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5話「アンティークゾンビ」八幡八重花。

 んー。私、ホラーって、苦手なんですけど・・・。


 あ、私は八幡やはた 八重花やえか。花も恥じらう女子高生です。・・・ここじゃ意味ないけど。2年だから、神渡さんの後輩ですね。


 それで、話す内容って、ゲームのストーリーとかでも良いですよね?知ってる話でもOKらしいし。・・・あ、やっぱり良いんですね。じゃあなんとか。


 これは私の友達が遊んでたゲームの内容です。私は、友達が遊ぶのを見てただけなんですけど。


 昔のゲーム、ってなんだか面白くないですか?純粋なゲーム内容が、じゃないですよ。


 今の目で見ると、なんでこんなカクカクしたモデルなんだろう?今出来るシステムが、なんで出来ないんだろう?そういう感じの奴です。


 それはつまり、昔の時代の名残りで、つまりそれって、アンティークですよね。私、アンティーク嫌いじゃないですよ。買うお金なんてないから、見るだけですけど。昔のヨーロッパのお城とか、良いじゃないですか。日本で言えば、古民家にある古いタンスとか、すごく良い味出してますよね。


 これは昔のゲームの世界の中で描かれた最新科学のお話。ニュー・アンティークとか呼びましょうか。


 そのゲームはホラーゲームでした。その中でも、アクションアドベンチャーと言われるタイプ、なのかな?ゾンビの敵が出て来て、それを倒しながら、フィールドの謎解きも行う。今でも大人気のシリーズですね。


 ゲーム自体には難易度設定があって、初心者でも気軽に遊べるようになってるんですけど、そもそもがゾンビと戦う!ですからね。私なんてそれだけで敬遠しちゃいますよ。でも、怖い話が好きな子って居るじゃないですか。私の友人もそうだったんですよ。


 当時、その子と仲良かった、ていうか親友だった私はちょくちょくその子の家に遊びに行ってました。私の家にはゲーム機が無かったので、年長になるにつれ、その子の家で遊ぶようになってましたね。あ、当時って言っても去年の話でした。だから、今も親友なんですけど、お互い受験勉強の毎日ですからねー。その子も、最近はゲーム機を封印して頑張ってるそうですよ。それで合格したら、新しいゲーム機を買ってもらう約束をしたらしいですって。良いですねー。私なんて何も約束してませんよ。


 で、ゲームの話でしたね。


 私は彼女の遊んでるのを側で見てるだけだったんですけど、それでも十分面白かったですよ。2人できゃーきゃー言いながらやってましたねー。


 ええ。とても楽しかったですよ。


 ゾンビ。それがゲームのメインの敵なんだけど、なんか様子がおかしいんですよね。人間離れした怪力を誇る怪物のはずなのに、ナイフ一本で倒せたり。ゲーム中で銃弾一発二発食らっても全然平気なのにね、こいつら。それを蹴り飛ばしただけで倒したり。


 んー?て感じですよね。何か、オカシイんです。


 つまりこれ。いわゆるゾンビじゃないんじゃないか。って私は思いました。


 人から離れた銃撃は耐えられるのに、人が近寄った上での攻撃には為す術もなく倒れる。


 人が、彼らの天敵。だから、彼らは人を攻撃する。


 普通のゾンビだと、生命エネルギーを補給するために人を食べるとかの設定があるんです。でも、このゲームのゾンビは、多分そうじゃない。


 人と相容れない人に似た何か。それが、このゲーム内の敵。


 そう推測、いえ妄想かな。想像した私は、それでも黙って友人のプレイ画面を黙って見ていました。せっかく楽しく遊んでるのに、水を差せませんよ。それに結局、私の思い込みでしかないんですもの。


 それで私は、ゲームのエンディングまで絶対に付き合うぞ。最後までストーリーを追いたいぞ、と決意したんです。友達には自分でやるのは怖いからここで見てくね、とだけ言いました。いつも通りの私の発言なので、ヘンには思われなかったはずです。


 それからゲームやる時は誘ってよと頼んだら、友人は快く引き受けてくれました。実際、私では上手く操作出来ないでしょうから、友達様様ですよ。


 ストーリーはよくある感じのアレです。米国特殊部隊が着く秘密任務。企業の暗躍、政府の陰謀。出会いと別れ。死と生のチャンス。味方の裏切りからの、疑心暗鬼。数え切れないほどの修羅場をくぐり抜けてからの、輝く朝日を浴びるハッピーエンド。めでたしめでたし。


 ・・・あれ?


 私の疑問は?


 ・・・・結局、妄想だった・・・!分かってたけど!


 まあ、そんなもんですよね。ちょっとガッカリはしましたけど、友達と手に汗握りながらのラストバトルは楽しいものでしたし。普通に面白かったですよ。



 じゃあ、次の人お願いします。

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