表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦狂都市ファナティカル  作者: ツァイト・ツァラトゥストラ
2章:学園都市
6/18

初めての学園

僕は、ハマリエルの父親、今は僕の父親でもあるテュールと《第一学園アルカディア》に向かって歩いていた。


「ルキア着いたぞ。ここが《アルカディア》だ」

「ここが…!」

目の前には広大な敷地が広がっていた。あとから聞いた話だが、ダグザ邸の約40倍あるそうだ。

「高い建物が多いんだな」

「ああ、そうだな。あの中央に(そび)え立つビルが見えるか?」

中央…。あれか。かなり大きい黒色のビルだな。

「あれは、学園中央施設(セントラル・タワー)。どの学園にも存在する、重要な建物だ。あの中には理事長室や教職員室、教官、職員の住まいもあの中にある」

「へぇー。あまり生徒は近づかなさそうだな」

「やっぱり部外者から見てもそうなのか…。」

実際、そうだったらしい。


中央ビルの真下に着くと、その大きさに再び驚いた。

「すげぇ威圧感」

「だろうな。87階あるからな」

「そんなあるのか」

都会の高層ビル群でもそんなにあるか分からないぞ。

「ああ、そうだ、所属している人間じゃないと、自由に行き来出来ないようになってるからな」

「どうやって入れと?」

「部外者の場合、内側から許可を出せば入れるから、ちょっとやってくる」

そう言って、テュールは建物の中に入っていった。

「ドアが開いている時に入ればいいんじゃないのか?」

そう思い、足を踏み入れてみると、

バチッ

「うわっ!」

電気のような膜が張り、中に入れなかった。触れた足はダメージを負い、動かしづらくなった。

「これが、この建物のセキュリティ…。戦争世界なんだから当たり前か」

『お前、何やってんだ』

頭上にあるスピーカーから、テュールの声がした。

『ロック解除したから、もう入れるぞ』

今度は、入れた。

建物の中は、黒一色だった。天井に明かりはなく、光は壁の青い光と、床の白い光のみだ。少し薄暗い。

「なんか…、ザ・組織の基地って感じだな」

『最上階に理事長室があるから、そのフロアの奥の方にあるエレベーターに乗って来い』

再び、テュールの声がした。


少し長い距離を歩いたところに、エレベーターは、あった。

「87階は…。ああ、これパソコンのキーボードじゃないけど、組み合わせて打つタイプなのか。初めて見たな。というかこんなの、ここ以外にあるのか?」

まあ、そんなことはいい。


数分後…

『87階です』

「着いたか」

『一番奥に部屋あるから、そこに入ってこい』

一番奥って、かなりの距離あるよな…


「ここか…。長かったぁー。よし…。し、失礼します」

中は、通路と似たような感じだった。違うところは、壁の光が赤いこと、天井に少ないが、明かりがあること、そして、さまざまな情報が、ホログラムとして浮いていることだ。

その部屋には、テュールと、青い髪と髪よりも濃い(あお)の目を持つ25歳位の青年がいた。

「やあ。君がルキア君かい?」

「そうですが…?」

「そうか。僕は、この学園の理事長、アルカディア・アルカスだよ」

「あなたが理事長先生ですか。若いんですね」

「そう見えるかい?僕は40手前のおっさんなんだけどね」

「40!?それはマジでわかいわ」

「アルカ。早くルキアにUSSIを渡せよ」

「ああ、そうだったね。じゃあ、アリス。《遷移者》用のUSSIを持って来て」

『かしこまりましたぁ〜』

何も無いところから、女の子が出てきた。

「うわ!」

『もう、驚かないでくださいよぉ〜』

「き、きみ、何者?」

「彼女の説明は僕がするよ。アリスはUSSI取ってきて。…彼女は、僕の幻想支援者(エージェント)。エージェントは、どのUSSIにも初期設定として内蔵されている機能のひとつのこと。テュール。君のエージェントを出してみて」

「わかった」

テュールの近くに、光の玉が出てきた。

「これもエージェントってやつなんですか?」

「そうだよ。テュールのエージェントはスフィアだったようだね」

「ああ、人型だと扱いが難しいし、俺の割に合わなかったからな」

『持ってきましたぁ〜』

エージェントの話をしていると、アリスの声が理事長室の中に響き渡ってきた。

「ああ、ありがとう。はい。君のUSSIだよ」

「ありがとうございます」

それは黒い体に淡紅色のラインが入った、スマホのようなものだった。

「さあ、それを宙に投げてみて」

「はあ」

投げてみると、

『《遷移者》用USSI起動』

電子音声が宙に放ったそれから流れてきた。

『持ち主を特定。……完了。ルキア・ローエングリン。 USSIを再構築します』

電子音声がそう言うと、宙にあるUSSIが形を変え始めた。

『完了。これから先の操作は、独学、又は人に教えてもらうかしてやっていってください』

そう最後に言って、電子音声は黙った。

「これが僕の…!」

「ああ。君のUSSIだよ」

ルキアの手の上にあったのは、色は変わらないが、腕時計型のものだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ