25話「メダ太郎」八幡八重花。
私、水族館が好きなんですよ。遊園地では乗り物に乗れないし、動物園は広いし。水族館くらいの広さでゆっくり楽しむのが好きなんです。いつか彼氏が出来たら、一緒に行きたいですね。
これは、そんな素敵な世界で不思議な体験をしたカップルのお話です。
これは女性誌で見た話なんですけど。ちょうど水族館特集の回で、水族館での体験談も豊富にありました。その中の一つを紹介しますね。
その水族館には、一つ名物がありました。もちろん、どんな水族館にだって目玉の展示はあると思いますけど、そこはちょっと変わっていました。
別に淡水魚の展示がメインなわけでもないのに、そこではメダカが大流行していました。周辺に海ではなく川があったから、なのか。
メダカは大きいのもいれば小さいのもいました。そしてその中の一匹が、名物の怪魚、メダ太郎だったんです。
メダ太郎は体長10センチもあるメダカで、群れのボスでした。メダ太郎の動きに合わせて他のメダカも動くんです。
そんなメダ太郎には伝説があって、メダ太郎の前でお祈りをすると、なんでも願いが叶うんだとか。
流石にもうちょっと節操のある伝説を作った方が良いような気がしますが、とにかくそんな言い伝えのあるメダ太郎。水族館の一番人気の魚でした。
景子さん達が訪れたのも、そのメダ太郎目的でした。
景子さん達は2人の仲が永遠に続くように願い、楽しく水族館を遊び回りました。
そして景子さん達は、今でも水族館に居るそうです。
メダ太郎の仲間として、永遠に。
願いの叶うメダ太郎。私は怖いんですけど、皆さんはひょっとしたら、上手く使いこなせるかも知れませんよ。
では、次の人お願いします。