表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/100

19話「走らされる霊」原唯。

 あ、はい。私の番ですね。


 学校の流れが続いてますし、私も学校で。



 これは私の学校で、10年ぐらい前に流行った噂です。当時から今まで伝わって来たので、けっこう有名な話ですね。


 皆さんも、走る二宮金次郎像のお話は聞いた事ありますよね。あんな感じに、グラウンドをひた走る幽霊のお話です。


 そうですね。仮に二宮先輩としておきましょうか。


 その二宮先輩は、別に陸上部とかじゃなかったんです。なのにグラウンドにまつわる霊になってしまった。


 その理由は簡単。


 罰として、走らされていたんです。


 最近だと体罰になるらしいですね。私達の代ではもうやってなかったので、よく分かりませんけど。


 それで、なんの罰かまでは分かりません。忘れ物か遅刻か、それとももっと別の何かか。


 とにかく、二宮先輩は走らされていた。面倒でダルいですよね。


 でもグラウンドは職員室からよく見えた。逃げるわけにも行きませんでした。


 で、そんなこんな二宮先輩も、倒れました。


 そんなこんな、ってひどいですよね。でも、そうなんですよ。


 原因はなんだったのか。心不全、先天的な病、それとも事故?そこのところは伝わってすらいないので、やっぱり分かりません。


 それからです。グラウンドを走る幽霊の噂が出たのは。


 時間はバラバラ。朝の授業が始まってからだったり、昼食の後だったり。


 つまり、二宮先輩が走らされた時間なんですね。


 それで二宮先輩は、グラウンドから逃げられなくなっちゃったんです。多分。


 死んだ場所から帰れないって、嫌ですね。私、お風呂大好きですけど、永遠にお風呂に居たら飽きますよ絶対。


 その二宮先輩も、たまには飽きて、別の場所に行ったりするんでしょうかね。


 例えば、たまたまその時間に下校していた、グラウンドから逃げ出せそうな生徒に付いて行ったり。


 なんて。



 じゃあ次の人。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ