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黒い炎  作者: 陸奥守
第十二章 未来への布石
422/424

適性別任務分け


 月面の西半球。


 常に地球へ同じ面を向ける月の中で黒く沈んだアルベドの地域がある。

 一滴の水も無いのだが、それでもここは月の海と呼ばれる安定地形エリアだ。


 その中でも嵐の太洋と呼ばれるエリアは南北およそ2500キロにも及ぶ。

 他の海と同じように、マグマの洪水が冷えて凝固した玄武岩を主とする大地だ。

 周辺には多くの湾や海があり、月面にも荒れた時代があったと教えてくれる。


 そんな嵐の太洋の南西部。

 マリウスと呼ばれる丘の近くで地上戦を訓練している一団がいた。


『おらっ! モタモタすんな! レーザーは実弾よりはえーぞ!』


 ヴァルターは近接無線で怒鳴りながら新兵を訓練している。

 とにかく広大なエリア故に、少々のやんちゃも問題なく出来る演習場。

 ただ、そこを走る新兵はまっさら新品のフィッシュではないのだが……


『立て! 進路転換! 後方へ!』


 同じように怒鳴り声をあげているディージョは不意に遠くを見た。

 遠く彼方にシェルが飛び回ってるのが見えて、ニヤリと笑った。

 同じように搾り上げしごき上げられている者が居るのだ。



      ――――将来的には生身もシェルに乗る事になるだろう



 エディはそんな風にシェルの未来を予測していた。

 その関係で神経接続出来るサイボーグのパイロットは最適なサンプルだ。


 シェルに搭載されるバトルコンピューターのAIに経験を積ませる事。

 こんな時はこう動く。パイロットの意思をAIが正確に読み取れるのが目標。

 その関係で、501大隊の新人たちはベテランからしごかれ続けていた。


『立て! 東へ転進! 20メートル進め! 距離を見誤るな!』


 ヴァルターにしごかれているのは、月面にやって来た各国の海兵隊員たちだ。

 彼等は海兵隊に新設される新しい兵科の募集に応募した第1期の候補生。

 宇宙から強度紛争地域へ直接降下し、大暴れして撤収する殴り込み部隊だ。


 21世紀のビデオゲームからODSTと非公式に仮称される組織。

 軌道降下強襲歩兵という23世紀最強の特殊兵科が誕生しようとしていた。


『宇宙では距離感が狂う! 必ずGPSを確認しろ!』


 ヴァルターが言う通り、彼等のヘルメットには戦闘地域情報が出ている。

 宇宙空間で生身が戦闘するには絶対に必要な機能だ。


 彼ら候補生は地球全土から募集され幾多の試練を経て最終選考にある。

 真空という地獄の極限環境と隣り合わせにいて自分の身を護れるか。

 実際に宇宙で暮らせるだけの知的な部分や危険予知能力はあるか。


 それだけじゃない。


 宇宙空間に常駐し、潜水艦と同じ密閉環境に適応できるか。

 ストレスにさらされる環境下で常に自己抑制し続けられるか。

 その辺りの資質を見極める意味もあるのだ。


『そこっ! 228番! 飛び出し過ぎだ! 死にてぇのか!』


 ディージョの怒声が響き、訓練中の兵士がビクッと震えた。

 彼等は地球のどこへでも8時間以内に展開する即応部隊となる。


 常に宇宙に暮らし、緊急出動で一気に降下して任務を果たす。

 その為に人員を募集し、厳しい訓練でふるい落とし、資質ある者だけを選ぶ。


 嵐の太洋はその訓練にうってつけだった。


『匍匐で前進しろ! 地球と違って重力が弱い。簡単に浮き上がるから注意しろ』


 ヴァルターの指示に従い、候補生たちは重量級装備のまま匍匐前進を始める。

 近隣にあるマリウスの丘からやって来た候補生たちはIADの真っ最中だ。


 即時行動訓練と呼ばれる指揮官の指示に即応する為の訓練。


 この大洋なら遠慮無く実弾を使える演習場で、レーザー兵器も使用可能。

 だからこそ、初めて宇宙に出た新人たちの訓練には最適だった。


『そのまま50メートル前進! 前方の移動艇に入ってから立ち上がれ!』


 ヴァルターは腰をかがめ地表50センチ足らずの所にレーザー発振器を置いた。

 低重力環境で低く移動するには体力以上に気遣いが必要だ。


 低く正確に動きつつ、機材を護り自分の安全を確保する。

 大気圏外で戦闘に及ぶことは考えにくいが、月面に居る以上は訓練を施す。


 これによって宇宙空間戦闘の勘を養うのだ。



 『ディージョ、ヴァルター。そっちはそうだ』



 ラジオの中にエディの声が聞こえ、『順調です』とディージョが答えた。


『間もなく午前中の部が終わるのでチャウタイムです』


 ディージョに続きヴァルターがそう言うと『ご苦労』と返答があった。

 そして、『午後になったら私の部屋に来い』と指示が出るのだった。











 ――――――――月面 キャンプアームストロング基地

         西暦2281年 9月4日

         月面基準時間 1230











 暫定停戦協定の発効から早くも4年の月日が流れた。

 地球側とシリウス軍代表部の間で交わされたそれは、割と厳しい内容だった。

 そして、双方共に戦争疲れが見える中、なし崩し的に停戦が延長されていた。


 なし崩しに至った最大の理由は政治的な暗闘だ。

 地球連邦政府は名ばかりで、西側諸国の思惑は一枚岩とは言い難い。

 あくまでシリウス利権を握りたい、金にしたい面々の鼻息は荒くあるのだ。


 また、反欧米思想を主導する中国派諸国はそれ以上にバラバラだ。

 最初から呉越同舟で同床異夢だった面々なのだから是々非々のスタンスが強い。

 こちらもこちらで、利あらば賛ありの薄っぺらさを隠そうともしない。


 そんな状況下、国連軍本部はひとつの発表を行った。

 地球上に於けるシリウス軍の占領地が消滅したと、公式に発言したのだった。


「お呼びですか?」


 訓練中のODST候補達が休憩を取る中、ディージョ達はエディの所へと来た。

 宇宙戦用の密閉型装甲服を身にまとったままで……だ。

 室内にはエディの他にルーシーがいて、何かしらの相談中だったらしい。


「あぁ、忙しいところを済まないな。実は…… まぁ、まずはこれを見てくれ」


 エディが目配せするとルーシーが数枚のレターを見せた。

 発行主はアメリカのNSAで、内容はレプリ狩りの助力を求めていた。


「こりゃ……穏やかじゃないですね」


 ヴァルターが小さく息を吐きながら言ったそれは、レターの中身だ。

 アパラチア山脈北東部の山中にテロ屋の大規模拠点がある。

 最初の一枚にはそれが解りやすく書かれていた。


「全くだな。尻ぬぐいって訳でも無さそうだし」


 ディージョは小さく溜息を吐きつつそう言った。

 米国は合衆国陸軍と州兵を動員し掃討を図ったが返討にされたとの事だ。


 テロリスト側はシリウス軍残置兵器で武装していて手に負えないとの事。

 国連地上軍を入れたくないアメリカの都合が見え隠れしていた。


「あぁ、その通りだ。ジャンが苦労しているらしい」


 クククと籠もった笑いを零し、エディが苦笑する。

 地上でレプリ狩りに参加しているのはジャンとトニー。そして新入りのロイ。


 彼等はサイボーグ向けのブレードランナー装備を与えられ、地上で活動中だ。


「また……火星辺りからですかね?」


 ディージョがそう言うと、エディは黙って首肯した。

 開発途上の火星や金星は産業を根付かせるべく、様々な企業が進出している。

 その中にはレプリカント生産の最大手企業であるタイレル社も含まれてた。


 惑星改造は人類レベルの事業だが、惑星を改造した所で終わりではない。

 そこに人が暮らすなら産業が必要で、要するに仕事が必要だからだ。

 タイレルはそこに手を上げ、莫大な補助金を得て工場を建設中だった。


 完成後には年間10万体が生産されるであろう巨大工場。

 問題はその立地である火星がまだまだシリウス側の影響下にある事だ。


 そもそもシリウスからの帰還民は地球ではなく火星に降り立っている。

 そして、大量のレプリと共にテラフォーミング事業に就いていた。


 その関係でシリウスからの工作員が潜入するには色々と都合が良いのだ。


「今回の任務は簡単だ。お前達ふたりを含め20名程度を地球に送り込む。訓練中のODST候補生も二大隊ほど同行させよう。我々海兵隊の殴り込み部隊を実験的に編成し、実戦へテスト投入してみる」


 エディの方針に対しヴァルターが『誰が行きますか?』と問うた。

 そもそもディージョとヴァルターを呼び出した理由が思い浮かばなかった。


 エディの思惑はもっと別の所にある。そしてそれはただの実験では無い。

 何かしら未来へ向けた投資であり、もっと言えば種を蒔いているはず。


 と、なれば……



 ――――エディの本音を聞いておきたい



 そんな思考的結論に至るのは当然だった。


「テッドとロニーがシェルのテストを繰り返している。オーリスとステンマルクもだ。次の機体開発に向けてメーカー側も色々と基礎データを求めてきているが、それ以前に開発したい機能が余りに多い」


 エディは何一つ隠す事無く本音を漏らし始めた。

 行間をこちらで補完しながらのものだが、言いたい事は解る。


 まず、シェルの事に関して言えば、テッドの技量はエディを凌ぐときがある。

 その関係でシェルのバトコンに搭載するAIの研究には最適だった。


 また、ステンマルクやオーリスは元エンジニアなのでこの任務には適任。

 そしてロニーは勘や洞察力が非常に優れていて、もはやそれは天性のものだ。


 つまり、501大隊の古株メンバーではシェル適性的に漏れたという事だ。


「じゃぁ……」


 少しだけ声音が硬くなったディージョ。

 能力的な優劣で負けたという部分が自尊心を酷く傷つけている。

 だが、そんなディージョとは対照的にヴァルターは普段通りの声音だった。


「俺たちは地上戦向きって事だな」


 ニヤッと笑ったヴァルターはディージョの背中をポンと叩いて言った。

 その姿を見た時、ディージョは『……あぁ』と何かに気が付いた。


「ミシュリーヌやレオは俺たちの側に近い。それに、いつも全員一緒じゃなんかあった時に大隊が全滅して後々エディが困る」


 ヴァルターの言にディージョも苦笑いだ。

 現実問題として、大隊の一体運用もそろそろ終了するべき頃合いだった。


「その通りだ。そして、いつまでも私が陣頭指揮では居られない」


 エディがそう切り出した時、ディージョとヴァルターは顔を見合わせた。

 陣頭指揮に出られないという部分の理由は、もう一つしか無い。


「いよいよエディも大佐ですね」

「司令官交代に伴う昇進ですね!」


 前回の昇進から早くも5年が経過しており、事実上の停戦が続いている。

 その間の様々なゴタゴタと引き受けてきた501大隊は論功行賞の中心だ。


 ただ、その裏に見え隠れするのは国連軍の中にある派閥争い。

 その存在が鬱陶しい向きにしてみれば、どうにか閉じ込めたいのだ。

 だからこそ手腕著しいエディをとっとと昇進させてしまおう。


 そんな意図が見え隠れしていた。


「まぁ、そういう事だ。そして、昇進するのは私だけじゃない」


 エディはニマッと笑ってふたりを指さした。


「お前たちは全員キャプテン(大尉)に昇進してもらう。一団を率いる指揮官として戦闘だけじゃなく大隊の運営にタッチさせる。いつまでも小僧扱いでは困るし結果を出してもらわねば首が危ないという事だ」


 笑みを浮かべつつそう言うエディ。

 だが、その裏にある意図をディージョは察した。


「……つまり、適性毎に任務をって事ですか?」


 最大限オブラートに包んだが、その本音はエディもヴァルターも解っている。

 テッドやロニーはスタンドプレーが得意だ。リーダーではなくプレイヤー向き。


 逆に言えば、ディージョやヴァルターは指揮官としての適性に優れている。

 手順を組み立てて手下に指示を出し、その結果を案じて更に動き続ける。


「そう言う事だな」


 僅かに首肯しつつエディがそう言うと、ディージョの表情が緩んだ。

 優劣論で傷付いた自尊心が癒され補強された様なものだからだ。


 そして……


「エディ。これでどうだろう」


 そんな言葉と共にアリョーシャが室内へと入って来た。

 ブルも同行していて、分厚いファイルを持っていた。


「色々考えたんだが、この線が有効だと結論付けた」


 ディージョとヴァルターをチラリと見てからブルはそう言った。

 エディのデスクへ広げられた作戦立案書は驚きの一言だった。


「見て良いですか?」


 恐る恐るにそう言ったディージョ。

 ヴァルターも眼で訴えていた。


「あぁ、良いぞ。むしろ意見をしてみろ」


 エディは穏やかな表情でそう言った。

 成長を促す思考や思慮を深めるトレーニング。


 ただ、その本文をズンズンと読んでいくふたりは顔色を変え始めた。

 想像や想定をはるかに超える内容がそこにあり、慮外も慮外の状態だった。


「エディ……これ……」

「ふたつですか??」


 ヴァルターとディージョが続けざまに言ったそれは、強襲降下の流れだった。

 ニューヨーク降下作戦以来、501大隊が得意とする空挺強襲の作戦。

 問題はその降下先が2箇所あるという事だ。


「そうだが? 何か変か?」


 エディは表情を変えずに言った。

 指揮官役として独り立ちしろ……と言う指令の中身をふたりは初めて理解した。


 アパラチア山脈の山間部にある拠点へと続く街道を抑える。

 作戦の戦術的要旨はそれだ。そして、その降下の意味が問題だった。


「ここ、ここがシリウス側テロ組織の拠点だ。ユーハムと言う小さな街だが、昔から山越えの中継点として機能しているようで色々と設備が整っている。そこへ至る街道は3本あるが、そのどれも狭隘地点で向こうが防御陣地を作っている」


 アリョーシャは流れる様に滔々と作戦説明を始めた。

 要するにシリウス側防衛戦の裏側へ降りて大暴れしろと言う事だ。


 それにより防御線の戦闘力を一時的に弱体化させ、地上軍に突破させる。

 これで各方面へ貸しを作れるうえに、今後の大隊がどう動くかを確定させる。


「とにかく大暴れしろって事ですね?」


 ヴァルターの言葉にブルがニヤリと笑って言った。


「そうだ。シリウスの火力線を裏に向けさせるのが目的だ。地上軍は数万で前進するだろうから、ほんの一時で良いのだ。ODST候補生を率いて行って、3本ある街道の2本を潰す。中心部に陣取るテロ屋本体は残り一本の街道に集中する。そこを叩けば終りって寸法だ」


 一気呵成にそう説明したブルだが、その中身はディージョもすぐ理解した。

 ODSTの編成にあたって各方面から海兵隊増強反対の声が出ていた。

 それを解決する為のデモンストレーションでもあるのだ。


 地上軍が手をこまねいている難戦地帯へ飛び込んで行き大暴れする。

 それによりODSTの存在価値を認めさせ、同時に海兵隊の拡大につなげる。


 国連軍構成国家の承認を必要としない緊急機動軍を増強する大義名分だ。


「今回は……任務重大ですね」


 ディージョはぼそりと呟くように言った。

 そもそもエアカバーすらされていない古式ゆかしい地上戦をやっている。

 逆に言うと、航空支援や空爆などの手段を使わない理由が思い浮かばない。


 およそアメリカ地上軍と言えば、どんな敵にも過剰戦力を投入するのが常。

 いくら何でもやり過ぎだろ?ってレベルの戦力を投入するのだ。


「解るか?」


 何らかの異常をディージョは見抜いた。

 エディはそう判断し、黙って推移を見守った。


「これ、なんでエアカバーしないんだ?」


 隣のヴァルターを見つつディージョはそう言った。

 それに対しヴァルターは間髪入れずに返答した。


「空爆すると余計な被害が出るからじゃないのか。人質になってる地域の住人とかどっかの議員さんとか。それか、何かしら宗教上の重要拠点か」


 ヴァルターは深く考える前にそんな風な可能性をあげた。

 冷静に考えれば何かしらの思惑が無ければこんな事はしない。

 戦闘ヘリでも持って行って盛大に対地攻撃を繰り返して終わりだろう。


 それをしない理由と言えば、それはもう普通に考えれば人質位なものだ。

 だが……


「惜しいな」

「良い線だが問題はもっと複雑だ」


 ブルとアリョーシャがそう発し、エディはニヤリと笑った。

 そして、ふたりが持って来た書類の内、割と下の方にあったモノを取り出した。


「では、今回の核心を話そう。痺れるぞ?」


 エディが見せたその書類は、ディージョやヴァルターを絶句させる代物だ。

 地球上で暴れるレプリの工作員をまとめて刈り取って根絶やしにしよう。

 そんな目論見のハーヴェスター計画発動から丸7年。

 地球の地上に居るシリウス派の工作員はすっかり合法組織になっていた。


 思想団体や宗教団体。環境活動組織。そして、民間医療組織。

 NPOやNGOと言った組織に模様替えし、各国政府を盛んに攻撃している。

 陰謀を巡らし、耳に心地よい理想論を並べて盛んに喧伝しているのだ。


 それに伴い、表面的な事でしかモノを見られない愚か者が扇動されている。

 闘争より共存を。多様性と言う概念により思想の激突を回避せよと叫んでいる。

 簡単ながら効果の高い闘争手段に地球各国が手をこまねいているのだ。


「つまり、そいつらの宣伝材料になる様な事は出来ないって事ですか?」


 不思議そうな顔をしてヴァルターがそう言う。

 溜息を一つこぼしたディージョもまた呆れたように続けて言った。


「向こうに大義名分を与えるなって事ですね?」


 ふたりの言に首肯を返したエディは静かに言った。


「そう言う事だ。できる限り穏便に済ませたい。故に任務は簡単だ。一番ヤバそうな所に飛び込み、徹底的に大暴れしてシリウス側が怯んだ際に大軍を投入して包囲する。大量の戦闘員は捕虜にし、脱出を図る首脳部は拿捕する。シリウス側工作員が一枚噛んでると言う証拠を掴むんだ。解りやすいだろ?」


 にっこりと笑いながらそう言うエディ。

 だが、その内容はあまりにもハードだ。


「サイボーグを投入しようという意志の根幹部分だ」

「俺達の未来が掛かってる。しっかりやってくれ」


 アリョーシャとブルが順繰りにそう言い、ディージョとヴァルターは首肯した。

 無茶振りなんてもんじゃ済まないと痛感する鉄火の試練はすぐそこだった。


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