表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦狂都市ファナティカル  作者: ツァイト・ツァラトゥストラ
1章:異界遷移
2/18

遷移者ルキア

目覚めるとそこは、中世的な街並みに、近未来的な要素がある不思議な街にいた。辺りを見回すと、うしろに、14歳くらいの漆黒の長い髪を持つ女の子がいた。

「君は?」

「人に名前を聞く時は、先に自分から名乗るものじゃないかしら?」

「僕は…? 僕は誰だ?」

やはり、《神の領域》にいた時のように、思い出せない。

「記憶喪失、或いは 《聖門(ゲート)》を飛んできた副作用ね」

《聖門》?なんのことだ?

「よく分かっていないような顔ね。いいわ。教えてあげる」

「ここは、『戦争世界ファナティカル』。この世界には、色々な世界からの人がくるの。大抵、1年に4、5回ね。で、その人達のこと及びその人達に起こった現象の事を《遷移者》または《遷移》と言い、総じて『メタスタシス』と呼ぶの。《遷移者(メタスタシス)》は大体、記憶を喪失してる。だけど、記憶喪失すると同時に強力な能力に目覚めている事が多いわね」

「強力な、能力?」

「そう。前に、任意のものを爆破させるとか、空中の原子を利用して様々な物体を作るとか、そういう能力を見たわね」

「ちょっ、ちょっと待ってくれ。この世界にはそういう類のものがあるのか?」

「どこの異界にもあるでしょ?」

記憶を喪失してるのだから、前の世界にあってもおぼえていないのは当然か…

「その能力を使って私たちは、戦争をしてるの」

「せ、戦争だって!?」

「そう。戦争。」

少女の話によると、別の異界と戦ったり、別の国と戦ったりしているらしい。

「そうだ。名前を言っていなかったね。わたしの名前は『ハマリエル』。この世界で2番目に権力を持つ集団《12宮》の1人よ」

「12宮?」

「12宮とは、私を含めた12人で構成されている能力者集団」

このコ、幼そうに見えて、とても凄い人だったらしい。

「失礼を承知の上だけど、きみ、何歳(いくつ)?」

「17よ」

…見た目より上だった。しかも、僕が確か…16だから、1つ上じゃないか!

「僕より上だったのか」

「あら、年齢に関しての記憶はあるのね」

「大体、だけどね」

「そういえば、あなた、名前をなんとなくでも覚えていないの?」

「いや…、名前以外ならおぼえているものもあるけど、残念な事に名前は抜けてるよ…」

「なら、私が《12宮》の名のもとで付けてあげるわ」

「ありがとう。名前は生きて行く上で重要なものだから、無いのは困るからね」

「そうね。それじゃあ、今からあなたの名前は、『ルキア・ローエングリン』よ」

「ルキア・ローエングリン…」

「何よ、文句ある?」

いや、文句あるっていうか…。女性みたいな名前だな…

「この名前の由来は?」

「ルキアはこの世界の神の1人。ローエングリンは私の苗字」

「苗字…ってことは!?」

「そうよ。私の家に住んでもらうわ」

なんだって!?

「ここで行き倒れていられるのも《12宮》として放っておけないし」

住む場所が無いよりかなり良い条件だな。

「じゃあ、家に向かいましょうか」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ