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プロローグ

「異世界」

それは、誰もが憧れる夢の世界。

そこに転生やら転移することができれば、すさまじい力でその世界のヒーローとなり幸せな生活が送れるという。


「だから、私も行きたいの!!!!」


「お前が行くべきところは学校な。とっとと部屋から出てこい」


妹の部屋の前で俺は言う。

俺の妹は中学二年の始業式の日からずっとこの調子で部屋からずっと出てこない。

引きこもりというやつである。

原因は色々とあると思うがおそらく大きいのは「異世界」だろう。

幼いころからパソコンを持っていた妹はネットで人気の「異世界」というファンタジー物にどっぷりハマってしまったのである。


さっきよりも弱々しく妹は言う。


「行かない。行きたくない...」


まるで何かに怯えるように。


「わかったよ。なら、俺は学校に行ってくるから留守番、頼むな」


「.....うん。」


わかってる。

妹が学校に行かなくなったのは「異世界」にハマってしまったからではない。

中学でいじめを受けたからだ。

その結果として妹は現実から目を背けるために「異世界」に逃げ込んだ。

そうしないと立っていられないから。

妹が引きこもってしまったのは妹のせいでも、「異世界」のせいでもない。

妹に逃げ場所を作ってやれなかった俺自身のせいだ。


妹はいじめを受ける前、よく笑っていた。

中学は楽しくて、友達は大好きと言っていた。

だから、俺はもう一度妹に笑って学校に行ってほしい。

自己満足かもしれにけれど、俺は「異世界」なんかよりも妹を学校に行かせたい!


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