43話「図書館の常連」藤宮蛍。
皆は図書館を利用する?私はあんまり。暇つぶしぐらいかな。そんな私だけど、なぜか図書館の話を知っててね。
今回はそんなお話。
私がよく行く・・・ごめん嘘。よく時間を潰すのに使わせてもらってる図書館があんのよ。高校の時の同級生が働いててさ。よく昼寝を・・・。
そんな感じの図書館で、休憩中に聞かせてもらった怪談。
図書館にも、常連さんてのは居るのよね。ご近所さんだったり、学生だったり、私みたいなのだったり。
その中に、ちょっと遠くの人が居た。電車通勤なのか知らないけど、近所じゃなかったのは確か。
その人は図書館で読むんじゃなくて、主に借りていく人だった。熱心な読書家でね。1週間で2冊以上借りてたらしいよ。遠方の人だから、通勤中に読んでたのかもね。
そんなある日、その人は来なくなってしまった。1週間、2週間、1ヶ月。図書館から連絡を入れてみると、その人は亡くなっていた。だから返しに来れなかったんだね。
ご家族は、その人がよく通っていた図書館に来てくれたよ。返すついでに、その人を想ってね。
不思議な事が起きたのは、その後。
それから時々、誰が借りたのか分からない本が出て来たの。貸し出しリストはちゃんとしている。しかも期間内に確実に返却される。
なのに、誰なのか分からない。
友達はこう言うんだ。図書館を好きで居てくれた誰かが、また来ている、ってね。
怖くないの?って聞いたら、答えは、本を返してくれるから問題ないだって。度胸あるよねえ。
じゃあ、次。お願いね。