「ほう、念のために聞いておくなんだ?」
「実は……俺の自転車がパンクしていたんだ。」
「そうかそれは災難だったな。とりあえず死んでみるか?」
「それと、途中で仕向けた子は俺の感謝の現れだと思ってくれて構わないぞ。礼はいらない。」
「してたまるか!何で間に合わせないようにしたのが感謝の現れなんだよ!おかしいだろ。」
「待つんだ、実際お前は学校に間に合っただろう?それも俺の計算通りだ。本当に遅れさせるわけがないだろう?」
「えっまじで?」
「いや嘘だ、爪が甘かったなとも思っている。」
「よし今日という今日はお前に一撃を入れて見せる。」
そう思い、やつの胸ぐらをつかもうとした瞬間……周りから非難の目で見られてしまった。
「おい、いいのか俺をなぐらなくて」
くそこいつ分かっていってやがる、こいつの見た目は中性的で女子からも男子?からも人気があるのだ。
後者からの人気は俺は結構だが…という訳で初日からこいつを殴ったあかつきには俺の高校生活は終わったも同然だろう。
しょうがなく俺はこいつからてをはなした。
「いやー命拾いしたなー!」
と棒読みでいうこいつは実は俺より数十倍は強い。
もし俺がこいつのことを本気で殴っていたら、数秒後には血の海になっていただろう……俺の血で。
なので俺は秘密兵器呼ぶことにした。
「神谷さーん!」
「呼びました?」
おぉ相変わらず早いな。
クラス違うのにどうやって来たんだろう、そして深治の顔を見てみると顔が蒼くなっていた。
ざまぁーみろ。
「ちょっと深治の悪い癖が出てきたから躾てくれない?」
「わかりました。隆二君の頼みならどんなことでもやって見せますよ!」
あれ、背中から冷や汗が…きっと気のせいだろう。
「さて、野山くん隆二君の頼みなのでおとなしく躾られてください」
「〝ブンブン、ブンブン〟」
すごい嫌がっている、て言うか半泣きしてないか?
クラスのみんなが喜んでいる、良かったなー。
「大丈夫です。今日は機嫌がいいのでいつもよりかは軽くしますので」
とその言葉に少し希望を持ったのか少し顔つきがやわらいだが
「デコピンですませますので」
「〝ブンブン、ブンブン〟」
あまり変わらないらしい、食らったことがないのでわからないが
「ではいきますよ」
「パシィィィン!!」
そして深治は泡を吹いた。