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黒い炎  作者: 陸奥守
第一章 シリウス義勇軍
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実戦配備

 ――――ニューホライズン サザンクロス郊外 地球連邦軍集積地

     シリウス標準時間 4月28日 0900






 ジョニーが地球連邦軍の練兵場へ志願という形でやって来てから、早くも5週間が経過した日の朝。速成のブートキャンプを終えた志願兵達は立派な新兵としてグランドに並び、エディの訓辞を聞いていた。

 立場上は地球連邦軍の兵士ではなく、地球派市民の中から志願して参加しているシリウス義勇軍という形になっている。ニューホライズンの現地人は、基本的に地球連邦軍へは参加できない仕組みになっているのだった。

 連邦軍兵の場合、地球への帰還が制度上ありえるのだから、法令上の都合としてシリウス人は地球連邦軍の一員足りえない。


 なんとも四面四角で融通の利かないやり方だが、書類と法律で雁字搦めにされた軍隊と言う組織の悲しさでもある。法執行機関最強の暴力装置でもある軍隊という組織は、公務員の中で最強最悪の官僚組織とも揶揄される存在なのだ。シビリアン(文民)コントロール(統制)と言う大義名分で、軍隊と言うなの暴れ竜が勝手な事をしないように押さえつける為の、いわば安全装置。

 だが、その都合で軍に参加し危険な所へ赴く若者の法的立場に二種類の差別的な隔たりが生まれてしまうのは、なんとも皮肉な話だった。地球から送り込まれた若者であれば、なんとしてでも地球へ帰したいと言うのが政治家の都合だ。民衆の代表と言う職業の彼らは、何より選挙結果を大事にするし、不利になる事は避けて通りたいと思う。

 だが、軍隊は時にあらゆる非情をも肯定する無情の指令を出さねばならないし、遂行せねばならない。時には生存確率が非常に悪いミッションを行わない時も出てくるのだ。そうなった場合、もはや言うまでも無い事だが地球上における選挙に影響が出ないか、もしくは出難い立場に居るシリウス義勇軍の兵士は、優先的に危険な現場へ送り込まれる事になる。なぜなら、シリウス人が幾ら死んでも、それに心を痛めたりする家族が地球には居ないのだから……


「諸君。4週間に及ぶ厳しい教育期間を耐え抜き、立派にやり遂げた誇り高き志願兵の諸君。筆舌に尽くしがたい試練に耐え抜いた誇り高き新兵諸君。教育課程終了おめでとう! 今日から諸君らも我々と目標を同じとする『同志』として迎え入れられる事になる。このニューホライズンの大地で愚かな夢を見る集団に鉄槌を下す者として、これから任務に当たってもらう事になるだろう」


 真新しい装甲戦闘服など身を護る軍装一式と大口径自動小銃を支給された新兵達は、緊張した面持ちでエディの訓辞を聞いていた。力強い言葉が響き、決意も新たに拳を握り締め聞いている若者たちの表情は硬い。

 シリウス義勇軍の平均寿命は一年未満と言われ、半ば消耗品の様に扱われるのを本人たちも重々と理解し始めたからだ。たった一ヶ月の訓練で戦地へ送り出される若者たちの表情に笑みは無い。むしろそこに見えるのは、決意や覚悟やそう言う勇ましいものではなく、もうすぐ死ぬと言う諦観と、そして、迂闊な事をしたと言う後悔だった。


 だが、それを話す地球連邦軍側にも同じような空気があった。前日の夕方から本格的にニューホライズンの大地へと地球連邦軍の重機材が陸揚げされ始めいよいよ大反攻が始まるのだと言う空気が流れていた。

 地球サイドの中から出始めた『卑怯な軍隊』と言う論評に顔色を変えた政治家達は、地球人の軍人軍属にも相応の『犠牲』を求めた。宇宙軍と地上軍の統合作戦本部は『程よい数の戦死者』で納まるように作戦を調整していることだろう。

 そんな現場へと送り出される事になる連邦地上軍兵士たちは、慌てて家族へ遺書を書き始めていて、どこか刺々しい空気が流れているのだった。


「我々地球連邦軍はいよいよ総反抗の時を迎えつつある。重機材の降下陸揚げが続き、遠く地球より地上戦を専門とする精兵集団が続々とこの地に集まり始めた。おそらく明朝までにトータル百万を越える兵士が揃う事になる。諸君らはその一員として、自分勝手な都合でシリウス人民を苦しめる自治政府軍隊と戦う事になる。我々が戦う相手は大半がレプリカントと呼ばれる人造人間たちだ。奴らは死を恐れないし、最初から消耗品と割り切られている関係で非常に手ごわい。これから諸君らも経験する事になるだろうが、まず自分の身を護る事を考えて欲しい」


 消耗品と割り切ってレプリカントを使うシリウス軍の手強さは、実際に砲火を交えた兵士たちが異口同音に口にすることであった。少々撃たれた程度では死なない強靭な肉体を持つレプリカントは、最終的に連邦軍陣地へ飛び込んで自爆を試みる事が多い。

 肉体的損傷を受けて後方へ下がると言う事がまず無く、むしろ、まだ動けるうちならありとあらゆる手を使って突入を試みたり、或いは、死体のフリをして連邦軍の到着を待ち自爆するケースが後を絶たない。そして悪い事に、そんなレプリカント達を見ているニューホライズン生まれのシリウス人兵士は、どういう訳かそんな思想に感化されてしまった者が多く、非常に戦意高く意識も高く、祖国防衛という大義を持って従軍していて、投降する事無く最後の一兵まで闘うのが普通だった。


 そんな狂信集団を相手に戦う事になる連邦軍兵士達は、自分の撃った敵が死に切るまで気を抜けず、また、確実に殺しきる為に死体と見分けが付かない敵をオーバーキルする必要に駆られていた。その行為に交戦する地球軍側も気を病む者が続出し、精神的に変調を来してPTSDになったり重度の欝を発症する者が続出しているのだった。

 精神の安定の為に向精神薬を常習したり、或いは酒やドラッグに溺れる者が続出し、戦地における脱法行為の続発が頭痛の種という状況に陥りつつあった。本来はそれを取り締まる筈のMPまでもが先頭切って略奪行為に及んでいるケースもあり、とてもじゃないが勝ち戦とは言いがたい状況で荒んでいく兵士の心をどう救済するかは、正解の無いトンネル状態になっていた。


「たった4週間で諸君らを戦線へ送り出す事になるのは非情に心苦しい。だが、諸君らに生き残る為の基礎は全部教えた。後は諸君らの経験が重要になる。厳しいトレーニングを百度重ねるより、たった一度の実戦が向上や上達の為には勝る経験となる。配属された部隊には厳しい戦いを生き残ってきたヴェテランが多い事だろうから、今度はそのヴェテランから教えを請うと良い。そして、まず生き残る事を考えよう。諸君らに青きシリウスの恩寵が有らん事を願っている! 人類万歳!」


 エディの訓示はシンプルだが核心を突いたモノだった。丁寧な口調を心掛けたエディの言葉が終わったあと、三百人少々に減っていた新兵はそれぞれの配属大隊へと引率下士官に導かれ消えていった。


「俺たちどうするんだろう?」


 少し不安げなジョニーは数名の新兵と共にその場に残り、指示が出るのを待っていた。すっかり新兵としての気質が染みこみ、勝手な行動を起こさないよう注意を払えるようになって居た。


「俺はジョニー。グレータウン出身だ」


 やることも無かったので改めて自己紹介したジョニー。右も左も知らない人だらけの環境なのだから、まずは見識を広げておかないと後で困る。いざ実戦となったら間違いなく混乱をきたすだろうし、声を掛けるにも名前を知らないという事態になりかねない。そんな事を思ったのだが、実は案外向こうもそう思っていたらしいのだった。


「俺はヴァルター。ノイエスプロイセンから来た」


 栗毛で浅黒い肌をした青い目の男は笑って手を差し出した。何度か一緒に訓練を受けていたはずだが、余り印象に残っていなかったと気付くジョニー。だが、ヴァルターの方はジョニーを意識していたようだ。


「やたら射撃の上手い奴が居るって思ってたけど、まさか同じ所に配属になるとは思わなかった。よろしく頼むよ」

「褒められるほど上手いとは思えないが、でも、足を引っ張らない程度には頑張るさ。こちらこそよろしく」


 ガッチリと握手をしたふたり。その後になってもう一人いた男が自己紹介を始める。小柄でガッチリとした体格の黄色系人種だった。


「俺はドゥバン。シリウスタン出身だ。どちらかというと不器用な人間なんで、周りに迷惑を掛けてばかりだが、精一杯やるんでよろしく」


 ジョニーとヴァルターはドゥバンと握手を交わす。どうやら501中隊に配属となったのはこの3人のようだった。


「オラ! 新兵共! 注目!」


 何処からかやって来たドッドは、立派な腕章に幾つも横線を指した上級兵曹長だった。手には501中隊の所属を示すウォータークラウンマークが入った楯のパッチを持っていた。


「コレを左腕上部に付けろ。今日から501中隊の一員だ。ウチにはウチのやり方があり目的もある。それを教えるから真剣に聞けよ。後でエディ達に何か聞かれて解りませんなんて答えたら、俺は間違いなく酷い目に遭うからな」


 ジョニーを含め三人だけ残された新兵を前に501中隊の目的を教えていた。


「いいか? 501中隊の仕事は簡単で単純だ。俺たち一番の仕事は、順次撤退中の地球連邦軍に帯同し、火事場泥棒やらかしてる連中を見つけ次第、粛清することだ。ただ、要するに味方を撃つ事になるからあまり良い気分の仕事じゃ無い。だけど、俺たちがやらねぇと、シリウスの一般人とかが困るから、俺たちはその汚れ仕事を引き受けてるって寸法だ」


 ポカンと口を開けたジョニーたち三人は、驚きを隠せない表情でドッドを見ていた。この朝にもシリウス軍を全滅させられると思っていた地球連邦軍だが、その下士官の長から『順次撤退中』と言う言葉が出たからだ。

 そして、その最中の火事場泥棒を防止すると言うのだから、呆れてモノが言えないとも思っている。想像していたよりもまともな集団だと思っていた地球連邦軍だが、実際はシリウス軍やそのシンパと変わらない狼藉集団なのかもしれない。ふと、そんな事を思ったジョニーはヴァルターやドゥバンと顔を見合わせた。


「もちろん、シリウス軍のレプリを処分するのも重要な仕事だがな。そんな訳で、時に俺たちはとンでもねぇ所で口にするのも憚られるような汚れ仕事をする事になる。そこは覚悟しておけ。それと、この仕事は人には言うな。他所の隊の連中にも絶対に言うな。公式には、俺たちの仕事はシリウスに残された先史文明の痕跡を調査することだ。ヘカトンケイルって呼ばれる連中が見つけたらしい、そもそもここに居た先住人類の痕跡を探すことだ。ヘカトンケイルって連中が全部秘匿しちまったから、俺たちはそれを探すのが表向きの任務だ」

 

 ドッドは新兵三人を一人ずつじろりと睨む。何だかんだ言って下士官以下をまとめる役というのは大変だ。あまり緩くなりすぎないように手綱を締める役は恨まれ役でもあるのだから、そんな役を引き受ける下士官の長とはそれなりの人物なんだろうとジョニーは想像する。


「おいおい、そんな驚くんじゃねー 軍隊って組織ならどこにでもある話だ。気性の荒い男が何人も集まれば、必要なのは酒と飯と女だ。それは百万年経ったって変わらねぇのさ、ちがうか?」


 言葉を失っている新兵三人を前にドッドは続けた。


「飯も酒もメスホールで用意するし、女はいつの時代だって慰安所があらぁ。それで用を済ませば良いってこった。だけどな、後退中に他人様の家に上がりこんで家捜しして金目のものを根こそぎかっぱらうとか、そこの娘を廻すとか、そう言うのはいただけねぇ。だから俺たちが手を下す。そう言う汚れ仕事をエディが引き受けたのさ。場合によっちゃ味方と銃撃戦をやからすはめになる。だからな、チャンスだと思ったら迷わず撃て。死体は反撃してこねぇからな。わかったか?」


 ドッドの言葉に衝撃を受けていた新兵三人は小さな声で搾り出すようにイエッサーと呟いた。だが、そんな言葉に表情をしかめたドッドは、不機嫌そうに腕を組んで、三人をねめ廻す。


「まだ良く分かってねぇみてぇだな。もういっぺんだけ聞いてやろう。お前ら自分の立場ってモンを良く思い出せ。なんせ戦場って奴は矛盾に気が付く奴といつも注意深い奴だけが生き残る。今日はサービスしておくが、今回だけだ。いいな」


 組んでいた腕を解き、そのまま腰に手を当てたドッドは倣岸な上官の姿になっている。その姿にジョニーがハッと自分の失敗を気が付き、あわてて踵を揃え背筋を伸ばした。そんな姿にヴァルターもドゥバンも失敗を気が付く。基本的に頭の回転が良いやつらだとドッドは内心ほくそえんだ。


「チャンスだと思ったら迷わず撃て。死体は反撃しねぇ。わかったな?」

「イエッサー!」


 新兵三人が大きな声で応え、ドッドはニヤリと笑った。


「最低一週間は気を抜くなよ。油断したやつから死ぬからな」

「イエッサー!」

「よし」


 ドッドは手招きして新兵を呼び歩き出した。臨時に練兵施設となった基地の外れでは初めて見る八輪の装甲車がジョニー達の到着を待っていた。車体の上部には戦車よろしく回転式のターレが備えられていて、太い砲身を持つ高機動戦闘車両その物という印象だった。

 その前では頭を抱えた装備課の主計士官と、ニヤケ面で交渉を続けているエディ達501中隊の高級士官が揃っていた。


「ですからこれは初期不良があるので予備車両としてリザーブされる……」

「予備なら尚更良いじゃ無いか。俺の名前で申請書を書いておくから」

「ですが…… あちこちまだトラブルがありそうで」

「それはウチで修理しよう。なんせ黙っていれば何時まででも車弄りする奴が居るからな」

「いえ、車両的な問題だけじゃなくて、書類上が……」

「そんなのは簡単さ。こうしよう!」


 パチンと手を叩いたエディが両手を広げて装備課の人間の肩を抱いた。

 同意を求める無言の圧力なのは言うまでも無い。


「実戦投入するに当たり我々が実戦テストを行う。少々仕上がりに難がありそうだから、細々と修正作業を施し、実戦で使えるかどうかを見極めてこよう。つまり貸し出しだ。現場で勝手に持って行かれたんじゃない。我々は善意で持って行った。そうだよ……な?」


 ニコリと笑っているエディだが、至近距離で見るその笑顔には同調圧力そのものと言える恐ろしいまでの迫力があった。背筋に冷たい物が流れた装備課士官はまるで蛇に睨まれた蛙の様になっていて、思わずコクコクと頷くのだった。


「そうか、同意してくれるか。いやぁ~ 理解ある人間は良いね。個人的には仲良くしたいと思うが、なんせ軍隊と言うところは縦割りだ。まぁ、貴官の名誉の為に書類はちゃんと書いておく。何も心配ない……」


 そんな話をしているエディを他所に、ロージーやグーフィーが車両をあちこち確かめ始めていた。床下へもぐりこんだりエンジンルームを確かめたりしつつ、最終的にはサムアップをエディに送っている。


「問題ないらしいな。じゃぁ、これを受領しておこう。あっちのM223を置いていくから必要なところがあったら工面してやって欲しい。大事に使ったんだが、なんせ戦闘車両という事で少々鉄火場も経験している。入念にチェックしてやってくれ。じゃぁ、頼んだよ」


 肩をポンと叩いて装甲車に乗り込もうとしたエディ。だが、ドッドは遠慮なくその途中で声を掛けた。各班で手分けをして各部を確かめつつ、砲塔を旋回させたり装備機銃を確かめたりしている。


「エディ! 新入り三人だ」

「おぅ! ご苦労さん!」


 ドッドの声で装甲車の前に立ったエディは士官を集めた。エディを中心にマイクとアレックスは左右に並ぶ。アレコレ書き込まれた地図を持っていたアレックスがエディに地図を渡していた。そして、その両側にはアンディー中尉、シェロン中尉、レジー少尉、リーナー少尉の4人が並んだ。さらには、少し離れた所にハワードとグレッグの両士官候補生准尉がたち、501中隊の首脳陣が勢ぞろいした事になる。

 エディの前に立ったジョニーたち三人は何処か緊張していて、4週間の訓練で兵隊気質が少しだけ浸透しているのかもしれないとジョニーは自嘲した。だが、エディは相変わらず緩い調子で立っていた。


「さて、今日から俺のチームの一員だ。基本、シリウス義勇軍の志願兵扱いだが、俺はそんなので区別はしない。仲間は仲間だ。だから最初に三つ言っておく」


 エディが指を一本立てて皆を見る。


「地球人でもシリウス人でも、犯罪行為には容赦するな。自分の信じる正義と、そして、正しい行いと言う物を見失うな。人の命を奪う仕事だが、自分の魂だけは絶対に汚すな。青い空に浮かぶ白い雲の様に、常に真っ白でいろ。いいな?」


「サー! イエッサー!」


 エディの指が一本増えた。


「注意を怠るんじゃない。ただ、緊張しすぎても良い事は何もない。適当に緩くやれ。張り詰めていると、ブツリと切れたときに死ぬからな。仕事中はとにかく真剣に、真面目にやれ。だけど、オフの時は適当に気を抜け。ただ、上官にしかられない程度にな」

「サー! イエッサー!」


 三本目の指がエディの手に立った。

 そしてエディは笑みを添えた。


「勝手に死ぬんじゃない。戦闘中に馬鹿をやらかして死ぬんじゃない。俺を残して先に死ぬんじゃない。俺だって仲間が死ぬところは見たくないんだ。いいな?」


 エディの口から出た言葉に、一瞬だけ言葉を飲み込んだジョニーたち。

 だが、次の瞬間、精一杯大きな声で返事をしていた。


「サー! イエッサー!」

「うん。よろしい」


 うんうんと頷いたエディは地図をたたんでアレックスに手渡した。その地図をカバンにしまいつつ、アレックスが歩き出す。


「ジョニーは1号車。ヴァルターは3号車。ドゥバンは4号車だ。装甲車に分乗しろ。これからサザンクロスの北東200キロにあるルドウの街を目指す」


 アレックスに続きマイクが口を開いた。


「サザンクロスに向けて進軍中のシリウス軍が降下したばかりの地球軍とガチで遣り合ってる。そこへ行って俺たちの仕事をする。いきなりへヴィな戦闘になるから抜かるなよ」


 二人の大尉の言葉にも精一杯デカイ声で答えた新兵三人。そんな彼らにエディが最後に声を掛けた。


「シリウスの恩寵が皆にありますように。そう、神に祈っておこう。各班に行って501中隊の説明をしっかり受けると良い。早速だが今からここを出発する。たった今新装備を受け取ったのでその訓練をしながらな。忙しいが充実した毎日になるだろう。しっかりやってくれ」


 そのまま歩み去ったエディをジョニーたち三人は敬礼で送った。

 ここから長い付き合いになる三人の新兵達の楽しい兵隊ライフが始まった。

 

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