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黒い炎  作者: 陸奥守
第十一章 遠き故郷へ手を伸ばす為に
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海兵隊のこれから


     ――――おぉ……



 その姿を見た時、中隊全員が感嘆の声を上げていた。

 日本製の高性能機体を受領したエディが室内に入ってきたからだ。


 アメリカ合衆国。カリフォルニア州ロサンゼルス。ロングビーチ。

 国連軍海兵隊が拠点を置く街の中に501中隊の仮本部が設置されていた。


「どうだ? 良いだろう?」


 まるでお気に入りの新しい玩具をひけらかす子供だ。

 エディは軽やかなステップを見せて華麗にターンを決めた。


 滑らかでぎこちなさが微塵も無い姿。

 スタッフォード製の新型機体に入っているテッドすらそう思う姿。


 日本という国家の複数企業が共同事業体となっていちから製作された新型だ。


「動きが全然違うな」


 感心した様にそう漏らすブルは、何処か悔しそうにそんな言葉を吐いた。

 同じ様にアリョーシャもまた感嘆の表情でじっくりとその姿を見ている。


「自然さと言う意味じゃ過去最高だな」


 サイボーグっぽさとでも言うのだろうか。

 今までの機体には何処か機械臭さがあったのだ。

 俗に言う『不気味の谷』のこちら側なのだろう。


 ひとつひとつの動きが硬いと評されるもの。

 複数の関節を同時制御するくらいのことは今までだって余裕だった。

 だが、一歩下がってみた時には、明らかに『何か違う』と感じさせてしまう。



 ――――あの人

 ――――義体だね



 戦闘用サイボーグ登場前夜の頃から、機械臭さは話題になっていた。

 人種や宗教と言ったモノを飛び越える人類共通の感覚。


 不気味の谷


 玩具の人形からリアルさを積み上げていく時、必ず何処かでそれが起きる。

 ひとつひとつリアルになっていっても、何処かで『うわぁ』と感じてしまう。

 何人であっても、性別が異なっても、国や惑星が異なっても……だ。



 ――――アフリカを旅立った遠い日の人類はいったい何を見たんだ?



 そんな話が漏れ出てきてしまう困った現象。

 サイボーグの当事者達は、文字通りその不気味の谷を越えられていなかった。


 だからこそ、当事者の口からは『自然さ』という表現が頻出する。

 間違っても不気味の谷なんて言葉は使いたくないのだ。

 自分が自分を観測してる限り、自分は人間であるのだから。


「まだ1ヶ月ほどだからな。引き続き様子を見よう」


 エディは柄にも無く上機嫌だ。それは見ている側の誰もが思っていた。

 ただ、そんな空気が一変したのは、室内に海兵隊司令官が入って来た時だ。



      ――――――ATTENTION(きおつけ)



 ブルが声を張り上げてそう号令し、全員が立ち上がって居住まいを正した。

 室内へ入って来たのは、海兵隊司令官のチャールズ・ハミルトン大将だ。

 はるばる火星からやって来た大将は、自宅のあるロスへと帰宅していた。


「実はこう見えても休暇中だからな、諸君も楽にしてくれ。諸君らが戦闘に次ぐ戦闘の日々を送っていることに感謝する。そして、カビーアの件は実に残念だった。シリウス出身の勤勉な兵士を失う事は海兵隊全体の損失でもある」


 多分にリップサービスだ……

 テッドはそんな印象を持った。ただ、実際の話として損失はデカい。

 そもそもサイボーグは金が掛かるのだから、兵士ではなく機材の損失だ。


「休暇中ではあるが、同時に様々な折衝や打ち合わせもこなしている。そして今日は諸君らに良い話も持って来た。我々海兵隊の未来が掛かっている話でもある」


 笑みを浮かべてそんな事を言うハミルトン司令に対し、全員が警戒している。

 エディと同じく、またもや無理難題を持ちこまれる危険性だ。


 だが、同時にもう一つの可能性も感じている部分がある。


 この大将は現場を良く知っている人物だ。

 アメリカ合衆国海兵隊の現場で身体を張って来た経歴は伊達ではない。

 様々な経験を積み重ね、幾度も負傷したり後方送致を経験している。



 ――――この人は味方だ



 現場の人間がそう感じると言うのは、実は凄く大きな事でもある。

 理解度の低いハリボテ勇者じゃないと言う面での安心感。

 なにより、血を流す痛みを知っているという仲間意識の強さだった。











 ――――――――北アメリカ ロサンゼルス市街

         国連宇宙軍 サイボーグ大隊活動拠点

         西暦2276年 5月4日 現地時間 AM9:00











「賢明な諸君らなら回りくどい前口上は不要だろうな。この意義を理解してくれるだろうし、舞台裏も察しが付くだろう」


 チャールズは何処か上機嫌で大型モニターのスイッチを入れた。

 そして、自らのIDカードにあるQRコードをスキャナに読ませた。


 すると、モニターに巨大な垂直構造の基地が透視画で浮かび上がった。

 驚く程に巨大な積層型の基地が立体構造となって表示されたのだ。


「月面にある巨大な垂直孔、マリウスホールに建設中の宇宙基地だ。垂直に100メートル以上の巨大な縦穴が空いていて、その奥には横方向に数十キロ単位の横穴がある。ここに宇宙軍基地を建設しているのだが、海兵隊もそこを使う方向で調整を重ねていた。そして、このほど公式にそれが決定し発表される運びとなった」


 大将ともなれば部下の反応を見つつ、一気呵成にモノの説明をするもの。

 この大将もまたそんなスタンスでモノを見ているのだろう。


 ただ、なんで月面なんだ?とテッドは思った。

 火星でも良いんじゃないか?と言う事だ。


「諸君らも不思議そうにしているが、その疑念は最もだ。そもそも火星に海兵隊の拠点があるのだから、それで良いじゃないかと言う部分だ。しかし、実はそこに大きな落とし穴がある。火星と地球は遠いのだ。約2年のサイクルで離合を繰り返しているが――」


 モニターの表示が変化し、火星と地球の公転軌道が表示された。

 ざっくり言えば、火星が太陽を5周する間に地球は8周する。

 その公転軌道が最も離れると、約4億キロの距離となるのだった。


「――これからの時期は火星がだいぶ接近する。従って月に陣取っていると地球にも火星にも行きやすくなる。そのサイクルにそって身動きしやすい所に行こうと言う事だ。月は重力が弱い関係で、艦艇の出入りも楽だからな」


 大型宇宙船を地球や火星に降ろすのは大変だ。

 そして大気圏外に出るのはもっと大変だ。


 大気圏外向けの大型空母や輸送船などは、そもそも大気圏内航行が不可能。

 それ故に最初から大気圏外で建造するくらいなのだ。


「司令。その場合、我々は何処に陣取るのですか?」


 疑問を持ったらしいステンマルクが質問を上げた。

 何かしらの思惑があるのだろうが、先ずは確認なのだろう。


「良い質問だ。恐らくは月面に基地を作る理由をもう察しているのだろう?」


 チャールズは満足そうに笑うと、モニターの表示を変化させた。

 そこに表示されているのは、現在地球の地上で問題になりつつあるテロだった。


「これを見れば解ると思うが、シリウス系のレプリカントによるテロが相次いでいるのだ。そして、パッと見ではレプリかどうかが判断できない。様々な形で身分を偽って警戒網を突破し、重要機関などで爆弾テロに及んでいる」


 様々な形で地球に送り込まれるレプリカントは多いが、その大半は非地球製。

 彼等は宇宙労働者として外太陽系の生産工場などでつくられている。


 そんなレプリカントが地球への帰還船に紛れ込んでテロを行うのだ。

 既に様々な国連軍機関や政治的施設が被害を受けている。

 なにより甚大なのは市民生活への影響だ。


 地球に降りたシリウス側工作員の目的は地球の政治体制を不安定化させること。

 民族間や国家間の闘争を煽り地域間闘争を再燃させる離間の計だ。


 ただ、そんな計略も現状もはや制御不能だ。

 ならばこのまま暴走させ、地球の政治的な一枚岩化を妨害する方針らしい。

 事実、対立する両陣営に武器を支援するなど酷い状態だ。


「実に残念な話だが、人類の懸案よりも自陣営の利益を求める層は多い。それにともない軋轢も増えている。具体的には文字通りの地域紛争だ」


 チャールズの見せる地球世界の紛争マップは頭痛を覚えるレベルで酷い。

 結局、人類は未だに怒りや憎しみと言った低レベル感情を克服出来ないのだ。


 そしてその結果、中東を始めとする地球全域で民族間闘争が続いている。

 地球中の様々な地域で民族同士が激突していた。


「この通り、懸案事項はあまりに多い。もっと言えば、すわ有事となった際にはすぐさま駆け付けてバカを殲滅する必要があるということだ。なにせバカとゴキブリは増殖するからな」


 あまり笑えないジョークが飛び出し、テッドは笑いを堪えた。

 ただ、言いたいことはよくわかるし、自分も散々経験したことだ。


 人間は誰だって支配する側に回りたいもの。支配されるなんてまっぴらだ。

 そんな人類のサガにより、地球はあちこちで猛烈な闘争を続けていた。


「まぁ、シリウス側の勤勉さは今に始まったことじゃない。昔からそうだし、これからもそうだろう。それ故、火星でも地球でもパッとすぐに動き出せる事が重要と言う事だ」


 その為の月面基地か……

 テッドはそう解釈した。


 早ければ月面から地球のどの地域へも6時間で展開できるのだ。

 その威力は凄まじいし、シリウス側には悪夢だろう。


 ただ、そうなると今の戦力では心許ないのも事実。

 地球は広く大きいが故に、裏側で何かが起きても対処には時間がかかる。


「と言うことは司令。何処かに我々のような即応展開を可能とする別のサイボーグ部隊が編成されたのですか?」


 オーリスは少し怪訝な声音でそうたずねた。

 わずか20名足らずの小さなチームでは地球全てをカバー出来ない。


 現状ですら世界中のアチコチへ容赦無く放り込まれている。

 そして間髪入れず次の現場に送り込まれる。

 肉体的疲労を無視出来るサイボーグとは言え、精神は疲労するのだ。



 ――――そろそろ勘弁してくれ



 率直に言えばそうなる。そして、中隊の誰もがそう思っていた。


「良い質問だ。そして、これからその話をしようと思っていた」


 話の腰を折るな……ではなく、満面の笑みでオーリスを讃えたチャールズ。

 だが、その笑顔には隠しようのない凶相が浮かび上がっていた。


「現状の海兵隊、第501サイボーグ歩兵即応大隊は諸君ら501中隊と502中隊のふたつが独立したチームとなっている。私はこれを最終的には15~20程度の小隊規模なチーム化したいと考えているのだ――」


 モニターの表示が変化し、チャールズの描いた青写真が出てきた。

 501中隊を8~10程度に拡大し、それぞれが独立した任務を遂行する。

 同時に502中隊のアンドロイド化した隊も複数化を図るようだ。


「――これにより、様々な任務を同時に遂行出来るし、危険な箇所へは複数の小隊を同時に送り込む事で作戦規模が大きくなったとしても我々だけで対処出来るようになる。なにより、生身の兵士に感謝される仕組みと言う事だ」


 思わず『え?』と漏らしてしまったテッド。

 その隣に居たヴァルターもまた『うわぁ……』と呟く。


 モニターに表示されたのは、今後予想される海兵隊の在り方だった。


「海兵隊は最終的には歩兵大隊を8~12個大隊。独立砲兵中隊を4~5個中隊。また高機動戦力に関してもシェルの運用部隊を含めた飛行隊の定数を5~10程度にする計画でいる。予算は有限なので、国連軍という立場を最大限活用し、適宜地上国家からの支援を受ける事になる。要するに合衆国海兵隊などが支援するのだ」


 ……すげぇ


 わずかに口を開けたテッドは、それ以上の言葉が無かった。

 そこに表示される歩兵大隊とは、専属の強襲降下揚陸艦を持つ集団だ。

 つまり、海兵隊だけで8~12隻の宇宙船を持ち、太陽系を飛び回るのだ。


「ここで重要なのは、諸君らサイボーグの扱いだが――」


 チャールズはここで初めてエディに目配せして説明を続けさせた。

 ここから先は501中隊の歩んでゆく未来だからだ。


「まぁ、そんな訳でだ」


 エディが嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。

 もはやその時点で全員が表情を硬くしている。


 きっと凄い事態になる。

 その覚悟を決めたと言って良いだろう。


「我々はまず月面に陣取る。月面上では大気が無いので、生身ばかりでは万が一の事故で空気漏れを起こすと一気に全滅するからな。嫌でも我々が行かざるを得ないと言う事だ」


 どうせそんな事だろうと思ったよ……


 テッドを含めた全員がどこか達観したような顔になっていた。

 そして、話の続きを待ったのだが、そこから先は予想外だった。


「同時に我々は拡大を続け、地球、火星、月面、そして将来的には外太陽系拠点に分散展開するつもりでいるのだ。現状ではカビーを失って16人だが、新たな10人を加えて26人となる。そして、それを年内中にもっと拡大する。最低でも50名にはしたいと思っている。その時点で中隊内部にチームを2~3作るつもりだ」


 チーム化するのは一向に構わない。

 だが、その人員をどっから引っ張ってくるんだ?


 テッドが最初に思い浮かべた疑問はそこだ。

 まさか一般公募などするはずも無いだろうし。


 つまり、何処かから死に掛けを調達する必要性がある。

 そしてその最善手となるのは、これから戦闘する事だ。

 他でも無い、海兵隊が先頭に立って戦闘し、死に掛けを作るのだ。



 ――――あちゃぁ……



 苦虫を噛み潰した顔でヴァルターを見たテッド。

 そのヴァルターは苦笑いでチラリとミシュを見てからテッドと視線を合わせた。



 ――――またかよ



 なにがどう『また』なのかはテッドも解らない。

 ただ、そのやり方が、やり口が、悪意に塗れた最善手こそが、飛びきりの地獄。


「そんな訳でだ」


 再びチャールズ・ハミルトン大将に話が戻った。

 全員が表情を整えて対象に正対した。


 間違い無く重要な話は続くし、ここから先は大変だろう。

 そんな予感をヒシヒシと感じていた。


「海兵隊本部も分割することにした。地球上の本部はここロスに置く。そして月面基地は基本的に宇宙展開部隊の拠点とする。実はごく私的な事情で申し訳無いが、私もそろそろ退役が迫っている。その関係で辞める前に色々と諸君らの為に政治的懸案を解決しておこうと思う。まぁ、そんな部分もあって、私はここに残る」


 チャールズの言葉にテッドは『なるほど』と得心した部分があった。

 地球本部は娘ルーシーの為に色々と根回しを始めるのだ。


 そしてそれは、将来のエディにも役に立つ事になるだろう。

 国連軍海兵隊の中で叩き上げに鍛えられるルーシーの最終ポストだ。

 参謀総長などを歴任した後で、最後には海兵隊最高司令長官の座に就く。


 その全てがエディの役に立つという寸法だ。


「さて、ハミルトン閣下の工作に役立つ戦果を挙げに行くぞ。ついでに新人のリクルート活動もだ。先の小惑星破壊作戦で地球上の各所に色々と問題が出たが、シリウス陣営最後の拠点は南米だ。そこを急襲し、戦闘員を根絶やしにする」


 ハミルトン大将の言葉に続き、エディは次の作戦目標を伝えた。

 数週間前に見た小惑星の地球落下作戦は失敗に終わったが、破片は降り注いだ。


 その関係で地球各所に大きな被害を出しているのだ。


 当然の様に対策が求められている関係で大規模な掃討作戦が計画されている。

 その計画に海兵隊も動員されるという事だ。ただ、その実体は……


「……今度は何処っすか?」


 かなり嫌そうな調子でディージョが声を上げた。

 501中隊が動員されるなら、次も鉄火場と相場が決まっているからだ。


 作戦本部にすればニューヨーク降下作戦でみせた強力な戦闘能力は魅力だろう。

 敵のど真ん中に強行降下上陸し、内側から敵を叩く戦い方だからだ。


 ただそれは、猛烈な鉄火場に飛び込んで行っての大暴れ。

 当然の様に大きな被害を出すだろうし、同行する生身にとっては……



 ――――…………あぁ



 そう言う事か……と全員が嫌でも得心した事がある。

 大きな犠牲を産むのが目的だという事だ。


 対シリウス戦闘に於いては好戦的な若者の志願が相次いでいる。

 しかし、好戦的=高戦闘能力とは限らないのだ。

 それ故に、鉄火の試練を受けさせて隊員の選別を図る必要がある。


 そこで重傷となったり、或いは事実上死亡してしまう可能性だってある。

 最後の審判はいつだって唐突だ。そんな者達の中に適応者がいるかも知れない。


「まずは南米最大都市のサンパウロに降下する。現状では完全にシリウス陣営になっている国家なので形態としては事実上の侵略戦争だ。ただ、国家体制を俯瞰的に見た場合、ブラジルと言う国家の軍部を現大統領は掌握しきれていない。その為、建前上は平和的な総選挙の支援に向かうと言う事になっている」


 エディはモニターを操作し、現状のブラジルと言う国家を示した。

 例によってシリウス側は地域の民族間対立を煽っているようだ。


 その結果として多数派民族出身の大統領が少数民族を絶賛弾圧中だ。

 各重要ポストは猟官運動によって様々な民族出身者が就任している。

 彼等は協力と敵対を使い分けながら、自らの陣営に利益をもたらしている。


 そして、何度見たか分からない、大統領官邸と議会と軍部が激突中の構図だ。

 全土から選出された議会は様々な民族が入り混じり混沌としている。

 そんな状況で特定民族にだけ肩入れする大統領は疎まれるのが宿命だ。


「我々は大統領警護隊と呼ばれる最精鋭集団を叩きに行く。それにより国民軍が全土を把握する事になるだろう。その結果としてブラジルを筆頭とする南米各国からシリウス派を排除する。これで地球上の清掃は完了だ」


 エディは朗らかな顔でそう言うのだが、その実情は皆が表情を硬くしていた。

 つまるところ、面倒な奴は全部ぶち殺せという判断でしか無いからだ。


 そして大統領警護隊なんて親衛隊の中心部はシリウスシンパの筈。

 シリウスの工作員が多数派民族を抱き込んで支配体制を強固にしたのだろう。


「面倒な事は勘弁してほしいもんだ」


 ヴァルターは小さくそう呟いた。

 そんな姿を見たミシュリーヌがクスクスと笑っていた。


 地球上における最後の大規模戦闘が始まろうとしていた。

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