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プロローグ

 真冬の朝。暖房もきいてない教室は指がかじかむほど寒く、授業を聞いている生徒の中にはカイロを握りしめている人や手袋をしている人も見受けられた。

「それじゃ、この問題を・・・榊、解いてみなさい」

 先生に指名され、俺は席を立ち上がりゆっくりと黒板に向かい歩いていき指定された問題を解いた。

 ・・・正直話は全く聞いていなかったが昨日予習した範囲だったから特に問題なく解くことができた。

「これでいいですか」

「・・・正解だ」

 そう言った先生の表情は僅かだが不機嫌そうな様子が見て取れた。どうやら俺がぼんやりとして授業に集中していなかったのを見られていたらしい。

 まあ・・・だからといって特にどうというわけでもなく、俺はそのまま席に戻り形だけ授業を聞いているポーズをとりながら頭の中ではいつもとまったく同じことを考えていた

(退屈だ・・・)

 いつも通りの授業風景、いつも通りの日常。それが退屈で仕方がなかった。

 別に今の生活が嫌だとか不満があるというわけではない。

 昔から勉強はある程度していたから学校での成績は良かったし運動も人並みにでき、親友と呼べる友達もいた。ただ、それでもどうしようもなく退屈だったのだ

 俺がこういうと大抵のやつは同じようにこういった。それ以上を求めようだなんて贅沢だ、と。

 だが、俺はそういう奴らに対していつもこういう。なら、お前は何も変わらないことを退屈と思わないのか?と。

 この質問をすると皆言葉に詰まり反論を返すことができなくなっていた。

 まあ当然の反応だろうと俺は思う。誰だって日常に何の変化もなければ大なり小なりそれを退屈と思うだろう。それを否定することができるやつは早々いるはずもない。

 

 ただ一点・・・俺自身他の人間とは明確に違うのだろうと自覚する点がある。


 普通の人が思う変化といえば恋人ができるだとか高校や大学への進学や転校、就職などのちょっとした環境の変化のことだろう

 だが、俺は違った。

 明確な変化。今までの日常や価値観、それらが一瞬で覆るほどの大きな変化。


 俺、さかき 恭介きょうすけはそんな変化をずっと求め続けていた


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