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24話「大きな遊園地」透真瞬一。

 私も遊園地の話はいくつか知っていますよ。非日常の場所である事が、想像力を強く刺激するのでしょうかね。


 これは友人から聞いた話なのですが。



 その友人は首都圏にある日本有数の遊園地で働いていまして。そこで友人は、施設内の警備を担当していました。毎日、施設の安全確認をし、現場のトラブルを収め、誘導に立つ。縁の下の力持ちですね。


 そんな友人は、遊園地を俯瞰ふかん的に眺めるのが得意でした。今が何時で何曜日。それが分かっていれば、今どこにどれくらいの人数が居て、どれだけの人間がいれば施設が回るのか。感覚的に理解出来るそうです。誤差は5人以下とか。


 そして友人の語ってくれた面白い話は、ここからです。


 いつものように現時点の入場者数から推測されるトラブル数とその対応数を計算していると、ふと気付きました。


 先日、欠員が出たのに、全く困らず回っている事に。


 仕事を辞めたのはベテランの方で、新人の育成が主になっていたとは言え、その人の穴を埋めるにはまだ2人以上は必要だったはず。


 それなのに、なぜ。


 全員がちゃんと休暇を取っている職場なので、休日数にも変更はありません。


 一体、誰が頑張りすぎているのか。


 友人の職場でも、過労死は他人事ではありませんでした。やりがいという意味では、遊園地の仕事は、ほとんどが志願によるもの。つい頑張りすぎる傾向がありました。なので友人も目を光らせていたはずなのですが。


 そして友人は、別の部署の知り合いからも同じ意見を聞きました。人手は増えていないのに、仕事が楽になっている。新しい企画を増やしても、今までの作業に支障が全くない。


 機械化、合理化のため?いいえ。完全新規の設備投資はまだしていませんでした。


 恐ろしい事に、まるで幽霊が一緒に働いているかのようで・・・。



 と、ここで種明かしをさせて頂きましょう。


 これは友人らの業界ではままある事のようです。いわく、寝ている間に妖精が仕上げてくれた。小人さんがお手伝いしてくれた。など。


 実際に起きている現象ではなく、錯覚ですかね。


 怖い事は、実は人間の脳内で起きている。その一例と言えましょう。



 では次の方、お願いします。


 ところで、友人の遊園地は今なお成長中で、来年には日本最大の規模になるそうです。


 なんだか、少し怖いですね。

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