妹からのくすぐりおねだり
「ねえねえ、お兄ちゃん!あの新作ゲーム、出たんだよ~?知ってるでしょ?」
妹のあかりがいたずらっぽい笑顔で、兄の弘樹に近づいてきた。
「ちょ、待って!そのニヤニヤした顔で近づかないで!まさか…!」
「ふふっ!そのまさかだよ~。ゲーム、買ってくれるよね!買ってくれるまで、こちょこちょ攻撃だぞ~!」
「あははははは!卑怯だ!ひゃあああ!断る!あひゃひゃひゃ!」
「だめ~!お兄ちゃんがゲーム買ってくれるまで、くすぐり攻撃はやめないんだから~!ほら、ここ弱いんでしょ~?」
「あははは!や、やめろってば!……そんなに欲しいなら、お小遣いで買えばいいだろ!」
「今月のお小遣い、もう別のゲームに使っちゃったもん!……ね、お願い!ほら、代わりに肩揉んであげるからさ~」
「肩揉みとか言いながら……またくすぐる気だろ!?あははは!……やめ!ひゃああ!」
「買ってくれるって言うまで、ず~っとくすぐるよ~?あ、耳も弱いんだっけ?ふふふ……」
「ひいぃ!そこはダメ!……わ、わかった!買ってやるよ!だからもう……くすぐるのやめて!」
その言葉を聞いて、あかりは目を輝かせた。リビングのソファで兄の弘樹を組み伏せたまま、彼女の指はまだ兄の脇腹に食い込んでいた。弘樹は息を切らして笑い転げ、必死に抵抗しようとしていたが、くすぐられて力が入らない。あかりは14歳になったばかりの中学生で、弘樹は17歳の高校生。単純な力比べでは圧倒しているとはいえ、こちょこちょではあかりに敵わない。幼い頃からの遊びで、あかりは弘樹のくすぐり耐性のなさをよく知っていたのだ。
「やったー!お兄ちゃん、約束だよ? あの新作のRPG、明日一緒に買いに行こー!」
あかりはようやく指を離し、弘樹の体から離れた。弘樹はソファにぐったりと横たわり、息を整えながら睨むようにあかりを見た。
「はあはあ……もう、ほんとにやめてくれよ。あかり、いつまでそんな子供みたいなことするんだよ。俺だって忙しいんだからさ」
「えー、でもお兄ちゃんが弱いのが悪いんだよ? いっつも、くすぐったがり屋さんなんだから~。」
あかりは悪戯っぽく笑い、弘樹の足元に座り込んだ。部屋は静かになり、弘樹はようやく安堵のため息をついた。笑いすぎた疲れがどっと押し寄せてくる。ゲームを買う約束はしたものの、なけなしのバイト代で稼いだ財布事情を考えると少し後悔した。でも、あかりの激しいくすぐり攻撃に耐えられる自信はない。
しかし、あかりの悪戯はそこで終わらなかった。数分後、弘樹がキッチンで水を飲もうと立ち上がった隙に、あかりは再び近づいてきた。
「お兄ちゃん、ちょっと待って。さっきの約束、ちゃんと守ってくれるよね?」
「守るよ、守るってば。明日買うよ」
弘樹はそう言って背を向けたが、あかりの声は甘くねっとりしていた。
「ふふ、でもお兄ちゃんの弱点、もっと知りたくなっちゃったかも。さっきの耳、結構反応よかったよね? 他にもあるのかな~?」
弘樹の背筋が凍った。振り返ると、あかりはまたあのニヤニヤ顔で迫ってきていた。弘樹は慌てて後ずさりしたが、壁に背中がぶつかった。
「ま、待てよ! 約束しただろ! もうやめろって!」
「これは別! お兄ちゃんの弱点探しゲームだよ~。ほら、逃げないで!」
あかりは弘樹の腕を掴み、強引にソファに引き戻した。弘樹は抵抗したが、あかりが腰をこちょこちょと軽くくすぐると、足の力が抜けてしまう。その隙を逃さず、あかりの指はお腹へこしょこしょと這い上がる。弘樹がバランスを崩してソファに倒れ込むと、すぐにあかりは組み伏せてしまった。あかりは弘樹の両手の上にまたがって押さえつけ、片手で弘樹の首筋を軽く撫で始めた。
「まずはここ、首はどうかな?あれ、なでなでしてるだけなのに、もう震えてるの?」
「あっ、く、くすぐったい! やめろ、あかり!ふふっ!」
弘樹の体がビクッと跳ねた。首筋は意外に敏感で、指が触れるだけで笑いが込み上げてくる。あかりは目を細め、指を滑らせて反応を観察した。
「へえ、首も弱いんだ。じゃあ、次は……お腹! ここ、ぽっこりしてるよね~。こちょこちょ!」
あかりの指が弘樹のシャツの下に潜り込み、腹部をくすぐり始めた。弘樹は爆笑し、体をくねらせて逃げようとした。
「あはははは! やめろって! お腹は……ダメだよ! あはは!」
「ふふ、反応いいね。お兄ちゃん、こんなに弱いなんて可愛い~。もっと探そっか。足の裏はどう? 昔から弱かったよね?直接くすぐられる方が好きかな?」
あかりは弘樹の足を掴み、靴下を脱がせようとした。弘樹は必死に足をばたつかせた。
「やめろ! 足は絶対ダメ! あかり、ほんとにやめてくれ!」
しかし、あかりは容赦なく靴下を剥ぎ取り、指で足の裏をくすぐり始めた。弘樹の笑い声が部屋に響き渡った。
「あははははは! そこは弱いんだよ! やめ、ひゃあははは! 許して!あはははは!」
あかりは楽しげに指を動かし続け、弘樹の反応をじっくり観察した。足の裏の土踏まずを重点的に攻めると、弘樹の体が激しく痙攣する。涙目になりながら笑い続ける弘樹を見て、あかりの心に悪戯心が膨らんだ。
「へえ、足の裏がそんなに弱いんだ。お兄ちゃん、こんなに笑っちゃうなんて、面白い! じゃあ、次は太ももはどうかな? 内側とか、敏感そう~」
あかりの指が弘樹の太ももに移り、軽く爪を立ててくすぐった。弘樹は体をよじり、息も絶え絶えになった。
「あはは! そこも…いひひひひ!…くすぐったい! あかり、ほんとにもう限界!ひゃああ!」
あかりは弘樹の弱点を一つ一つ探る。脇腹、耳、首、腹、足の裏、太もも……兄の体はどこを触っても敏感に反応し、笑い声が止まらない。弘樹はくすぐりに極端に弱く、幼い頃からあかりの標的にされてきたが、今でもそれは変わらなかった。あかりはそんな兄をからかうのが大好きで、今日のようにゲームのおねだりを口実にくすぐり攻撃を仕掛けるのが常套手段だった。
ようやくあかりが手を止めた時、弘樹は汗だくでソファに倒れ込んでいた。
「えへへ、ごめんね。お兄ちゃんの反応が可愛くて、つい。じゃあ、許してあげるよ。でも、明日ちゃんとゲーム買ってね?」
弘樹は頷くしかなかった。あかりのくすぐり攻撃に耐えられるはずがない。翌日、二人は街のゲームショップに向かった。弘樹は約束通り、新作のRPGをレジに持っていった。あかりは興奮気味に箱を眺め、弘樹の腕に絡みついた。
「わーい! ありがとう、お兄ちゃん! これ、絶対面白いよ~」
会計を済ませ、店を出たところで、あかりの表情がまた変わった。彼女は弘樹の袖を引っ張り、甘い声で囁いた。
「お兄ちゃん、もう一つお願いがあるんだけど……」
弘樹は嫌な予感がした。振り返ると、あかりはまたあのニヤニヤ顔をしていた。
「もう一つ? 何だよ?」
「あのね、さっきのゲームの続編みたいなやつ、もう一つ出てるんだよ。そっちも欲しいな~。お兄ちゃん、買ってくれない?」
弘樹はため息をついた。
「いや、さっきのだけで十分だろ。お小遣いだって限界があるんだぞ」
しかし、あかりは諦めなかった。彼女は弘樹の手を握り、街中で人目も憚らずに近づいてきた。
「えー、だめ? お兄ちゃんが買ってくれないなら……またくすぐり攻撃しちゃうよ? ここで弱点探ししちゃおうかな~」
弘樹の顔が青ざめた。街中でそんなことをされたら、恥ずかしくてたまらない。
「ま、待てよ! ここじゃやめろ!」
あかりの指が弘樹の脇腹に忍び寄った。弘樹は慌てて手を払いのけ、後ずさった。
「ふふ、じゃあ買ってくれる? ほら、耳も弱いんでしょ~。」
あかりは弘樹の耳元に息を吹きかけ、軽く指で触れた。弘樹は体を震わせ、笑いを堪えた。
「あっ、くすぐったい! わ、わかったよ! 買うよ、もう一つも買う! だからやめてくれ!」
あかりは満足げに笑う。二人は再びショップに戻り、もう一つのゲームを購入した。弘樹は財布を軽くしながらも、あかりの笑顔を見て少し嬉しくなった。妹の悪戯は相変わらずだが、こうやってこちょこちょされるのも、たまには悪くないかもしれない。帰宅後、あかりは二つのゲームを並べて喜んだ。弘樹はソファに座り、疲れた体を休めたが、あかりはまた近づいてきた。
「お兄ちゃん、ありがとう! お礼に、肩揉んであげるよ~」
「いや、いいよ。絶対またくすぐるだろ」
「あはは、ばれた? でも、お兄ちゃんの弱点、もっと知りたいかも。次はどこがいい?」
弘樹は慌てて逃げようとしたが、あかりに捕まってしまった。またくすぐり攻撃が始まり、部屋に笑い声が響くのだった。




