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76話「妖怪抗争」城新地。

 これは漫画で読んだ話なんだけどよ。妖怪って言ったら、いつも人間を襲ってるイメージじゃねえか。でも、そんな野蛮な奴らが、妖怪同士では平和な世界を維持してる・・・なんて嘘だろ。


 本当は、こうなってんじゃねえかな。



 「はいはい、これが化け猫から絞った油だよ~。世にも珍しい化け猫油だよ~」


 街にはろくろっ首の声が響いていた。通り過ぎる飛頭蛮ひとうばんやデュラハンは、ちょっと味を見ただけで行ってしまう。


 「ん~・・・。何がいけないんだろう?こんなにレアで、健康に良い油なのに」


 化け猫の油は、一口飲めば寿命が10年は伸びると言われていた。


 ただ飛頭蛮もデュラハンも、別にその要素は必要なかった。


 味もかなりの肉食系。どっちかと言うと、これは。


 「ようよう姉ちゃん、誰に断ってここで商売してるんだい?」「誰よあんた!ここは首なしの里だよ!」


 真面目に商売をしていたろくろっ首にケンカを吹っかける奴が居た。


 名は雀のお宿。物増やしの里の者だ。


 雀のお宿の後ろには、皿屋敷、竜宮城、マヨイガなどが群れなしていた。


 「こっちにはドラキュラ城の兄貴がついてるんだ。あまりいきがらない方が良いぜ、お嬢ちゃん」


 雀のお宿の脅し文句に、ろくろっ首も飛頭蛮もデュラハンも顔をしかめました。しかし。


 「ふふん。こっちにだってね、平将門たいらのまさかどの姉さんや源義経みなもとのよしつねの姉さんがついてんのよ!」


 という事。


 そしてここに首なしと物増やしの間で、戦争が勃発ぼっぱつした。


 頭部を叩き潰された首なしどもと、瓦礫がれきになった物増やしども。双方の死をもって、戦争は決着した。


 それから二日後。



 「九尾の狐の油だよ~。一口三千里だよ~」「機械油はないのか・・・?」


 相変わらず商売熱心なろくろっ首と、その偏った商品を眺めるブラッディメアリー城。


 全面戦争のダメージは大きく、復活に二日もかかってしまった。


 そんな妖怪どもが息づく世界は、人間の世界から、そう遠くない。気を付ける事だ。闇は近い。



 死んでも死なない、ってのはすげえよな。おれもあやかりたいもんだぜ。


 じゃ、次。

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