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34話「宇宙体験」透真瞬一。

 皆さんは、宇宙には興味おありでしょうか。私も一介の男子らしく、宇宙にはロマンを感じずにはおれません。


 今回は、そんなロマンを少しでも満たしてくれる、素敵な施設を紹介しましょう。


 これは友人に聞いた話なのですが。



 友人は子供を持ってからというもの、英才教育というものにハマっておりまして。博物館、図書館、体験施設。あらゆる知的教育が出来そうな施設に、小さな子供を連れて回っていました。これには奥様も苦笑いを禁じ得なかったそうです。


 そんなある日、我が子を宇宙への知的好奇心にいざなうべく、彼は宇宙博物館に向かいました。


 そこでは子供達へ知識を与えるだけではなく、体験を通じて直感的に宇宙の楽しさを味わわせる目的がありました。


 無重力体験や宇宙食の試食。それに宇宙船内部の探検。


 そして目玉イベントはなんと言っても、宇宙空間体験。今までの無重力体験技術や宇宙船の外側の形成により、あたかも船外活動をしているかのような体験が出来るのだそうです。


 大人にも子供にも大人気の宇宙体験。


 ですが、事故まで疑似体験しなくとも良かったのではないでしょうか。少なくとも、体験者の方はそう思っているでしょうね。


 宇宙服を着用して行われる宇宙空間体験では、当然ながら呼吸の確保が絶対に重要です。そして現代科学の粋を集めたそれは、空気の流入が上手く行っていない事までコントロールセンターで分かります。


 なので、それは不運な事故だったのです。


 地震。それに伴う停電。そして宇宙服を外せる職員の気絶。全ての運が悪い方向に転がり、安全な施設の中で安全な体験をしながら、その方は死亡してしまいました。


 友人はテーブル席に身を隠して、家族全員無事だったそうです。私も、それだけはホッとしました。



 最悪の事態での不運が重なっての事故。そのため、今もその施設では宇宙空間体験は行われています。ヘルメットだけは無しで。


 しかし、私はこうも思います。


 酸素の吸入が絶たれての死亡。それを地上で味わえるなんて、なんて立派な体験施設だ、とも。


 変な事を言ってすみません。


 では、次の方どうぞ。

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