表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/100

59話「怖いもの」原唯。

 皆さんは何が怖いですか?私は・・・いえ。


 これはそんなに怖い話じゃないので、安心してください。



 ある所に、お侍さんが居ました。そのお侍さんは、天下無双。誰が相手でも決して後に退かないという剛の者でした。


 そんなお侍さんの話題は、ついには妖怪の間にまで広がっていました。


 「人間の癖に生意気な奴」「ここはいっちょ、懲らしめてやるか」


 妖怪どもはお侍さんを怖がらせて遊ぶ事にしました。


 ある日、お侍さんが眠ろうとしていた時の事。


 「うらめしや~」


 ろくろっ首がお侍さんの部屋の戸を開けて驚かしました。


ザン


 たたっ斬られました。


 「ひゅう~ドロドロ」


 次は狐火きつねびがお侍さんの部屋のロウソクに火を付けました。


ザバン


 ロウソクごとおけの水をぶっかけられました。


 「にゃあ~お」


 猫又がお侍さんのひざの上で鳴きました。


にゃあああ


 またたびと猫じゃらしで、完全に籠絡ろうらくされました。


 「ひいひい・・・。ひどい目にあったわい」「あの侍は本当に天下無双なのか?」「・・・また誰か入るぞ」


 次に部屋に入ったのは、年取った人間の女でした。きっとあれも侍に簡単に斬られるだろうな、と思って見ていた妖怪どもは、次に見た光景にびっくりしました。


 「あんた部屋をこんなに汚して!誰が綺麗にすると思ってるんだい!!」「い、今、掃除しようとしていたところで・・・」


 里帰りから戻って来た女房にょうぼうの怒りをやり過ごそうと、お侍さんは平身低頭へいしんていとう、へこへこと部屋から出て来ました。


 「うーむ。なんという恐ろしい女房じゃ」「あれが鬼女房か」「いや鬼婆かも知れねえ」


 散々な言われようをしたお侍さんの女房どのは、日本中の妖怪から恐れられる鬼女房として名を残したという事です。


 めでたしめでたし。


 「めでたくわないよ!」



 良いお話ですよね。私もこんな夫婦になりたいな。


 じゃあ次の人、お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ