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morinonakanohanasi-きつねめんのオトコ

誰も通らない道には、言われがある

内のばあちゃんの言葉だ

内のばあちゃんは迷信深く

何かする度に

そんなことをすると呪われるだ、なんだと言っていた

それはそんなばあちゃんがやっちゃいけないと言っていた

話の一つです


私はその日

友達の家からの帰り道

真っ直ぐ家には帰らず

普段通らないような道を歩いていた

そこはトンネルを挟んで、山に向かう道で

どうしたことか

その日は無性にそこに行ってみたくなった

そう言えばここを行く人を見たことがない

まるで時間から見捨てられたように

どれだけ大人数がこのトンネルに面した道を歩いていても

誰もはいることなく通り過ぎた

私は、友達の家に持って行った虫編みと虫かごを手に

その小さなトンネルを抜けて

すぐに、山になる道を歩いて登った

道は誰かとおっているのか

僅かに地面が道の形をしているが

どこもコンクリートは使われておらず

そしてそれがどこに続いているのかも分からなかった

しかし、私はその行き先も気になったが

どうももう一つ気になることがあったのだ

それはクヌギの木が増え始めていた

もう登り始めて10分ほど経っている

しかし、ふと汗を拭いながらあたりを見ると

10本に一本の割合で

辺りはクヌギが生えていた

もしかしたらもっと奥に行けば

クヌギの群生地があるかも知れない

見たところあまり人はこなさそうだ

そうなると

オオクワガタやカブトムシの集まるクヌギを独り占めできる可能性がある

私はそう思うと

いよいよその細い道を歩いた

辺りは植林とは違い

その何年も変わらないような木は

輪郭を開け

そのくらい地面には

お行儀良く

同じような種類のせの低い植物が群生している

一見辺りを見渡せば

その木と植物が

まるで万華鏡を覗いたように

同じ感覚で植えてあるように居るその光景は

少し不思議でもあったが

それよりも

しっかり帰れるだろうか

そんな思いが胸をよぎる

私はその不安に押しつぶされそうになり

おそるおそる後ろを振り向こうとした

もし消えていたら

私はどうしようもなく怖くなる

でも、しっかり、私の前に道が

そこまで来ておかしな事に気が付いた

目の前に道などない

あの細い

誰か一人が通っただけのような狭くて

それでも草一本はえていなかった

踏み固められた道が

皆同じように生えている

草に埋もれて

私の足下まで草に覆われていた

あれ、道をそれちゃったのか

私は急いで後ろを振り返った

そこには

私は一瞬思考が止まった

なぜかそこには、学校があった

それは私の通う学校で

その学校の横に設備されているプール越しに私は学校を見ている

「どう言うこと」

私はそんなことを思ったとき

ふときが付くと私はまた道を進んでいた

そこは先ほどないと思った道であり

そのあるいて行くであろう先にもしっかりともりの奥まで道がある

しかし

私はその道を引き返した

それはその夜

おばあちゃんにその話をしたとき

「それはきっと、神さんの道だったんだ、わしはその道をここに何十年と暮らしているが知らん・・確か、トンネルをくぐっていったんだったな」

「うん、でも、いつも私は見てたよ、きっとおばあちゃんが知らないだけだよ」

「いや、そこに道はない、それはきっとおまえが山に呼ばれたんだろう」

「山に・・・でも何で学校なんて」

「さあな、人間には分からんこともあるだろう

もしかしたら、お前がうつらうつら山を寝ぼけて登っていたからかも知れない

お前は、学校で、プールの練習をさぼるだろう

そのかわり虫を探して誰かに自慢しようとしている

きっと、それに怒ったんだろうよ」

「・ふーん・・でも、道はあったよ」

「本当かい」

おばあちゃんがそう言って私の顔をのぞき込んだとき私はふと違和感を覚えた

私はいつもばあちゃんのことを

ばあちゃんと言っている

おばあちゃんなんて呼んだことはない

・・私の言い間違えか

私はもう一度おばあちゃんの顔を見ようとしたとき

何かがいきなり私の顔にぶつかってきた

それはひどく堅く

私が見上げると

それは獣の顔だった

その顔に見覚えがある

「キツネ」

神社とかにいるあのキツネだ

でもなら私は今何をしてどうなっているの

私はそのキツネからはなれて

辺りを見渡して急に怖くなった

本当はキツネを見たときから何か変な感じはしていた

しかし

その辺りを見渡したとき

そこが真っ暗闇の森だと徐々になれる闇の中で気が付いたとき

私はどうしようもなく愕然とするしかない

しかしそのとき私の脳裏に

森で迷ったとき

むやみに動いてはいけない

そんな言葉が頭をちらついた

「どうしよう」

そんなときだった

「おーーーい」

そんな声聞こえた

私は、始めそれが幽霊やそれらの何かかと思ったが

しかし

森の下の方で、確かに明かりが見えた

その揺らめくや実の中で光る明かりは

逆に辺りをよけい暗くしているようではあるが

しかし

その声は確実に私に近づいている

「おーーーーい」

私は精一杯大声を上げた

すると下の方の声がそれに気が付いたらしく

さらに声を上げたのだった

そんなとき私の耳元でおばあちゃんの声が聞こえた気がした

誰もとおらない道は神様の道

人間が通ることの出来ない道

しかし

もし、これが神様の道だとすれば

下から聞こえてくる大人の人は通れないはずだ

私は浮かれていた

果たして

そんなとき私は見ることになる

その明かりを持っている男が・・・・・キツネ面をかぶっていることを

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