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黒い炎  作者: 陸奥守
第十一章 遠き故郷へ手を伸ばす為に
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海兵隊の到着

~承前




 ルジヴェ郊外の巨大な倉庫は、実際には大規模な戦闘施設だった。

 身を隠す中隊全員がそんな結論に達するまで、然程時間を要さなかった。


「こりゃスゲェや……」


 あんぐりと口を開けてそれを眺めているトニーはそれ以上の言葉が無い。

 海兵隊による強襲開始から既に1時間。戦闘支援の空対地攻撃が続いている。

 ただそれは、全くの空振りに終わりそうな気配だ。


 遠隔操作の無人攻撃機は果敢に攻撃を続行している。

 だが、そんな努力もむなしく既に3機ほど撃墜され、離脱機も相次いでいた。

 地対空ミサイルと迎撃ドローンによる抵抗は、この時代でも有効だった。


「まぁ、あの攻撃機が無人機なのを僕らは歓迎するべきだね」


 溜息混じりにウッディが漏らした言葉は偽らざる本音だろう。

 海兵隊が送り込んだ対地攻撃機は遠隔操作の無人機だ。


 人的資源を消耗しないのは大変ありがたい事なのだと501中隊は知った。


「だよな。仮にパイロットが居たら、今頃は死体の回収に行けって言われてるぜ」


 ジャンは吐き捨てる様な言い方をして、鼻を鳴らした。

 墜落した機体のパイロットが生き残っている場合、その救護は重要だ。


 しかし、そのパイロットのレスキューと脱出までのエスコートは危険に過ぎる。

 そもそも、敵優勢地に墜落したパイロットの救出は、不可能の代名詞だ。


 だが、無人機の登場はその全てを一変させた。

 レスキューとエスコートの合成語であるレスキュート任務は事実上無くなった。

 無人機の操作は既にパイロットでは無くオペレーターに変わっていた。


「そう言えば、最近の無人機オペレーターは傷病兵のリハビリ代わりらしいね」


 ウッディが漏らした一言に全員が微妙な顔になった。

 率直に言えば、面白く無いのだ。


 安全な所でコーヒーでも飲みながら無人機を操作するオペレーター。

 最前線で埃と硝煙と砂埃に晒されながら活動するサイボーグたち。

 どちらも同じ軍人だが、その待遇の落差にはどうしたって不満が漏れる。


 俺達は砂埃と泥と硝煙に塗れてるのに、あいつらは夜には帰宅して眠れる。

 じゃぁ、俺達の役回りはいったい何なんだ?


 上部胸腔の装甲に護られた内部どこかに重い物が突っ込まれた錯覚だ。

 口にこそ出しては言わないが、それでも忸怩たる思いはわき起こる。



 ――――俺だって後方の安全な所で戦争をやりたい



 ……と。


「まぁ、どんな形にしろ、不自由なく生きられる分だけサイボーグの方がマシだろ。死ぬまで車椅子生活は辛いぞ」


 邪念を振り払うようにジャンがそう言う。

 不自由なくかどうかは解らないが、無人機オペレーターは車椅子が多いらしい。

 彼等は戦闘中の負傷で任務続行が不可能になったが、契約が残っていたのだ。


 もう助からない。けど、まだ生きてる。じゃぁサイボーグになるか?

 ある意味、運が良いのだろう。死なずに済んだのだから。


 しかし、サイボーグになると再び最前線に送り込まれる。

 おまけに今度は、そう簡単には死なないし、死ねないぞ?


 つまり、程度に障害が残った負傷兵は、返って悲惨と言う事だ。

 一度は死んだ人間しか、サイボーグオペレーションは施されないのだから。


「だな。兄貴の言う通りだ。で――」


 場の空気をかき混ぜるように口を開いたテッドは空を見上げた。


「――海兵隊の本隊っていつ来るんだ?」


 上空にはまだ無人機が3機か4機ほど飛んでいて、ロケット弾を放っている。

 恐らくはレーザー誘導系なのだろうが、その命中率は余り高くない。


 それでも飽和状に攻撃をしていれば、良い所に当たる事だってあるらしい。

 巨大な倉庫の天面に直撃したのだろうか、大きな音を立てて天井が崩れた。


「あれで風通しが良くなっただろ。そろそろ来るんじゃね?」


 同じ様に呆れ気味のヴァルターもそう言うと、対空砲火が静かになった。

 いつの時代でもそうだが、戦争とは経済の激突でもある。

 高価な地対空ミサイルを景気よくぶっ放す訳にはいかない。


 対空陣地が瓦礫で潰されたか、弾薬消費をセーブしてるのか。

 その実情が見えない以上、こちらとしては出方の見極め待ちだ。


 そして……


「あ、広域無線に」


 通信担当のミシュリーヌがポツリと漏らし、直後に中隊無線へ声が流れた。



      ――――こちらルジヴェ攻撃本部

      ――――地域展開中の海兵隊各員に通達

      ――――強襲降下まで15分



 AIによる機械音声だとテッドは思った。

 ただ、それについて今更どうこう言うつもりは無い。

 この時代ではごくありふれたモノだから。


 だが、そんな気持とは別の所で何かがイラッとささくれ立った。

 それを考えるのは無駄な行為だが、それでもテッドは思索を進めた。

 ややあって、一つの結論に達し、テッドはそこで考えるのをやめた。


 だが。


「……俺達機械から指示されてるぜ」


 考えるのをやめたテッドと同じ結論にヴァルターが達していた。

 そんなヴァルターに視線をやって、不服そうにテッドは笑った。


「今に始まった事じゃねぇけどな」


 精一杯の強がりと皮肉。

 ヴァルターが言いたかったのはそうじゃ無い。


 機械に指示されてるのでは無く、機械のように扱われているということだ。

 それが軍隊の宿命だったとしても、少しは感謝しろ……と言いたくもなる。


「そういやぁアレだね。そもそもここって時の大統領の一言でこうなったんだってね。なんでも、感謝が足りなかったって」


 ウッディがそう切り出し、中隊の面々もテッドとヴァルターの言葉を理解した。

 ウクライナ戦争で最も不幸な事は、世界情勢も変化していた事だ。


 ロシアとウクライナの和平を実現させた最大の理由は経済だった。

 当時の覇権国家だったアメリカは、国内経済が破綻しきっていた。

 そして、当事国であるロシアもまた戦争経済が限界だった。


 その結果、アメリカとやり合っていた中国が世界への影響力を増しつつあった。

 だが、それを良しとしない多くの国家が介入し、ほぼ強引に停戦させたのだ。



       ――――平和とは無料で得られるモノでは無い



 ごくごく当たり前の事だが、それを世界中の国家が再認識した。

 そこに至るどんな約定や約束の遂行も経済的事情が許さないことがある。


 ウクライナの安全を確約するとしたアメリカは、国内産業が疲弊しきっていた。

 その結果として、ウクライナとの約束を棚上げせざるを得なかった。


 ウクライナへの支援額はアメリカが突出していて、ぶっちぎりの1位だった。

 他国も支援したが、アメリカ以外の支援総額よりアメリカの方が多かった。

 アメリカがどんどん疲弊する中、手緩いことをしていた欧州は経済が伸びた。


「まぁ、実際の話、どこの国の国民だって、自分の払った税金が自分以外に使われるのは面白くねぇと来たモンだ――」


 ポツリと切り出したジャンは空を見上げながら言った。

 合衆国大統領はそれが面白く無いと言うアメリカ国民の意を汲んだに過ぎない。

 ロシアに侵略されようが征服されようが、勝手にしろと大統領は言い切った。


「――おまけにその頃のヨーロッパは安全保障なんか眼中ねぇくらいに経済で盛り上がってた。我が世の春ってな具合で儲けてた。アメリカはそれが気に入らなかったのさ――」


 そして、その結果として、当時のNATOなどは大幅な軍事の再増強に至った。

 覇権国であるアメリカにとって世界の安定は重要では無くなったのだ。

 それ故に、自分の身は自分で守れと言う一大原則が世界に帰ってきた。


「――本当なら経済対策に突っ込むべき金まで世界の平和と安定に使ってた。けどな、その平和を享受して盛り上がってるヨーロッパは、目の前のウクライナ問題に及び腰だ。アメリカさん、何とかしてくださいってな――」


 ジャンの言葉が続く中、上空には幾つもの兵員輸送機が浮いていた。

 軌道上から直接やって来たのだろうか。どれもが宇宙往還機のデザインだった。


「――自分達の金は使わず経済に金を突っ込んでな。だから……」


 欧州血統であるジャンが何かを言いかけたその時だった。

 上空で何かが大爆発し、キラキラと光る破片が空中を舞った。

 本能的に『撃墜された』と思ったテッドは、その射点を探した。


「ミサイルだな」

「多分アレだろうね」


 空を見上げていたステンマルクがポツリと呟いた。

 それを聞いたウッディが遠くを指さして応えた。


 天井が落ちたはずの倉庫だが、その壁の向こうから煙が上がっていた。

 地対空ミサイルが放たれ、上空の1機が撃墜されたらしい。


『全員見たな?』


 やや離れた場所にいたエディが無線の中で切り出した。


『これからあの降下してくる友軍を支援する。具体的には、あの拠点へ突っ込む。こっちが囮になると言う事だ。つまり、我々サイボーグ中隊は地上へと降下する友軍を支援するために英雄的な戦闘を行う。どうだ? 実にやり甲斐があるだろ?』


 自信たっぷりにそう切り出したエディ。

 それを聞いたテッドは、思わずプッと吹き出していた。


『マジですか? まぁ、やれと言われればやりますけど』

『サザンクロスの攻防戦よりかはマシですけどね』


 テッドとヴァルターがそう返答し、身を隠していたトレンチから出てきた。

 広大な平原に残っていた塹壕のなれの果てはロ・ウ戦争の遺物だろう。

 その盛大な尻ぬぐいが始まろうとしていた。


「全員集合!」


 マイクの声が響き、全員が手持ちの武器を片手に集まって来た。

 夜の間に準備していたので、銃火器の手入れは十分だ。


「あそこに降下してくる味方を支援する。具体的に言うと、着上陸エリアを指定してやり、そこに降りてくる機を狙う敵を掃討する」


 指示はシンプルで簡単だ。

 ただし、こちらの危険性は全く考慮されてないのだが。


「まもなく侵攻支援の巡航ミサイルが着弾する。その攻撃で大幅に片が付くはずだが、問題は電子妨害だ。従ってこちらは着弾支援のレーザーシーカーを使う」


 ニヤリと笑ったマイクは地面に置いてある機材を手で叩いた。

 背中に背負うサイズのそれは、可視領域外波長の光線を放つ代物だ。


「着弾まであと5分なんで早速始める。向こうの歩兵が出てきたら何とかしろ」


 既に機材を背負っているエディはニヤリと笑って散開しろとジェスチャーした。

 それと同時。鈍い音を立てて起動したレーザー照射装置が一直線の光線を吐く。

 生身の人間には見えない紫外線近くの波長だが、サイボーグの目には見えた。



 ――――紫色か……



 それがどんな意味を持つのか、テッドは少し考えて理解した。

 やって来るミサイルに突入先を教えてやるのだ。


 電子妨害によりGPS誘導だと誤差が出るし、命中もしない。

 それをカバーする為の代物なのだが……


「結局はこう言った地味な兵器が一番効くんですね」


 ぼそっと呟いたヨナは怪訝な顔で空を見た。

 遠くからジェットエンジンの音が響き、大きなミサイルが見えて来た。


「まぁな。戦争だって経済だぜ」


 ヨナの背中をポンと叩きディージョがそう言う。

 同じタイミングでミサイルは急に機首を上げたあと急降下した。

 えぐい角度で倉庫の外壁に突入し、凄まじい音が響いた。


「うへぇ……」


 ロニーがぼやき、それを見たミシュリーヌがクスクスと笑う。

 ただ、それもやむを得ないだろう。ミサイルの着弾が大きな変化をもたらした。

 濛々たる砂塵が巻き起こり、その後に見えてきたのは巨大な火焔だ。


「何が燃えてるんだ?」


 首を傾げて眺めているジャンだが、その後にも続々とミサイルがやって来た。

 GPSに誘導され一定の間隔で連続着弾するミサイルは完全に誘導されている。

 激しく燃え上がる火焔からは黒煙が立ち上っているのだった。


「黒煙と言う事はオイル系でしょうね」


 トニーはジャンの言葉にそう返答し、同じ様に拠点を眺めた。

 中隊全員がある意味で傍観者の様になった時、再び地対空ミサイルが放たれた。


「は?」


 誰かが抜けた声を出した。

 それが誰だかは解らなかったが、その直後に予想外の事が起きた。

 巨大な倉庫状の施設外部から次々とミサイルが放たれ始めたのだ。


「ロニー! 付いてこい!」

「へいっ兄ぃ! お伴しまさぁ!」


 テッドはロニーを連れて一気に走り始めた。

 不整地だがサイボーグの脚はそれを余り問題にしない。

 ただ、瞬間的に『地雷ッ!』と背筋を寒くさせたが、もう手遅れだった。



 ――――あとで怒られれば良いや……



 なげやりなやり方だが、下がる訳にもいかなくなった。

 巨大な倉庫状の施設外側には幾つも戦闘車輌が停まっていたのだ。


 モスボール化され保管されていたらしいのだが、実際にはそれが解かれている。

 つまり、戦闘に参加させる気満々だったのだろう事が見て取れた。


「ロニー! 道具は何だ!」

「ライフルっす!」


 対戦車兵器を持ってこなかった事をテッドは後悔した。

 ただ、ここまで来た以上は突入が吉だ。


 さらに速度を上げたテッドは前傾姿勢を強めて戦車の群れに飛び込んだ。

 乱戦となれば撃たれる危険は大幅に減るのだから。


「兄ぃ! こっち狙ってやすぜ!」

「解ってらぁ! 乱数軌道で回避だ! 秒速30キロも出てねぇから安心しろ!」


 シェルドライバー特有の緩い思考だろうが、そんな事を言ってる状況では無い。

 生身では追いつけない速度になったテッドは小刻みに左右へ進路を変えていた。


 だが……


「伏せろ!」


 テッドがそう叫んだ瞬間、彼方に見えていた戦車が発砲した。

 生身が受ければ一撃で内臓をやられる衝撃波が襲い掛かってきた。


 全身をドンと強く叩かれ、そのまま地面にひれ伏したテッド。

 その背中辺りを砲弾が通過して行き、ソニックウェーブにも叩かれた。


「ロニー! 行けるか!」

「死んでやせん! もちろん行けやす!」


 ロニーだって幾多の乱戦を潜り抜けている。

 こんな局面では心配ないと言う安心感がテッドにはあった。


「このまま行く……」


 行くぜ!と言おうとして、その最後の言葉が出る直前だった。

 上空で爆発が発生した。ややあって様々なモノがバラバラと降ってきた。

 侵入してきた海兵隊の輸送機だと気が付いた時には、もう手遅れだ。


 コントロールを失ったらしい輸送機は空中をヨタヨタとしていた。

 何処かに不時着するのが目的なのだろうが、そんな場所は無い。


 再び地上から轟音が響き、地対空ミサイルが放たれた。

 今度はティルトローター機が直撃されたらしく、上空で爆散した。


「見てらんねぇな……」


 辛そうな言葉をテッドが吐いた時、巡航ミサイルがやって来た。

 遠くから『喰らえ!』という言葉が聞こえ、多分ブルだとテッドは思った。

 その直後、上空を狙っていたミサイルキャリアが爆発した。


「こりゃすげぇ!」

「誘爆してるっす!」


 テッドの言葉にロニーが楽しそうな声を重ねた。

 エディ達3人が一斉にレーザーシーカーを集めたのだろう。


 続々と飛来する巡航ミサイルは次々と地上の戦闘車輌を撃破している。

 そもそもに炸薬量のある巡航ミサイルなのだから、当たれば威力はデカイ。

 5発か6発目あたりで対空ミサイルはなりを潜めていた。


「テッド兄ぃ! ありゃヤベッす!」


 ロニーが空を指差した先、先ほど直撃を喰らった輸送機が煙を吐いていた。

 後部ハッチは開いているが、誰も空中へと飛び出していない。

 空挺降下するんじゃ無いのか?と訝しがったテッドだが、ハッと気が付いた。


 海兵隊の全てが空挺な訳では無い。そもそも空挺とは特殊な技能なのだから。

 普通は輸送機が滑走路への強行着陸を行うか、ヘリボーンを行うモノ。

 つまり、あの機はもはやどうにもならない……


「せめて死体は回収してやろう」


 テッドの言葉にロニーは『そうっすね』と軽く応えた。

 もはやどうにもならないのだから、あとは見守るだけだ。


 しかし、そうも言ってられない状況が始まってしまった。

 巨大倉庫の中から戦車が姿を現したのだ。


「ありゃ年代モンっすね!」


 装輪式では無くキャタピラを履いた第6世代くらいの古典戦車だ。

 滑空砲を装備していて、砲塔の周囲には小さなミサイルポッドがある。

 それらの周囲には小型のガトリング式銃が幾つも付いていた。


 ドローンとの闘いに明け暮れた戦車の進化は結果的に原点回帰となったらしい。

 装甲は厚く丈夫に。機動力では振り切れないので、ハリネズミ的に武装。

 接近させない。接近しても撃ち落とす。激突しても装甲で護られる。


 そんな戦車のデザインは、はっきり言って不格好だ。

 だが……


「あれ? ジャンの兄ぃが何か叫んでやすぜ」


 何かに気が付いたロニーが振り返って言った。

 戦車を凝視していたテッドも振り返った時、ジャンは走り出していた。


 不整地だというのに地面を見ず、ジャンの眼は空に注がれていた。

 そしてその視線の先には、墜落しつつあるティルトローター機が居た。


「…………え?」


 思わず変な声が出たテッドもいきなり走り出した。

 戦車に狙われていると言う発想は頭から消えていた。

 轟音と共に巡航ミサイルがやって来て戦車を破壊したが、見る余裕など無い。


「ルー!」


 ジャンの声が聞こえた。テッドも『マジかよ!』と叫んでいた。

 黒煙を引いて墜落しつつあるティルトローター機のハッチに士官が見えたのだ。

 最初は小さな姿だったが、今はもうルーシーだとはっきり認識出来る距離だ。


「待てッ! 待つんだッ!」


 ジャンがそう叫んでいるが、どうやら手遅れらしい。

 残り30メートルくらいの所辺りでルーシーは空中に飛び出していた。

 屈強な海兵隊兵士が幾人もそれに続いていた。


 それは、絶望的な空中への逃避だった……

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