表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/23

20話 冷蔵庫の故障

 ある日曜日、隆二の家の黒電話がジリリと鳴る。

「隆二か?おはよう」と電話の相手は、婆ちゃんであった。

「氷?買ってこい?冷蔵庫が壊れた?ふん、‥」

「わかった、すぐ行くよ」と隆二は受話器を置く。

朝食の支度をしていた香が「お婆ちゃん?なんだって?」と電話の声を聞いて、隆二に問う。

「いや、冷蔵庫が壊れて、昔使っていた〝氷式の冷蔵庫〟をとりあえず使うから、氷を買ってきて欲しいんだと、今日の午後には、電気屋さんが来てくれるらしいが、それまでの間に、だと」と答える。

香は、「わかった、朝ご飯急ぐね」と古川雑貨店に向かう支度を急いだ。


 古川雑貨店 台所


 婆ちゃん、爺ちゃん、清一、隆二は、固唾を飲んで、修理にあたってくれている電気屋さんに注目する。

「こりゃダメですわ!買い替えですね!」

冷蔵庫を分解し、対応にあたってくれたが、どうやら駄目らしい。

婆ちゃんは、「そうか、仕方ないな〜爺ちゃん買うしかなかろう?」と爺ちゃんを見る。

爺ちゃんは、「電気屋さん、おすすめの冷蔵庫はあるかね?」と電気屋に聞くと、電気屋は、鞄から、〝松田電気〟の新型冷蔵庫のパンフレットを

出して「今、丁度、松田電気のキャンペーンやってまして、この2ドアの冷蔵庫が7万2000円で目玉商品です!そうだ、買ってくれたら、ジューサーミキサーもサービスで付けますよ!」と松田電気の冷蔵庫を勧めてきた。

「松田電気⁈」と隆二は、香の元、夫の件もあり、そっぽを向いた。

清一は、「そりゃ安い!婆ちゃん、松田電気にしようよ!」と大乗り気である。

爺ちゃんも「ワシも、ジューサーミキサーが欲しいのう、リンゴジュースを作りたいんじゃ!」と乗り気だ。

 座敷で、智也の相手をしていた香が「お婆ちゃん、気になさらないでください!冷蔵庫と、元夫は関係ありませんから!」と声をかけた。

婆ちゃんは、「東立(とうりつ)は、どうじゃ?」と電気屋に聞くと、電気屋は、「東立ですか?東立は、今置いてないんですよ、取り寄せになりますし、1週間はかかりますよ!」と渋い顔をした。

 婆ちゃんは、そっぽを向いている隆二を見た。

隆二の背中からは、〝悔しさ〟がにじみ出ている。


 『なんで東立にしたんですか!』と隆二以外から婆ちゃんは責められた。

「いいんじゃ、1週間くらい隆二が〝氷〟を持って来てくれるじゃろ?なあ、隆二?」と隆二に聞くと、隆二は満更でもなさそうに「別に、松田電気でも良かったんだぞ、婆ちゃん‥」とにこやかである。

婆ちゃんは、「〝武士に二言は無い〟だろ?隆二?」と言い、皆は、智也の実の父の前で隆二が言った〝松田電気は二度と買わん!〟を思いだした。

 爺ちゃんは、「ジュウサーミキサーが‥」としょんぼり肩を落とした。


 1週間後


 古川雑貨店にピカピカの東立の冷蔵庫が届けられた、誰よりも嬉しかったのは、隆二であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ