学園都市
「この世界の学校では、バトルはレート式なんだ。君の腕章はどの学園でも共通のSクラスを示す、白色の腕章だよ」
『ファナティカル』でのランク付け
白:Sクラス 赤:Aクラス 青:Bクラス 黄:Cクラス。それぞれ、上位ランクに位置する者の腕章には浅葱色のライン、下位ランクに位置する者の腕章には黒色のラインが入っている(中位ランクの腕章は、元の色のみ)。
ランクはレートによって変わり、1~1500はCクラス、1501~2250はBクラス、2251~はAクラスとなる。Sクラスへの移動は、Sクラスの『戦闘兵』を撃破するか、教官を撃破することにより可能。他校の『戦闘兵』を撃破することでも可能(特別な処遇で、編入によって初期からSクラスになることもできる)。全学園共通である。
「最初からSランクですか」
「君ならダイジョブでしょ。次はレートというものの確認だよ」
レートの移動
下のランクの『戦闘兵』に撃破される度、撃破された『戦闘兵』は、撃破した『戦闘兵』に、所持レートの3分の1を与えなければならなく、上のランクの『戦闘兵』に撃破される度、5分の2を与えなければならない。Sランクの『戦闘兵』は、C~Aランクの人間に撃破されると、その『戦闘兵』のランクに移動することになる。尚、女性『戦闘兵』が男性『戦闘兵』に撃破された場合、下のランクでは4分の1、上のランクでは5分の1となる(Sランクにはこの特別対応は、適応されない)。教官や職員などの大人に『戦闘兵』が撃破された場合、特別対応がSランクにも適用される。
「じゃ、これで編入手続きは終了。晴れて君はこの学園の生徒となったよ。ここから先の説明はテュールが行なうから。よろしくね」
「ああ、分かっている。ルキア、行くぞ」
「ああ。…失礼します」
「うん。またね」
ルキアとテュールは、理事長室から退出した。
「これから、学園について説明するからついて来い」
「まずは、学生寮を紹介するか…」
「学生寮…?」
「ああ。この街の学園は全て全寮制なんだ。あとは、長期休暇中
(今現在の状況)でも、学園都市外、まあ先程まで俺達がいた居住区というところだな。には出ることはごく一部の特例を除き、許されていない。俺やハマリエル、ミューズが『居住区画』にいたのは、ハマリエルの《12宮》としての仕事があったからだな。USSIのメニューに学園都市の法律みたいな事が載ってるから見といた方が良いぞ」
メニューの7段目に【学園都市】という項目があった。
【学園都市】
学園都市は、3つの区画からなるものである。
学園都市の中心部は『戦闘区画』である。『戦闘区画』には、多数の戦闘施設があり、どこかの学園に所属している人間ならば、誰でも利用できるようになっている。『戦闘区画』の外側には『商業区画』がある。『商業区画』は、読んで字の如く、『商業施設』が多数立ち並ぶ区画である。ここで個人間での諍いなどによる戦闘をすることはバトルエリアを展開すれば可能である。『商業区画』の外側には、『学園区画』がある。『学園区画』は、1辺約500000㎡の四角形で出来ており、その四方には、4つの学園がある。他の学園の『戦闘兵』が他の学園に侵入することは、【学園都市規約】に違反しており、侵入した場合、その場で所持レートが0になり、死亡となる。『学園区画』以外は、『居住区画』となり、学園都市外となる。
「【学園都市規約】ってのはどこで見るの?」
「寮の中にそのデータをダウンロードできるコードがあるから、そこでダウンロードするんだ。【学園都市規約】は、全10章、95の条文からなる、学園都市の最高法規だ。大体は違反しただけでレートが0になるものだな」
「え?じゃあそのリスクを6歳の時からみんな背負っているのか!?」
「まあ、今まで違反で死んだやつは96万4247人中26人だから、みんな意識はしてないようだけどな。あと、お前は6000だから、下のランクの人にかなり負けない限り、死ぬ事はないだろな」
「でも、Sランクってかなりのリスクがあるじゃないか」
「落ちたやつは学園都市の歴史上、いないぜ?」
「でも・・・!」
テュールは、ルキアの口を塞いだ。
「細けぇこたぁ気にすんな。今は学園生活をエンジョイすんのが優先だ」
「…分かったよ」
会話をしている間にかなりの距離を進んでいたようだ。学園中央施設が小さく見える。そして目の前には、学園中央施設と同じような黒く、青い電気が点灯しているマンションがあった。
「さあ、ここが学生寮だ」
学生寮って見た目じゃねえ…