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後編

とりあえず本編完結。

別視点やら後日談やら書けたら書くけど、期待はあまりしない方向で。




 初夜、というものがある。

 けれど私たちの初夜はあっさりと何もなく眠ることになった。ほっとしたような、複雑な心境だった。


 あの人は、私との最初の会話を覚えていた。

 私に子供を産むことを彼は願わなかった。子供はいなくても構わない、欲しくなれば養子を取ればいいとはっきりとおっしゃった。

 離婚の意思はないとも言われた。そうしてやっと私は白い結婚を望まれたのだと理解した。

 

 でも、それで良かったのかもしれない。

 中途半端に温もりに触れて縋ってしまわなくて済むから。


 翌日はのんびりと過ごした。

 本来は婚儀や初夜などの疲れが残っているからという気遣いからだろう。婚儀翌日の新婚夫婦はほとんど誰とも会わずに過ごすものだ。

 朝食は軽いものを寝室まで運ばれていて、昼ごろまでは寝室から出ないのが慣習。きっと本来の夫婦は寝台の上で仲良くしているものなのだろうけれど、私たちはすでにきっちりと身支度を整え、ソファに座って雑談を交えていた。


 この部屋に入ってきてから、彼は指一本私に触れることはなかった。

 




 二日目は約束通り、滝を見に連れて行ってくれることになった。

 馬に二人乗りで行こうかと悩んだが、途中で疲れてしまう可能性もあるので結局馬車にした。


「今日行くところは近場ですし、馬車でもすぐですよ」


 もっと山の上に行けば迫力のある滝があったりもするのだという。ただ、そういう場所は道が悪かったりするので私に体力がついたら考えるとのことだ。

 今日行く場所は比較的穏やかな場所でのんびりと過ごすのに適しているそうだ。


「この時期なら野生の動物もいるかもしれませんね。動物は大丈夫ですか?」


「いえ、あまり……その、近くにいたことがありませんから」


「人になれた馬や犬はともかく、野生の動物は警戒心が強いものが多いので興味がおありでも下手に近づかないようにお願いしますね。人も動物も、知らない人がいきなりやってきたら怖いものです」


「そうなのですね」


 他愛のない話は馬車の中で交わされる。

 寝室での不自然な空気とは打って変わって昼間は私たちは仲の良い穏やかな夫婦だった。


 馬車を降りてからも手を繋いで歩き、時折目が合えば笑い合う。

 連れて行ってもらった滝を見たときは、その美しさにほうっと息を吐いたまま魅入ってしまったものだけれど、彼はそんな私を可笑しそうに見ていて恥ずかしい思いもした。

 それでも不思議なほど彼といる時間は落ち着いていて、幸せだった。

 王都にいたような見目麗しき人でも、姉の夫のような精悍な美丈夫でもなかったけれど。

 今までのどんな人よりも、ウルベルト様に魅入ってしまう自分がいた。


 あぁ、この気持ちはダメだ。

 どうか、どうか。

 その優しい眼差しで私を見ないで。

 その優しく大きな手で私の頭を撫でたりしないで。

 勘違いしてしまう、愛されているのではないかと、期待してしまう。


「ウルベルト様、また連れてきてくださいますか?」


「勿論。エルダーシャが気に入ったのならば、また休みの時になるけど連れてくるよ」


 今日、一緒に出かけているうちにウルベルト様は口調が崩れていたのが嬉しかった。

 側にいられるだけで今は幸せなのだ。この先も、側にいるだけでいい。

 どうか気づかないで。

 この気持ちには蓋をしてしまうから。

 いっそ、突き放してくれればすべてを諦めてしまえるのに。


 その夜も彼は私に触れることはなかった。

 私も彼に手を伸ばさなかった。






 彼等との生活はのんびりとしたものだ。

 時折休みの日に出かけてみたり、義母様とお菓子作りをしてみたり。

 昔失った家族の温もりがここにはあって、私も自然と笑って過ごせるようになっていった。


 あんなにも荒んでいたのが嘘みたいに、少しずつ溶けていった。

 気づけば結婚して二年がたっていた。



 それは些細な言葉だったのだろう。

 たまたま使用人の会話を聞いてしまった。聞いてしまった内容に、自分でも驚く程狼狽してしまった。


 義父も義母も何も言わなかったが、私とウルベルト様の間には何もなく、当然子供を授かるはずもなかった。そのことを使用人たちが話していたのだ。

 最初に子供はいなくても構わないと言われたこともあって気にすることもあまりなかったが、私がこんな遠方に嫁ぐことに意味がない訳もなく。

 

 そしてこの二年の間で私自身穏やかになり、子供が欲しいという感情を持ってしまった。


「あのね、私……子供が欲しいなって思って……」


 ウルベルト様に正直に伝えると、ひどく驚いた顔をされてしまった。

 そんなにおかしい事を言ったつもりはない。しかし、ウルベルト様はしばし挙動不審に陥ったあと「ちょっと時間が欲しい」とだけ言って部屋を出ていった。

 どうしたのだろう。


 しばらくして戻ってきた彼は神妙な顔つきだった。

 子供を望んではいけなかったのだろうか。不安になりつつも、勧められるままにソファーに腰掛ける。


「さっきの話だが」


「はい」


「子供、というのは……その、純粋に子供をお望みということか? それとも、子を産みたい、と?」


 子供を欲しいとは思った。

 それは、ただ純粋に単純に。私と、ウルベルト様の子を。


 だけど、彼の様子は違うように見える。

 

 あぁ、彼は……望んでいないのだ。最初から、私との子など望んでいなかった。

 すとんと腑に落ちる。

 だから驚いたのか。


「……ごめんなさい」


「ん? どうした?」


「なんとなく、子供もいいなっていうだけだったの。そこまで真剣に考えていたわけじゃないの」


「……そうか」


 明らかにほっとした様子に、じくりと胸の奥が痛む。

 穏やかに過ごす中で何度となく経験した胸の痛み。一度も触れることなく触れられることのない、形だけの夫婦。


「親族の息子を養子にという話はあるんだ。一度会ってみるかい?」


「養子……」


 子供を作る気はさらさらないと言われたも同然だった。

 私は少し考える、とだけ何とか言葉にしてこの話を打ち切った。あなたの子を産みたいのだとは言えなかった。



 不意に、姉と姉の夫とが幸せそうに笑い合っていたことを思い出す。

 愛し合っていたあの二人はすぐに子供が出来ていた。やはり姉のことは少し憎い。





 今日は無理を言って一人で散歩に出ることにした。

 実家と違ってここでは外に出るのも自由だ。もっとも、外に出たところで広がるのは田舎の風景ばかりで散歩くらいしか出来ることがないのだけれど。


 屋敷近くならば、一人歩きも慣れたものだ。

 

 部屋に篭ってばかりいれば思考も悪い方へと流れていく。

 少し歩いて気分を変えれば、姉や家族への悪感情もだんだん晴れてきた。


 いっそ、養子を取ってしまおうか。

 たとえ形だけのものだとしても、今はこんなにも穏やかに過ごせている。家族として過ごしていくのなら、子供がいたほうがいいのかもしれない。

 母となれば、いずれこの胸の痛みもなくなり忘れることが出来るかも知れない。


 周りは私に子供を産めとは言わないけれど、きちんと後継がいたほうが皆は安心するだろう。


 そう思って、だけれど、出来るのならばあの人の子供を産みたいと思ってしまう。

 聞いてみようか。

 拒絶されるのは怖いけれど、もしかしたら……私が望めば、答えてくれるかも知れない。

 それで拒絶されたなら、もう諦めてしまおう。その時は、養子をとればいい。




 傍から見れば、ずっとそわそわと落ち着きがなかったのかもしれない。

 ウルベルト様がお帰りになるのを今か今かと待ち構えていたら義母にお茶に誘われてしまった。


「何かあったの?」


「いえ……大したことではないんです。ただ、ウルベルト様にお聞きしたいことがあっただけで……」


「まぁ、どんなことかしら?」


 どのようにお答えしようか。

 眉を下げて困っていると、義母は笑って「夫婦の秘密のおはなしだったかしら?」なんて言う。それにもどうやって答えればいいのか困ってしまうのだけれど。


 そのあと、他愛もない話をしていると心が落ち着いてきた。

 義父とウルベルト様が帰宅なさったのでお迎えし、義母とのお茶会はお開きになる。

 お食事は済んでいるようで、湯浴みをなさったあとにウルベルト様に時間を頂くことにした。


 大丈夫、きちんとお話できるわ。

 もしダメだったとしても、私が嫌われているわけじゃない。家族として、今までどおり過ごせばいい。





「改めて話があるだなんて、珍しいな?」


 夜も更けた時間、お互い同じ寝台に腰掛けた状態だ。

 いつでも寝入ることができる。


「この間のお話ですけれど……子供の」


「あぁ」


 反応が怖くて顔が見れない。

 緊張で声が震えそうだ。大丈夫大丈夫、私たちは夫婦だもの。別に、おかしな事を言うわけじゃない。


「養子もいいと思います。でも……私は、出来るならウルベルト様の子供を産みたいです」

 

「っ……」


 息を呑むような音が聞こえる。

 私はやはり怖くて顔を見ることができなかった。


 しばらく沈黙が続く。


 じりじりとした時間、息が詰まりそうで体が震えそうで。


「…………どうして?」


 やがて落とされた音は、静かな問だった。


 どうしてって言った?


 質問の意味がわからずに思わず顔を上げてしまう。

 わずかに寄せられた眉間のしわ、引き結ばれた口。わずかに揺らめいているような瞳。

 困惑、疑惑、失望、期待。

 いろんな色で揺れるように見える、瞳。


「あの……?」


「妻としての義務か? 子を産みたいという願望か、それとも…………いや。なぜ急に?」


「それは……漠然と、子供が欲しいと思ったとしか。それで、それなら、やっぱりウルベルト様の子供がいいって思って」


「…………」


「あ……えと、ウルベルト様が嫌なのでしたら、養子、でも」


 やっぱりダメなのだろうか。

 子供が嫌いなふうには見えなかったけれど。


「エルダーシャが本当に欲しいのは、俺の子ではなくラゼネオットの子なのではないのか」


 突然に聞かされた懐かしい名に、はっとする。


「俺はあいつの身代わりをするつもりはない」


 まるで不貞腐れたような言い方は珍しい。

 だが、今の言葉はどういう意味だろうか。ラゼネオットは姉の婚約者、いや、今は姉の夫の名前である。つまり、私の義兄に当たる人だ。

 なぜ今になってその名前がウルベルト様から出てきたのか。


 困惑している私に気づかぬ様子で「もう寝る」などと言い出し、布団の中へと入っていく。


「え、あ……あの、待っ……今のは、どういう意味ですか?」


 慌てて掛布団を引き剥がすと、ウルベルト様は顔をしかめて布団を取り返そうと腕を伸ばす。

 これを取られれば話が中断すると思って思い切り手繰り寄せて抱きしめた。


「…………」


 しかし、彼は諦めたようにため息をつくとそのまま背を向けて寝転ぶ。

 あぁ、もう。田舎暮らしのせいか砦勤めのせいかはわからないが、彼は案外どこででも寝れる人だった。


「ウルベルト様っ! まだお話の途中です!!」


「俺はエルダーシャを抱かない。子供を産みたいなら……他をあたってくれ」


「な…………」


 はくはく、と口は開くが言葉が出ない。

 抱きしめた布団がずるりと落ちる。拒絶、これ以上ないほどの拒絶の言葉。


 くらり、と意識が遠のきそうな、あぁ、ここはベッドの上だからこのまま倒れても問題なかったかしら、などとぼんやり思う。

 身動きもできず、呆然としていると突如がばりとウルベルト様が起き上がって私の肩を掴んだ。


「…………やっぱり今のはなしにしてくれ」


「……は……?」


「あぁ、いや。子供を産みたいなら、そう、ちょっと待ってくれ。他にはあたるな。それはダメだ。うん、いけない」


 浮気は具合が悪い、と?


「どうしても、どうしてもと言うなら、何とかするから」


「…………無理なら無理で強要は致しませんわ」


 そんなに嫌がらなくとも良いのではないでしょうか。

 私は何ですか、人外の化物ですか。そんなに頑張らないと子作りもできませんか。じわりと涙がこみ上げてくるが、ぐっと堪える。


「無理というわけではなく……一度、その……してしまうと歯止めが効かなくなりそうだというか」


「なら、協力してくださると?」


 じっと見つめれば、同じようにじっと見返してくる。


「ぐ……」


 言葉に詰まる彼。私を抱きたくない、けれど自分以外の子供を産ませるわけにはいかない、ということだろう。

 ならばやはり養子を取るという選択肢しか残されていない。


 けれど。


 はぁっとため息をついて、彼が自身の髪をかきあげる。


「……協力、する。ただ、頼みがある」


「頼み?」


「俺だけを呼んでくれ」


「ウルベルト、様?」


 どういう意味か分からず、そのまま彼の名前を呼ぶ。

 するとへにゃりとした少しばかり情けない微笑みを見せる。


 体躯に見合わず非常に可愛い笑みだなぁ。


 ぼんやり眺めていると、そのままその顔が近づいてきた。

 驚いて目を見開いて固まっていたら、そのまま口づけられてしまう。


 もしかして、今から協力してくれようというのだろうか。

 たった、今から……?


「ウルベルト様?」


「うん。ここに居るのは、ウルベルト・ダルマージだ。子供の父親も、君の夫も。それでも?」


「? 私は、他の誰かではない、私の夫のウルベルト様の子供が欲しいのです」


 答えると何故か目を見開いて驚かれてしまった。

 どういうことだろう。

 しかし、問いは言葉になることはなかった。再び、口づけが落ちてくる。


 そのまま、止める間もないままベッドに押し倒されてしまった。

 いきなりの暴走に怒るべきかと思いはしたものの、耳元で囁かれた言葉に身を震わせ、言葉を失った。


「エルダーシャ…………愛してる」


 そのまま深く深く口づけられて、冷静な言葉を返せる余裕は終ぞ訪れることなく激しい快楽の海に意識が沈むことになった。

 困惑のまま、だが確かに感じる温もりは暖かく優しく、ずっと欲しかったものだった。

 






 優しく髪を梳かれて、額にキスが落ちる気配で目を覚ました。

 まだ寝ぼけたままではあるが、目の前にいるのは間違えようもなく夫のウルベルト様だ。


「うる、べると、さま?」


 声が掠れて随分と舌足らずな発音になってしまった。

 それでも気づいたウルベルト様は、少しだけ顔をはなしてまたあのへにゃんとした微笑みで返事をする。


「あぁ、おはよう。大丈夫か?」


「ん……少し、だるい……かも、です」


「すまない、な。つい調子に乗った。今日はゆっくり過ごすといい」


「ん」


 なんだか体が重い。けど、それよりも。

 ぎゅっと抱きしめられていることが嬉しい。安心する。気持ちいい。

 そのまままた夢の中へと落ちていった。





 次に目を覚ました時には、もうウルベルト様の姿はなかった。

 どうやらすでに出勤したようで、私は少し体調が悪いと言って昼まで寝室で横になり、午後からも自室でのんびりと過ごした。


 昨日の出来事が夢のようで夢ではなくて。

 でも、どのように解釈すればよいのか困ってもいた。

 単純に子作りに協力してくれたのか、それとも睦言を真に受けていいものか。ウルベルト様は優しいから、とても判断に困る。

 期待してもいいのか、もしそれで期待を裏切られたらどうすればいいのか。

 優しい夢を見続けたいような、真相を暴きたいような。


 ウルベルト様、早く会いたいな。




 ウルベルト様の帰宅の報を聞き、何を考えるまでもなく体は動いた。

 今日は一日体調が優れずに自室で休んでいたのにあっという間に玄関へと走っていった私に使用人は唖然として見送り……はっと気づいて慌てて追いかけてきた。


「ウルベルト様!」


 玄関で外套を執事に渡しているところだったウルベルト様に声をかける。

 今日は義父と一緒ではないようだ。


「あぁ、エルダーシャ。ただいま」


「おかえりなさい!!」


 驚いたようだったが、すぐに微笑みながら私がたどり着くのを待ってくれた。

 私は我慢できずに走った勢いを殺さずにそのまま抱きつく。勢いがあったはずなのに危なげなく受け止めてくれる。


「え、エルダーシャ?」


 今までにない出迎えかたに戸惑っているようだったけれど、抱きついた私を引き離したりせず優しく抱きしめ返してくれる。

 あぁ、これだ。この温もりは不安を吹き飛ばしてくれる。


「ふふ」


「随分ご機嫌だな。いいことがあった?」


「んー、そうね。こうやってウルベルト様がぎゅってしてくれるのはいいことよ」


「っ!?」


「ふふふ」


 ウルベルト様の腕の中は幸せだ。

 だから、どちらでもいい。出来れば愛してほしいけど、例えそうじゃなくともこうやって大事にしてくれるならそれでいい。


 その後、出迎えにこられた義母にからかわれたウルベルト様が非常に居心地悪そうにしていらっしゃったけれど、怒ってはいなかった。ウルベルト様を存分にからかい倒した義母の方は非常に上機嫌でいらっしゃったけれど。


 お部屋に戻ってから気になっていた事を尋ねると、珍しく顔を真っ赤にされて、でもやっぱりあのへにゃんとした困ったような笑顔を見せてくださった。

 そうして教えてくれたのだ。


 どのような言葉で教えてくれたかは私とウルベルト様だけの秘密。

 






 



 お姉様へ


 先日はお手紙ありがとうございます。沢山の心配とご迷惑をおかけした事、本当にごめんなさい。

 今の私は、あの頃に比べれば少しは成長していると思います。

 まだまだ沢山の人に助けられてですけれど、もうすぐ母になります。夫は私をとても大事に大切に愛してくれています。義父も義母も大事な家族として愛してくださってます。

 ここに来て良かったと、今は幸せに暮らしてます。


 子供が生まれて落ち着いたら、一度そちらに伺うつもりでいます。


 そう言えば、つい最近まで夫は王都の噂がどのように伝わったのか、私がお義兄様を愛しているのだと思い込んでいたようです。

 誤解は解けましたけど、なんだかまだ嫉妬しているみたいなので気をつけてくださいね。夫はとても体が大きくて威圧感ばっちりですから。

 なんて、冗談です。とても体が大きいけどとても優しい人ですよ。

 昔お姉様がくださったクマのぬいぐるみに似ています。

 

 正直、手紙に何を書いていいのかわかりません。

 拙い文章でごめんなさい。沢山書きたいことはあったんですけれど、うまく書ける気がしませんので今回はこれで失礼します。


 エルダーシャ・ダルマージ





 補足話


 最後の手紙部分について。

 手紙の書き出しに、拝啓や親愛なるなどを入れていないのはわざとです。エルダーシャちゃんはおバカ設定なので。

 ちなみに、姉の手紙が来ての返事という形式ですが、これについては実はウルベルトやダルマージ家からちゃんと懐妊の連絡を入れてました。

 嫁だけもらっといてあと知らんふりなんて常識知らずではありません。あと、嫁にもらう前にも、付き人も護衛もなしに単身嫁に来るとか、離婚しても実家に戻らないとかどう考えてもおかしい状況にもちゃんと調査が入ってます。

 エルダーシャの近況が分かっているからこそ姉は手紙を送っています。姉は常識人なのです。


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